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雨森 明 院長の独自取材記事

あめのもり内科

(豊中市/千里中央駅)

最終更新日:2019/08/28

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千里中央駅から徒歩約10分の閑静な住宅街にあるのは「あめのもり内科」。院内に足を踏み入れると、広々とした待合室に、数々の絵画や観葉植物が飾られており、それらはほとんどが患者から贈られたものだそう。この地域で2代にわたり続き、いかに地域の人々に愛されているかがうかがえる。院長である雨森明先生は、救命医療や集中治療を後進に教えながら大学病院で勤務した後、海外での医療活動を経て帰国し、幼少期から過ごしてきた千里中央で同院を継いだという経歴の持ち主。雨森先生の診療方針は、「病気だけを診るのではなく、家族も含めた患者の環境そのものを改善する」というもの。雨森先生の診療に対する思い、海外での医療を通して得た気づき、プライベートな趣味に至るまで詳しく聞いた。
(取材日2017年8月30日)

病気だけでなく患者の生活環境そのものを改善する診療

診療方針や、診療の際に心がけていることはありますか?

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年配の患者さんが多いこともあり、病気だけでなく、患者さんの生活環境そのものを診る診療を心がけています。例えば認知症の患者さんなら、その症状を抑えるために薬を出して終わり、ということではなく、患者さんのご家族の負担をどう減らしていくかを含めて考えます。認知症の患者さんに対する正しい対処法をご家族に伝えることで、家族間のトラブルや負担、患者さん自身の苦しみを軽減することができるんです。また高齢の患者さんの場合、膝の痛みなどがあっても、必ず手術をお勧めするわけではありません。高齢者は一週間寝込むだけで、筋力がかなり低下してしまいます。手術で寝たきりになったり、せん妄を起こしたりするくらいなら、あえて手術を選ばず、リハビリテーションをしたほうが良いということもあります。ご高齢であっても、頑張り次第でリハビリで痛みや不調の改善がみられることも多いんです。

特に注力している治療や検査はありますか?

私が医療においてめざすところは、特定の分野に特化した専門家、つまりスペシャリストではなく、総合的な診療ができるジェネラリストです。そのため、あえて特定の分野を掲げないようにしています。何かを専門に掲げる医師は、常にその分野の最先端で切磋琢磨し、高いレベルの技術を保っています。しかしその反面、専門以外の疾患を診られないという難点もあります。私は地域のホームドクターとして、総合的に患者さんを診察し、必要な分野のスペシャリストに、的確に橋渡しをするという役割を果たしていきたいと考えています。そういう意味では、的確な紹介状を書くということには注力しているかもしれません。

施設・設備に関するこだわりはありますか?

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不思議なもので、良い絵を飾っていると「この絵も飾ってください」と、患者さんや地域の人々が絵を持ってきてくださいます。当院の待合室に飾ってある絵画や花は、ほとんどが患者さんが持って来てくださったものなんですよ。この地域特有のことなのかもしれませんが、この辺りは文化人が多いので……。待合室に置いてある画集などは、自分で足を運んだ展覧会で入手したものが多いです。私自身は、もともと美術に興味があったわけではないのですが、たくさんの絵を観るうちに、次第に絵が好きになっていました。とはいえ、別に審美眼が優れているというわけでもないですよ(笑)。設備に関しては、これといって特別な設備は用意していません。当院では、診断をつけるということを第一に考えており、ここで専門的な手術や処置を行うわけではないからです。

海外生活を経てわかった「日本人」が好きという気持ち

なぜ千里中央で開業を?

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医師だった父の後を継いだ形です。私はここを継ぐまで、大学病院で救命医療や集中治療に後進を指導する立場として携わっており、退職後はフィリピンやベトナムの国際医療機関で総合医療を行ってきました。しかし、外国に渡って5年が過ぎた頃、父から戻るように言われ、居所の定まらない根無し草のような暮らしをずっと続けるわけにもいかないと思い、日本に戻る決心をしました。外国で数年暮らしてみたからこそわかることですが、やはり私は日本人が好きだなと思います。千里中央は幼少期育ってきた町なので、珍しさこそありませんが、人も町も洗練されたこの土地は、日本の中でも特に好きです。

患者層や主訴に何か特徴はありますか?

ご高齢の方が多いです。75歳以上の方が半分を占めるのではないでしょうか。男女比は、女性の方が長生きだからか、女性が多いです。主訴は、生活習慣病などの慢性疾患からくる、不自由さを訴える患者さんが多いです。全体的に上品な方が多いように思います。人間は病気になると、感情的になったり、自分が思い込んだ通りの結果でないと納得しないということが多々ありますが、この地域の方は、きちんと説明をすれば理解してくださる方が多いです。

患者との印象深いエピソードなどがあればお聞かせください。

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私は今でも年2回、カンボジアで医療活動を行っています。活動を始めた頃、現地の人たちは、日頃から医療に接する機会が少なすぎるため、医療を受けられる数少ない機会に、「頭が痛い」「おなかが痛い」など、ありもしない症状をとにかくたくさん訴えて、薬を入手しようとしました。病院で具合の悪い所を医師に申告するというのは、日本人であれば小さな子どもでもできる当たり前のことです。しかし向こうでは、そんな当たり前のことすら、ままなりませんでした。ただ、それも活動を継続していくうちに、徐々に変わってきました。患者さんが、本来あるべき患者さんらしい姿になってきたのです。活動を継続することで、「医療を受ける機会はこれ限りではない」ということを理解してくれたのだと思います。そうした変化は、とても印象深いものでした。継続の力を強く実感した出来事です。

患者は自分自身も治療者であるという意識を

将来の展望についてお聞かせください。

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お金儲けをしたいとか、医院を大きくしたいとか、設備を増やしたいなど、ハード面の拡大は考えていません。愛着のあるこの千里中央で、地域に根差した医療を続けていきたいと思っています。ただ、医院はきれいな状態を保っていきたいと思っているので、そのためのメンテナンスはしっかり行っていくつもりです。あと、これはうちの子どもたちがもう少し大きくなってからの話ですが、いずれは海外のマラソン大会に出場したり、カンボジアやミャンマー、インド、中国などの、歴史的な遺物を見て回る旅をしてみたいです。

休日の過ごし方を教えてください。

勉強会などに出席することが多いです。それ以外ではマラソンが趣味なので、毎週日曜には何かしらの大会に出場しています。マラソンは、走っている間は苦しいのですが、その苦しみを乗り越えて走りきると、生きている実感や達成感を味わえるのが、良いところです。語学も、才能はないのですが(笑)、勉強するのは好きですね。言葉を習うと、その国の精神構造や歴史、文化までもがわかるような気がするときがあります。例えば、中国はあれほど国土が広大で、地域によって言葉が違うにも関わらず、何千年も1つの国としてまとまっていますが、その理由は、もしかしたら文字が共通だからかもしれない……というようなことを考えるのが楽しいですね。

読者に向けて、メッセージ、アドバイスをお願いします。

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もしも体に何か不調があるなら、それを治療するのは医師だけでありません。自分自身も治療者であると思ってみてください。自分に一番長く接しているのは、自分自身です。人は長く接しているものには、自然と愛着を感じ、好きになるもの。自分自身に興味を持ち、自分自身を好きになると、自分を大切にするようにもなります。自分自身を好きでいるのは、心身ともに健康でいるためにとても大切なことです。また、これは私の経験談ですが、達成感を持って生きることも、体にはとても良いのではないかと思います。

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