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田崎 龍之介 院長の独自取材記事

田崎医院

(高槻市/高槻駅)

最終更新日:2021/10/12

田崎龍之介院長 田崎医院 main

高槻駅から西へ約1km。西国街道を少し南へ入った住宅地の中に「医療法人もみじ会田崎医院」はある。1971年開業という歴史ある内科医院を、2015年に新築リニューアル。完全バリアフリーの真新しい院内は清潔感にあふれ、さりげなく飾られたアートが白い壁を引き立てる。「こういうの、結構好みなのですが、まるで反応がなくて」と笑うのは、改築と機を同じくして父親から院長を継承し、医院に新風を吹き込んだ田崎龍之介先生。一般内科や小児科はもちろん、専門である循環器内科や在宅医療などを加え、地域に住む人々のニーズに応えた結果、患者数は急増。今や連日、待合室がいっぱいになるほどの厚い信頼を得ている。その秘密はどこにあるのか、医療コンセプトは何なのか、じっくり迫ってみた。

(取材日2018年2月17日)

疑わしい場合は結論が出るまでしっかり調べる

院長継承に合わせて医院を新築されたそうですね。

田崎龍之介院長 田崎医院1

かねてから、父が80歳になるときに医院を継ごうと考えていて、大学院を卒業して日本循環器学会循環器専門医の資格も取れたので、ちょうどいい時期だったと思います。今、隣に薬局がありますが、以前はそこに医院があったんです。ここは自宅だったのですが、まずはこちらを医院に建て直しながら隣で診療を行い、移ってから旧医院を薬局に改築にしました。私はその年の3月31日まで大学で働き、4月1日から院長です。これは私の唯一の自慢ですね(笑)。やはり住宅街のホームドクターですから、空白をつくりたくなかったというのが一番でした。今も、以前からずっと通ってくださる患者さんが多く、中には3世代、4世代で来られるご一家があります。私が生まれた時から知っていて、「大きくなったね」と言う方や、先生と呼ぶのを照れくさそうにしている方もいらっしゃいます。

たいへんな人気で、患者さんで毎日いっぱいだとか。

おかげさまでずいぶん増えました。私は循環器内科の出身で動脈硬化が専門ですが、そのニーズが意外にあったというのが一つです。あとは訪問診療の患者さんを通じてそのお子さんやお孫さん、逆に小児科で診たお子さんのおじいちゃん、おばあちゃんが来てくれたり、患者さんが増えるのは比較的早かったと思います。一人ひとりを丁寧に診ることで、評価がじわじわ浸透していけばいいと思っていましたが、結果的には患者さんが宣伝してくれました。それはとても喜ばしいことで本当に感謝しています。待合席を十分に用意したつもりだったのですが、それでもいっぱいで、外来を予約優先にしたり、小児科のインターネット予約を始めたりし、できる限りお待たせしないようにしていくつもりです。

院長が交代して大きく変わった部分はありますか?

田崎龍之介院長 田崎医院2

一番は、大きな病院との連携です。紹介状の数も格段に増えています。父の時代は、まだ地域連携というものがなかったんですね。今はしっかりとしたネットワークがありますから、ちょっと疑わしい症状があれば結論が出るまで調べるため、すぐに専門の病院や先生を紹介します。あまり抱えすぎないようにすることが、こういう町医者では大切なんですね。自分のところですべてを解決しようとすると、重大な疾患を見逃したり、考えているうちに取り返しがつかないことにもなりかねません。そこは、大学病院にいた頃とは全然違います。大学病院にいた頃は自分が最後の砦でしたが、今は自分が最初の窓口です。窓口というのは非常に大切な役割だと思います。何らかの結論が出るまで調べ、何かを残したまま放っておくのだけはやめておこうと心がけています。

町医者の使命は地域住民の健康をしっかり守ること

診察時に心がけていることがあれば教えてください。

田崎龍之介院長 田崎医院3

例えば釣りが好きな方や旅行が好きな方がいれば、そういうキーワードを覚えておいて会話に交えて距離を縮め、患者さんがしゃべりやすいようにしています。患者さんが安心していて調子がいい状態、ノーマルな状態を普段からチェックしておけば、今日は調子が悪いから、どこかに病気が隠れていないかと気づくことができます。あと、予防接種に関しては事故がつきものなので、特に注意を払っています。ミーティングを開いてスタッフに危機管理を徹底し、もし何かミスが起きた場合、絶対にごまかさずに対応することを叩き込んでいます。医療にエラーはあってはいけませんが、人間ですから間違える可能性はあるわけです。しかし、エラーの対応を間違えることは絶対にあってはならないと思います。

お子さんの診察で大切なことは何ですか?

