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島津 保生 院長の独自取材記事

宮田診療所

(高槻市/摂津富田駅)

最終更新日:2020/02/12

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高槻市宮田町にある「宮田診療所」は開業以来60年以上にわたって地域住民の健康に寄り添ってきた診療所だ。落ち着いた住宅街の中にあり、0歳児から90歳を超える高齢者までが訪れる、まさに町のかかりつけ医である。「どんな人でも気軽に来れる場所が僕にとってのかかりつけ医のあり方なんです」笑顔でそう話してくれたのは島津保生院長。日々の診療の傍ら高槻市医師会の理事を務め、在宅医療や高齢者対策にも心を砕く。高齢化社会に向け、さまざまな課題を残す在宅医療の分野にも積極的に取り組みながら、町の人々の健康に対する不安に耳を傾け続ける院長に、いろいろな話を聞かせてもらった。
(取材日2019年1月24日)

何でも診られる、地域のかかりつけ医をめざして

医師をめざした経緯を教えてください。

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一番大きかったのは、前院長である父の存在だと思います。小さな頃から父の背中を見ていて、自分も医師になるのだろうなといつ頃からともなく思うようになりました。ですから、医師になったのは自分としては自然な流れでしたね。診療所を継承したのも「いつか自分がこの診療所を継いでやっていくんだろうな」と思っていたから。「医師になること=この診療所を継ぐこと」と考えていたので、実際に父から引き継ぐことになった時も慌てることはなかったですね。気がつけばこの診療所も父が開業してから60年以上がたち、中には3世代、4世代にわたって来ていただいているご家族もいらっしゃいます。続けられるのは地域の皆さまのおかげですから、ありがたいなと思っています。

宮田診療所はどのような診療所ですか?

亡くなった父はもちろん、私自身も地域のかかりつけ医としての役割を大切にしたいと思っていますので、症状や年齢、性別問わずになんでも相談できる場所でありたいと考えています。現代は専門医師として特化した診療をしているところが増えていますが、気軽に体調管理や相談をするための診療所があってもいいはず。どこの科に相談すればいいかわからない体調不良もありますし、ちょっとしたけがもあるでしょう。そんな時、難しく考えることなく駆け込める場所。それがこの宮田診療所であればいいなと考えています。もちろん、より専門性の高い治療が必要だとなれば専門の医師を紹介するなどしますので、「なんとなくおかしい」といった不調を感じることがあれば気軽にご相談ください。

先生は内科を専門的に勉強されていたのですか?

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自分はこの診療所を引き継ぐつもりで医師になったので、内科の勉強をすることは当然必要だと考えていました。しかし、実は自分が専門的に専攻したのは形成外科なんです。なぜなら出身大学の形成外科では、全身熱傷などの全身管理が必要な症例がたくさんあるからです。事故で手術をする時にも生活習慣病などの持病をお持ちの場合は、けがの処置だけにとどまらず、常に全身の状態を観察しながら治療をしなくてはいけません。また、唇裂口蓋裂の手術など、生後間もない赤ちゃんから成人に至るまで幅広い年齢層の患者さんに、他科と連携しながら対応することが多くあります。単なる内科としてではなく、地域のかかりつけ医と考えた時に、より勉強したことを生かせるのではないかと考えたのですが、実際にその頃の経験がすごく役に立っています。

「宮田診療所に行けばなんとかなる」を大切に

実際に来院する患者さんの訴えとして多い症状はありますか?

