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中村 嘉宏 院長の独自取材記事

なかむらレディースクリニック

(吹田市/江坂駅)

最終更新日:2022/12/12

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック main

江坂駅から徒歩3分にある「なかむらレディースクリニック」は、「もっと自然に、こころとからだに優しいクリニック」を理念に、体外受精を中心とした不妊治療を行うクリニックだ。院長の中村嘉宏先生は、日本生殖医学会生殖医療専門医であり、採卵から培養、移植と生殖医療の経験と見識を持つ生殖医療の専門家。新しい検査や治療を積極的に取り入れ、時間を無駄にしない効率的な不妊治療で妊娠を望む多くの女性をサポートしている。特筆すべきは培養技術への徹底したこだわり。同院では院内独自の難しい試験をパスした培養士のみが業務に携わることができるという。「不妊治療は特別な医療ではない」と力強く話す中村院長に、治療やクリニックの特徴などを詳しく聞いた。

(取材日2022年7月18日)

「こころとからだに優しい」医療を心がけ最高の結果を

まずはクリニックの特徴を教えてください。

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック1

当院は、体外受精、顕微授精、卵管鏡下卵管形成術(FT)などの高度生殖医療を行う不妊治療専門のクリニックです。不妊治療というと時間とお金がかかるというイメージをお持ちの方も多いかと思いますが「もっと自然に、こころとからだに優しいクリニック」を理念とする当院では、不要な検査・治療を行わず、身体的・金銭的、時間的な負担が少なくなるように努めています。2022年4月からは不妊治療が保険の適用対象となりましたので、当院で行う治療のほとんどが保険適用となりました。もちろん保険治療になっても、治療のクオリティーはこれまでと変わりません。不妊治療において、患者さんにとって一番うれしいのは結果が出ること。この部分が揺らぐことはありません。ですから、私たちは結果にこだわり、常に技術の向上に努めています。

卵管鏡下卵管形成術である「ダブルスコープ法」を採用しているのも特徴の一つですね。

「ダブルスコープ法」は卵管の通過障害を改善させる卵管鏡下卵管形成術の術式で、当院の特徴の一つです。これは卵管の通過性が前提となるタイミング療法や人工授精を希望している方に適した手術法です。卵管鏡下卵管形成術で一番難しいのは、卵管口を探すこと。通常は卵管鏡のみを使って手術を行うのですが、卵管鏡は直径が0.6mmと極端に細いため画像も鮮明でなく、卵管鏡だけでは卵管口が探せないことがあります。また卵管にカテーテルを入れたつもりでも、子宮の中にしか入っていない場合もあります。当院では、卵管鏡と子宮鏡を併用する「ダブルスコープ法」を実施しています。子宮鏡を併用することで簡単に卵管口を見つけていけますし、カテーテルが卵管に入っているかの確認も可能です。卵管鏡担当医師、子宮鏡担当医師、麻酔担当医師の3人体制で安全に配慮しながら手術を行っています。

培養士の技術レベルの高さにも自信があるそうですね。

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック2

どんなに優れた設備を整えても、それを使用する人の技術レベルが足りていなければ意味がありません。一度に採卵できる卵子の数には限りがあり、中でも40代の方の卵子というのは非常に繊細です。素早く、正しい手順ですべての作業を行えることが結果にもつながっていきますので、培養士の技術レベルにはこだわっています。現在、在籍している培養士は、院内で養成された生え抜きのメンバーで、当院独自の非常に厳しい技術試験をクリアしています。この技術試験にはすべての技術においてチェック項目を設けていて、そのチェックに合格しないと次の段階に進むことはできません。全員が3〜5年以上の時間をかけ、技術・知識のそろった培養士になっていきます。

頑張っているすべての女性が、治療しやすい環境を整備

先進の設備もこちらのクリニックの特徴ではないでしょうか?

