あるべき筋力や生活を取り戻す
整形外科のリハビリテーション
栗田整形外科
(豊中市/蛍池駅)
最終更新日:2022/05/20


- 保険診療
痛みやしびれ、変形、歩行困難など、日常生活に大きな支障をもたらす整形外科疾患。思わぬケガや、膝などの手術を受けた後の機能回復が進まず、社会復帰できずに悩んでいる人もいるだろう。そうした中で年々ニーズを集めているのが整形外科で行うリハビリテーション。「目的は、さまざまな運動療法によって機能の回復をめざし、患者が一刻も早く健康な生活へと復帰すること」と、リハビリテーションに対して並々ならぬ情熱で取り組んでいる「栗田整形外科」の栗田正浩院長に、整形外科で受けるリハビリの流れや同院ならではの取り組みについて解説してもらった。
(取材日2021年10月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらではどのようなリハビリテーションを行っていますか?
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A
整形外科を受診された方に対し、必要に応じて運動器のリハビリテーションを提供しています。対象となるのはご高齢になって体に痛みがある方や運動機能が不安定な方、手術や外傷などから機能回復をめざしている方などさまざまですが、それぞれの患者さんの状態に応じて、手術やケガをする前の筋力と可動域に戻すことを目標に実施していきます。プログラムの中心は理学療法と呼ばれる治療で、理学療法士の指導をもとに運動療法や、電気治療器や温熱治療器による物理療法、ストレッチなどを行います。いずれにしても一人ひとりの状態に対して定期的な評価を行い、それに従ったプログラムを行うことが重要です。
- Qこちらでは通所リハビリも行っているそうですね。
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A
通所リハビリテーションは「デイケア」とも呼ばれ、要介護認定を受けた方の生活機能向上を目的とした機能訓練を日帰りで提供する介護保険サービスで、利用者は今後ますます増えていくでしょう。1回1時間30分で、個別訓練やマシントレーニング、集団エクササイズなどのほか、体の痛みなどの症状には温熱療法や低周波治療などの物理療法を併用します。通所リハビリは通常は介護施設にて行いますが、当院のようにクリニックに併設されていれば主治医の指示に手間がかかることもなく、プログラムも医師と理学療法士でスムーズに連携して決めることができます。ちなみに当院では近隣地域に限りますが、通所のための送迎も行っています。
- Qリハビリテーションのスタッフについて教えてください。
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A
整形外科の外来とリハビリテーションを行っている当院は、総勢26人のスタッフが在籍しています。リハビリの中心となるのは理学療法士で、外来リハビリと通所リハビリのそれぞれに常勤の理学療法士がおり、それにプラスして2、3人の理学療法士や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師が勤務している体制を取っています。また、高齢者だけでなく、スポーツ障害や外傷の方にも対応しています。リハビリテーションはエビデンスに基づいた科学的な療法が基本ですが、患者さんに真摯に向き合うハートも大切なポイントです。豊富な経験と知識のあるスタッフが全力でサポートしますので、初めてリハビリを受けられる方も安心してお任せください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診
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問診では、どのような症状がいつ頃から出てきたか、きっかけになった原因は何かなどをヒアリング。ちょっとした情報が診断のヒントになることもあるため、思い当たることがあれば医師にしっかりと伝えよう。また、現在治療中の病気や既往歴、手術歴があれば必ず申し出ること。問診は治療やリハビリテーションを受けるための重要な第一歩。問診票だけに頼らず、丁寧なヒアリングや触診をしてくれる医師やクリニックを選びたい。
- 2検査・診断
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まずは全身に対応するエックス線撮影で検査を行い、不具合の箇所や原因をチェック。ケースによっては、より正確な診断を行うために近隣の医療機関でMRI検査やCT検査を行うこともある。リハビリテーションが必要だと診断された場合は、整形外科医と理学療法士が一人ひとりの患者に合わせたリハビリプログラムを作成。さまざまな訓練マシンを用いたトレーニングやエクササイズ、理学療法士による個別訓練などを実施していく。
- 3理学療法士による評価
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エビデンスに則った適切なリハビリテーションのためには、患者の身体機能を数値化した定量的評価が重要。リハビリの開始期や実施期間中に、肩、股関節など、それぞれに応じた測定を行い、点数化することで機能回復がどのくらい進んでいるか客観的に把握することができる。例えば、「開始時点で50点だった点数が半年間で60点になった」といったように、数値で変化が確認できるため、患者のモチベーション維持にも役立っている。
- 4リハビリテーションの実施
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リハビリテーションは、1単位の所要時間が20分と決まっている。術後の回復期のように続けて2単位(40分)、3単位(60分)と行うことも可能だが、その決定は個別のプログラムに従って行われる。ちなみに同院でリハビリを受けているのは、四十肩、五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎で肩に痛みがある人や、腰痛症で体幹トレーニングを必要としている人が中心。術後の回復のために利用している患者も一定の割合を占めるという。
- 5定期通院でリハビリを継続
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通院の頻度は病態の種類、症状によって異なるが、開始時は週に1〜2回、骨粗しょう症や変形性膝関節症で薬物治療を受けている場合は1〜2ヵ月に1回が一般的。ただし手首の骨折や捻挫、急性腰痛(ぎっくり腰)などの急性期の場合は、治療と並行して週1〜2回のリハビリを行い、早期の回復をめざす。いずれの場合も、整形外科の外来とリハビリテーションをワンストップで受けられることは患者にとっても大きなメリットといえる。