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森口 誠 理事長の独自取材記事

森口耳鼻咽喉科

(枚方市/光善寺駅)

最終更新日:2020/04/01

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枚方市に位置する京阪光善寺駅から線路沿いの道路を歩くと1分足らずで見えてくるのが、1995年開業の「森口耳鼻咽喉科」。CTをはじめとする新型の医療機器をそろえ、チュービング(鼓膜チューブ挿入術)やアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法、全国的にも少ないという日帰り鼓室形成術などの先端の医療を展開している。その主役となるのは、クリニックの理事長であり医学博士でもある森口誠先生。大阪市立大学医学部で研鑽を重ね、現在も同大学の非常勤講師として手術を担う耳鼻咽喉・気管食道のエキスパートだ。そんな森口理事長に、クリニックでの診療対象となる主な症例とそのメカニズム、治療法を中心にじっくり聞いてみた。
(取材日2018年3月23日)

正確な診断と負担の少ない治療が第一目標

どのような患者さんが来られますか?

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当院ならではの特色として中耳炎などで来られる子どもの患者さんが多く、中心となるのは乳幼児です。開業してから今年で23年になりますし、昔に診療した小さな子どもたちが大人になり親になり、中にはいまだにずっと来てくれる方もいます。基本的には地域のかかりつけ耳鼻咽喉科というスタンスですから、患者さんとは長いお付き合いになることも多いですね。ちなみに春先は、いわゆる花粉症の症状に対する相談が圧倒的に増えます。

診療に際して心がけていることは?

まずは常に正確な診断に基づく治療を行うことが重要で、CTをはじめとする検査機器はしっかりそろえています。あと、日帰り手術にも対応していますから、手術に使うレーザーや内視鏡などの機器も新型のものを用意し、しょっちゅう新しいものに入れ替えています。治療法に関しても、10年、20年たつとずいぶん変わっていきますから、常に見直しながら新しいアプローチを吟味していくことが必要でしょう。もう一つは、できるだけ患者さんの負担の少ない治療をめざし、痛みや苦痛、時間や手間を最小限に抑えることです。小さな子どものうちは痛みや恐怖で泣いてしまうこともありますが、その子にとって何が必要かを見失わないことが大切です。治癒せずに何年も苦しむほうがずっとかわいそうですからね。

花粉症など、アレルギー性鼻炎の患者さんも多いようですね。

現在、アレルギー性鼻炎の症状のある方がものすごく増えており、しかも低年齢化しています。スギ花粉のアレルギーに加えてダニアレルギーもあるというお子さんが大勢いて、常に鼻詰まりがあったり夜になるとグズグズしてきて鼻が通らなくなったり、非常にかわいそうな状態です。従来のアレルギー治療は受け身的で、患者さんから求められては薬を出すということの繰り返しでした。それだけではやはり不十分で、「こういう治療でやっていきましょう」と、医師のほうからもっと積極的に方向性を示すべきだと思うようになりました。そうして始めた一つが舌下免疫療法と呼ばれる治療法です。

舌下免疫療法とはどのような治療ですか?

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アレルゲンを含む治療薬を舌の下側に滴下したり錠剤を入れたりする治療法です。原因となるアレルゲンがやって来ても体がそれに反応しにくくなるという仕組みで、初回だけ副作用を見ながら院内で行い、あとはご家庭で3年間ほど毎日続けていただきます。適応となるのはスギ花粉かダニのアレルギー症と診断された方のみですが、他のアレルギーで悩んでいる方も全体の反応が低下して症状が軽くなることが見込まれます。2018年2月、ダニに関しては年齢制限なく保険診療となりました。将来、20年、30年と悩まされ続けることを思えば、早いうちに根本的な治療をやっておくべきと考え、適応者のほぼ皆さんにお勧めしています。当院ではこれまで数多くの症例数を扱ってきましたが、その数は大阪府下でもかなり多いほうだと思います。