私にも子どもが3人いますので、子どもの扱いはそこそこ得意なほうだと思っています。それより気を配るのはお母さん方への説明ですね。中には勝手に判断して薬を飲ませない方もいますし、どこかでいろいろと情報を仕入れ、決めつけで「この薬が欲しい」と言って来られるお母さんもいます。それぞれ皆さん、お子さんを心配してのことだとは思いますが、そういう方には薬の内容をしっかり説明をさせていただき、ちゃんと納得してもらってから必要なものを出すようにしています。4月から大阪医科大学から小児科専門の先生がいらっしゃるので、気になったことがあれば気軽に相談してください。

こちらでは特定健診も行っていますね。

田崎龍之介院長 田崎医院4

せっかく特定健診などの制度があるのに、気づいていない方や忘れている方が結構いらっしゃいます。それを気づかせてあげたり、面倒くさがっている方に積極的に勧めたりするのも私たちの役割です。当院で健診を受けた方にはサマリーというものを作り、病歴を管理するようにしています。患者さんに何か急変があって他の医療機関にかかっても、それを送ればいろんなことがよくわかりますからね。健診以外にも、過去の病歴やアレルギー歴なども、なるべく全部打ち込むようにしています。ここで私ができることなんて限られています。少なくとも手の届くエリアの人たちだけでもしっかり健康管理してあげたいという感覚ですね。地域の人を守るということに関しては、おこがましいかもしれませんが、やはりそれだけの思い入れがあると思います。

普段からの通院が病気の早期発見につながる

院長が医療や循環器内科の道へ進んだ理由はありますか?

田崎龍之介院長 田崎医院5

生まれた時にはこの医院があり、医師になるのは当たり前のように思っていました。それで愛知医科大学に進学しました。大学時代はゴルフ部に入り、西日本の医学部の大会で優勝するなど非常に充実していました。医学の勉強では、最初から内科を選びました。内科というのは、トントンと叩いて中身がどうなのかを想像するような科なのですが、循環器では例えば血圧などが全部数字に出て、治療が進むにつれてその数字が改善していくのが明解にわかるんです。それが自分の性格には合っていたわけですね。当院には心臓エコーや携帯型のホルター心電図、運動負荷心電図などの検査機器があるので、普通の内科の医院にはなかなかない設備だと思います。

今後の展望などがあれば教えてください。

まだこの地域で困っている人がもう少しいるはずで、病気も隠れているはずです。そう考えると在宅での診療が絶対に必要になってくるので、それをどうしていくかが一つのテーマです。今、外来で多くの方を診て、訪問診療は30〜40件ありますが、そのニーズはまだ確実に増えています。4月から常勤の先生が1人増えるので、在宅診療をもっと強化していきたいですね。僕だったら最期はやっぱり知っている医師に看取ってほしいです。まったく知らない先生が最期の最期でパッと来ても、なんだか寂しいですよね。私たちが外来の診療をしている間に急変した時すべてに駆けつけることは難しいこともありますが、できる限り患者さんの期待に応えられるように努めていきたいです。

最後に、読者に向けたメッセージをお願いします。

田崎龍之介院長 田崎医院6

まず、病院に行かないことが一番のNGです。一病息災といいますか、風邪でもなんでもいいので何かをきっかけに医師にかかっていると、他のことも早期に見つけることができるものです。後回しにしていて「見つかったときにはすでに手遅れ」というのが結構多いんですよ。重症になってからだと治るのも遅いですし、ある程度の段階で病院にかかっておくことをお勧めします。少しお待ちいただくこともあるかと思いますが、どんな些細なことでも、気になることがあれば気軽にお越しください。「こんな程度のことで、どうして来たの?」なんて絶対に言いません。「何も問題ありません。大丈夫ですよ」というのも一つの結論ですからね。それで安心して帰ってもらえれば何よりだと願っています。

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