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ほとんどは内科的な症状ですね。風邪や胃腸炎、頭痛などの方も多いですし、生活習慣病などの管理のために来る人も多いです。学校や家で負った外傷の場合もありますし、なんとなく体調がすぐれないと言って来る人もいます。予防接種や健診を受けに来る人もいます。これと決まった症状があるわけでなく、本当に皆さんそれぞれです。僕がめざしているのは「とりあえず宮田診療所に行けばなんとかなる」と思ってもらうこと。些細なことから大きなことまでなんでも気軽に相談に来てほしいし、宮田診療所を自分の健康を守り不安を取るために役立ててほしい。だから、今の状態はすごく理想的だなと思っています。

積極的に在宅医療にも取り組まれていると伺いました。

そうですね。在宅医療や往診は、父がこの診療所を開いた時から取り組んできたことです。ですから、自分が診療所を引き継いだ時に在宅医療も引き継ぐのは当然のことでした。だって、それまでずっと通ってきてくれた患者さんたちが診療所まで足を運べないからといって見捨てるような真似はできません。何年も、何十年もかけて付き合ってきたのだから、その人の体をよく知っている医師は僕だと思います。お互いに築いてきた信頼をもとに、自宅でも安心して過ごしてほしい。そのために僕が必要ならば、今度は僕がその人の元に足を運びますよ。僕を必要だと思ってくれる人がいる限り、頑張って続けていきたいことの一つです。

在宅医療ならではの難しさを感じることはありますか?

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やはり、家族や本人の死生観なども含め、在宅で家族で見るのは生半可なことではないなと感じることは多々あります。特に終末期の場合は、さまざまな意味での準備や協力が必要ですし、覚悟も必要だと思います。今の人たちは、どうしても「死」を迎える実感がなく、本人も周りも戸惑い、疲れてしまうことが少なくありません。ですから、みんなが無理しすぎることなく、より良い時を過ごしていくにはどうするかが課題じゃないかと思います。解決のためには、本人や家族だけでは駄目。住んでいる地域や、われわれ医師を含む医療関係者はもちろん、ケースワーカーなど幅広い職種にわたっての取り組みが必要となるのかなと思います。

終末期の在宅医療を通して、死と向き合ってほしい

そのために取り組んでいることはありますか?

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高槻市医師会の理事を務めていますので、在宅医療・高齢者対策の担当としていろんな取り組みをさせてもらっています。実際の在宅医療の現場にさまざまな人に同行してもらい、現状を見てもらったり、仕組みづくりのミーティングをしたりしていますね。また、機会があれば講演会なども行っています。より多くの人が在宅医療に興味を持ち、参画してくれれば、より良い在宅医療が行えるのではないかと実感しています。それと同時に、在宅医療を受ける側の皆さんも、いざという時にどうしたいか、どうされたいかを考える機会を持ってほしい。最近では終活などといわれていますが、それをできるだけ早い時期から皆が真剣に考えるような時代になっていけばいいと思います。そうなれば、在宅医療はもっと幸せなものになっていくのではないでしょうか。

先生が感じる終末期の在宅医療の良さとは何ですか?

「死」を感じられることじゃないでしょうか。もちろん、つらい瞬間もあるかもしれません。しかし、生物として誰もが迎える「死」を見届けることは、他では得がたい経験になるのではないかと思います。真剣に家族と話し合うこと、自分自身を振り返ることで得るものもきっと大きいでしょう。実際に、悲しみだけではなく、亡くなった人を最後まで見送れたという安心感や充足感を感じる人も少なくありません。簡単なことばかりではないので、誰もが気軽に取り組めるものではないと思いますが、自分や家族がする選択として、一度みんなで考えてみてもいいのではないかなと思います。

それでは最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

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体調が悪い時、不安を感じた時、迷うことなく気軽に足を運べる場所でありたいといつも思っています。お一人お一人と向き合うスタイルの診療所ですので、ちょっとお待ちいただく時もあるかもしれませんが、どうぞ気軽に訪ねてきてください。内科的な病気はもちろん、ちょっとしたけがの縫合処理も大丈夫。「どうしよう?」「どこに行けばいいのかな?」と迷った時も、どうぞお気軽に。皆さんのかかりつけ医として、皆さんの健康に関わらせてもらうことができれば、こんなにうれしいことはありません。これからもより皆さんの力になれるように頑張っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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