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック3

より良い治療のために、院内には随時、先端の生殖医療設備を整えています。2019年には臨床検査部門を新たに設け、検査機器を一新しました。精度の高いホルモン数値が短時間で得られることで、適切な採卵のタイミングが把握しやすくなりました。体外受精においても、当院では先進の検査法を積極的に取り入れています。胚移植しても着床しない反復着床不全に対しても、その原因が子宮にあるのか胚にあるのか、もしくはほかの原因が関わっているのかを徹底的に解明して、治療法を選択していくようにしています。患者さんの年齢が高くなればなるほど時間は貴重になりますから、妊娠までの時間的ロスをできるだけ減らしたいと考えています。これまで診てきた症例はすべてデータベース化し、20数年以上蓄積されています。その膨大なデータをもとに培養液の選択や卵子を活性化させる技術開発を進め、培養技術の向上に役立てています。

仕事との両立や2人目不妊で悩んでいる人へのサポート体制も整っていますね。

近年は女性の社会進出が進んで、働きながら不妊治療を受ける女性が増えています。また、2人目不妊で悩んでいる人もとても多い状況です。そのため、仕事や子育てと治療の両立を心配して治療に踏みきれない方もいます。しかし悩んでいる間にも時間はどんどん過ぎていきますので、治療はできるだけ躊躇してほしくない。そこで、まずは治療を受けやすい環境を整備しようと考えました。現在はオンライン診療や自己注射、検査時間の短いホルモン検査機器を導入し、通院の負担を軽減しています。土日祝日も診察しています。また、保育士が対応するファミリー待合室を新たに設け、2人目不妊の方も子連れで来院できるようになっています。現在パートナーがいないなどの事情で妊娠ができないが、将来的に妊娠を考えている方のために、卵子凍結にも力をいれています。

女性内科の外来とはどのようなものですか?

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック4

持病がある場合、病気によっては妊娠する力が低下したり、流産を繰り返す不育症の原因になったりすることもあります。当院では妊娠を希望する女性や不育症の人を対象に、妊娠と内科治療の両立を図る診療を行っています。女性内科医師が産婦人科医師と連携して、不妊や不育症につながりやすい甲状腺疾患や自己免疫疾患などの病気のコントロール、妊娠中の適切な薬の管理、産後のケアなどを担当しています。また、泌尿器科・生殖医療を専門としている医師による男性不妊のための外来診療も行っています。

一人でも多くの人に、わが子を抱く喜びを

先生が生殖医療を専門に選んだ理由は何ですか?

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック5

きっかけは、私自身メカニカルなものが好きで、機械を用いる顕微授精や生殖医療で重要な役割を果たす腹腔鏡手術をやってみたいと思ったことです。大学病院では体外受精のチーフもしていて採卵だけでなく実際に顕微授精も培養も凍結もすべて自分でやっていたんです。また腹腔鏡も多数の症例を経験しました。実験テーマも卵子の活性化因子に関したものでした。そうした環境の中で「生殖医療こそ自分の一生をかける仕事だ」と思えたのです。その時代に学んだことは多いですし、そのすべての経験がクリニックの培養室のクオリティー、培養士のレベルの保持に役立っています。

生殖医療を受けようと考えている方にアドバイスはありますか?

妊娠するための方法は安全であればどんな方法でもいいと私は思います。体外受精は妊娠するための方法の一つにすぎず、その力を借りることは決して悪いことではないはずです。今や体外受精は確立された医療の一つであり、特別なものではありません。また体外受精を始めたからといって、頑張り過ぎる必要もないんです。体質改善のためにと、コーヒーやアルコールを一切やめて菜食主義になったり、いろいろな統合医療といったものを試したりしては、かえってストレスになります。なによりも不妊症は生活習慣病ではないので、適切に不妊治療を受けることが最も大切です。体質改善では解決しません。そこまで禁欲的になる必要はないので、少し肩の力を抜いて通院していただければと思います。

最後にこれからの目標を聞かせてください。

中村嘉宏院長 なかむらレディースクリニック6

生殖医療を専門にしていて一番の喜びは、自分たちが妊娠の手助けをし、その結果、新しい生命が誕生してくることに尽きます。一人でも多くの方に、わが子を抱く喜びを味わっていただくことができれば、これ以上うれしいことはありません。そのためには、より一層技術を磨いて結果を出していかなくてはいけない。当院は院内に研究室がありますので、技術開発をしながら、将来につながるデータを出していきたいと思います。そして、お子さんに恵まれないつらさを抱えたすべてのご夫婦が、とびっきりの笑顔になって赤ちゃんを抱く日をめざして、患者さんの不安や孤独に寄り添い、喜びや悲しみも共有していけたらと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

卵子凍結/総費用:30万~50万円(・採卵:13万2000円、・凍結同日卵数3個の場合:5万5000円などを含む)
凍結保存継続料(年間):5万5000円
※採卵までの診察代+薬代(+土日祝・夜間早朝加算 等)は別途必要です。
※お体の状態や卵子の数・授精方法などにより金額が異なるため上記の限りではありません。

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