難しい鼓室形成手術も日帰りで

子どもの中耳炎治療について教えてください。

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乳幼児、特に保育園へ通う時期の子どもたちに多いのが、急性中耳炎を繰り返す反復性中耳炎です。原因は風邪などの鼻水で細菌やウイルスに感染することですが、反復性ですから1ヵ月に何回も熱を出し、そのたびにお母さん方は保育園から呼び出されるわけですね。それを回避するために行っているのが、チュービング(鼓膜チューブ挿入術)という手術です。だいたい1歳前後で行うことが多く、鼓膜に小さな穴を開けてシリコーンチューブを挿入することで中耳内の換気を改善し、1年ほどしてから2歳を過ぎる頃にチューブを抜きます。その頃になると中耳炎になる回数は減り、中にはすっかり完治する子もいます。この治療法にはもともと力を入れており、鼓膜に穴を開けるための専用のレーザー装置も完備しています。

他にも日帰り手術を行っているそうですね。

はい。当院ではチュービングや副鼻腔炎の手術の他、局所麻酔による日帰り鼓室形成術(こしつけいせいじゅつ)も行っています。鼓室形成術は、慢性中耳炎や中耳真珠腫などの症状の方に対して行う手術です。慢性中耳炎になると鼓膜に穴が開き、耳だれを繰り返して聴力が低下していきます。耳だれは一時的に治りますが、落ちた聴力は戻りません。それを回復させるには鼓室を形成し直さなけれはならないわけです。一般的には全身麻酔で入院になってしまうのですが、普通に歩いて帰れるならご自分のベッドで寝たほうがいいでしょう。これを日帰りでやっている医療機関は、たぶん全国で10ヵ所もないと思いますが、手術に対する安全管理などは入院による手術と何ら変わりませんので、その点はご安心いただけると思います。

長年悩んでいる患者さんには朗報ですね。

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もう一つのポイントは、内視鏡を使って手術をしていることです。内視鏡を使うのは低侵襲、つまり患者さんの体への負担を少なくしたいと考えてのことで、普通の鼓室形成手術のように耳の後ろを切開することはありません。日帰りで、しかも内視鏡でとなるとますます珍しく、実際に行っている医院はほとんどないのではないかと思われます。病気の進展範囲によってはできない場合もまれにありますが、患者さんが楽に手術が受けられるという意味でこれに勝るものはないでしょう。手術自体はほとんどが60〜90分程度で終わり、2階のリカバリー室で2〜3時間ほど安静にした後、普通に帰っていただけます。長年、悩んだ末にようやく手術を受けられた方も多いのですが、「早いうちにやっておけば良かった」と、たいていの方はおっしゃいます。

1人で思い悩むより、まずは受診を

クリニックの現在の状況を教えてください。

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今もまだまだ発展途上ですが、近年になってやっと、ある程度のかたちになってきたように思います。ただ、やはり大切なのは人ですよね。スタッフは全員で18人いますし、大勢の先生に応援に来てもらうなど、いろんな方の力を借りながらやってきました。現在は毎週、水曜と木曜に大阪市立大学へ行き、水曜の午後から中耳炎の外来を診て、木曜は手術をしています。その後、ここに帰ってきて夕方の診察をするのですが、私が大学へ行ってる間は大学から先生が応援に来てくれているというかたちです。そんな忙しさですから本当は常勤医師を入れたくて、できれば明日にでも来てほしいくらいです(笑)。

ご多忙なようですが、休日はどう過ごしていますか?

休めるのは日曜だけですね。1人でやっているのはランニングで、過去にはフルマラソンにも出たことがあります。今はまともに走り込みができていませんが、自分自身と向き合いながらいろいろ考えを巡らすことができる、そういう意味ではいい時間だと思います。今、家族は私と妻と娘の3人で、妻は専業主婦、娘は医学部の学生です。泊まりが難しいので旅行には行けませんが、郊外へ出かけて何かを食べるとか、家族でちょくちょく遊びには行くんです。あれもこれもといろいろ考えてはいるのですが、やはりもう少し時間的な余裕を持つべきかもしれませんね。

最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

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ご自身の症状について、いろいろと疑問を抱いたまま過ごされている方が結構多いようで、どうしてもう少し早く来なかったのかと感じることがよくあります。選択肢はいろいろあります。当院では独自の切り口で積極的に提案させていただきますので、より効果が期待できる改善方法や適切な治療法が見つかるかもしれません。中にはご自身で花粉症だと思い込んでいて、実は副鼻腔炎だったというケースもありますから、自己判断だけでは危険な部分もあります。受診自体は決して難しいことではありませんから、ぜひ気軽に相談いただければと思います。

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