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城谷 知彦 院長、城谷 敬子 副院長の独自取材記事

いしが城谷クリニック

(茨木市/茨木市駅)

最終更新日:2021/10/12

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック main

阪急京都線・茨木市駅西口のロータリーを出て徒歩4分ほど。地域の健康を支える「いしが城谷クリニック」は、昭和初期に開業した前身の「石賀医院」の時代から合わせると70年以上の歴史を持つ、茨木市の顔とも言えるクリニックだ。現在は城谷知彦院長と城谷敬子副院長が2人体制で、呼吸器内科を中心に循環器内科、生活習慣病の診療を行っている。2012年に全面リニューアルしたクリニックは、ハイセンスでおしゃれなデザイン。リラックスできる居心地の良い院内で、城谷院長が熱意を傾ける喘息の専門診療や、敬子先生が実践するライフスタイルから見直す生活習慣病の診療について話を聞いた。

(取材日2018年2月20日)

専門分野を生かしながら地域医療に貢献

「いしが城谷クリニック」の院名には、お二人の思いが込められているそうですね。

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック1

【城谷院長】「石賀医院」と言えば、茨木市に古くからお住まいの人にとってなじみが深い、産婦人科医院でした。初代院長である妻の祖父から父へ、2012年から私と妻が3代目として医院を引き継ぎ、現在は内科を専門に診療しています。クリニックを全面リニューアルした後も、あえて院名に「いしが」を残したのは、この場所で70年以上にわたり親しまれ、地元の高校で校医を務めるなど地域医療に貢献してきた先代院長の理念を受け継ぎたかったからです。
【敬子副院長】専門分野を問わず、困っている人がいればなんでも診る。そんな祖父と父の姿を子どもの頃から見ていて、私も将来、地域に寄り添う医師になりたいと思いました。産婦人科の時から来られている患者さんも多く、「ここで生まれたんです」「ここで出産しましたよ」とお話しするのがうれしく、また誇りでもあります。

どのような診療が受けられますか?

【城谷院長】循環器系疾患や生活習慣病をはじめ、内科全般を診ていますが、中でも私が得意とするのは呼吸器内科です。神戸大学の医局時代に喘息の研究に力を注ぎ、現在も引き続き専門性の高い喘息治療を提供しています。咳が出ると普通は風邪を疑いますが、風邪薬を飲んでも咳が治まらず、一般内科や耳鼻咽喉科の先生に呼吸器内科を勧められて受診される方も多く、呼気中の一酸化窒素量の測定、肺機能検査、エックス線検査などで細かく調べていくと、高い割合で喘息もしくは咳喘息が認められます。夜間から朝にかけて出る咳や、風邪が治っても咳が残る場合は、喘息の可能性もあると考えます。症状が軽いからと放置すると重症化する恐れがあるため、2週間以上の長引く咳があれば受診することをお勧めします。

喘息治療についてお聞かせください。

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック2

【城谷院長】喘息の治療は、日常生活で咳や発作が起こらないように、病気をコントロールしていくことが重要です。良い状態をキープするため、咳が治まった後も治療を継続する必要がありますが、人間というのは症状がなくなると油断してしまうもので、多くの方が自己判断で治療を中断してしまうんですね。ですが、何ヵ月かしたらまた調子が悪くなって、治療を再開することになり、以前より悪化していることもあります。喘息治療の難しさは長期的管理が求められる点であり、治療に対する正しい理解を広めていくことが大切だと考えています。呼吸系疾患は自覚症状がないまま病気が進行するものが多く、喫煙により肺が壊れる病気、COPD(慢性閉塞性肺疾患)もその一つです。水面下で肺が壊れていき、自覚症状が出てきてからではかなり進んでいることが多いので、早めの検査と治療を心がけてほしいと思います。

栄養や運動を取り入れ、薬に頼らない治療を実践

生活習慣病の治療ではどのようなアプローチをされていますか?

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック3

【敬子副院長】患者さんに話を聞くと、「できれば薬を飲みたくない」という人が圧倒的多数です。もちろん薬を飲まないで異常のまま放置するよりは、薬を飲んで数値を正常化するほうがいいのですが、やはり本当の意味での健康というのはライフスタイルから改善していき、自分の力で治していくものだと私は考えています。当院では免疫を整えて体質を改善していく統合医療に取り組み、月に数回、管理栄養士による食事相談を実施して、不足している栄養素やお勧めの調理法などのアドバイスを受けられる機会を設けています。また保険適用外になりますが、運動療法のインストラクターによる有酸素運動や筋力トレーニングの指導を実施し、薬だけに頼らず健康を取り戻す医療をめざしています。「食事や運動の指導がしてもらえると聞いてここに来ました」という方が予想以上に多く、うれしく感じています。

アレルギーの外来や漢方の専門外来も行っているそうですね。

【城谷院長】喘息はアレルギーが原因であることも多いため、吸入系、食物系合わせて40項目ほどのアレルゲンが調べられるよう、多彩なアレルギー検査を用意しています。アレルゲンが体内に入ってから数時間後、数日後に遅れて反応が出る遅延型アレルギー検査にも、保険適用外で対応しています。今や国民病といわれるスギ花粉症に対しては、舌下免疫療法も行っています。これはスギのエキスを何千倍に薄めたものを舌の下に滴下して取り続けることで、スギ花粉に反応しにくくするもので、3年間毎日続ける忍耐力が必要ですが、2014年から保険適用となり身近な治療となりました。内科診療では漢方を取り入れ、西洋のお薬だけで改善が難しい場合は、漢方を併用して体質から改善していきます。

診療で大切にされていることは何ですか?

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック4

【敬子副院長】診察で医師にいろいろ質問されても、緊張して話せなかったり、全部話してもいいのかなとためらったりすることがあると思います。ですので、患者さんが言いたいこと、困っていることをなんでも話せるような雰囲気づくりを大切にしていますね。リラックスできる空間にしたかったので、リニューアルの際にはあえて病院らしくないデザインにしてほしいと設計士の先生にお願いしました。スタッフもお互いの意見を言いやすい職場環境をめざしており、日頃感じていることや、待合室で患者さんにこんな相談をされたといったことも共有しながら、みんなで心を一つにしてクリニックを良くしていこうと頑張っています。当院の強みは優秀なスタッフが多いこと、そして内科を専門とする医師が2人体制で診療していることでしょうか。お互い相談し合えるメリットは大きく、それぞれの得意分野や持ち味を生かしながら、質の高い医療を提供したいと思っています。

利便性を高め、患者にとって通いやすい医院に

通院のしやすさを追求し、工夫されているそうですね。

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック5

【城谷院長】喘息は症状がなくても定期的な通院が必要なのですが、行けば混んでいて待たされるのでは患者さんも行きたくなくなるでしょうから、通院が負担にならないための努力がクリニック側にも必要だと思っています。当院は成人を対象とした喘息治療を行っているため、会社帰りに立ち寄れる平日の夕方や土曜に来られる方が多いのですが、混み合う時間帯はできるだけ看護師やスタッフの人員を増やし、呼吸器専門の医師に非常勤で来てもらうなどして混雑回避に努めています。さらに今後の制度改正に向けて、遠隔診療の導入を進めています。喘息の状態や通院回数などの条件を満たす人は、テレビ電話を使って自宅で診察が受けられるようにし、効率的に治療が受けられるようにしたいと考えています。

休日はどのように過ごされていますか?

【敬子副院長】夫婦でテニスをしています。テニスは学生時代に少しかじった程度で、30年ばかり遠のいていたのですが、高校生の息子がテニスを始めて、それを見ていたら自分たちもやりたくなったんです。最初は3人でやっていましたが、そのうち息子が行かなくなって、気づいたら夫婦の趣味になっていました。スキーも息子が言い出してくれたおかげです。何十年かぶりに始めて、今は私たちのほうが真剣です。学生時代を思い出しながら楽しんでいます(笑)。

今後の展望をお聞かせください。

城谷知彦院長、城谷敬子副院長 いしが城谷クリニック6

【敬子副院長】茨木の人は親切で健康志向の高い方が多く、こちらの説明や指導もきちんと聞いてくれます。今後も生活習慣病の予防や治療に力を入れ、ライフスタイルの改善に向けたセミナーや情報発信も活発に行い、地域の健康をサポートしていきたいですね。
【城谷院長】診療の大半は喘息の治療で、インターネットで喘息の専門医院を調べて、遠くから来られる患者さんも多いです。これからも呼吸器内科を中心に地域に役立つ医療を提供していきながら、何かあったときに頼ってもらえるクリニックをめざしていきます。

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