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谷 守 院長の独自取材記事

谷皮フ科

(豊中市/庄内駅)

最終更新日:2020/04/01

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阪急宝塚本線・庄内駅の西側に広がる駅前のアーケード商店街。その一角にあるのが「谷皮フ科」だ。谷守(たに・まもり)院長が、長年にわたる大学病院での勤務経験を生かし、より専門性の高い皮膚科診療を地域に提供したいと2015年にリニューアル開院。さまざまな皮膚疾患に対して適切な診断をつけ、患者や家族とも協力しながら治療を進めていく。また院長は全身疾患や内科的な疾患で生じる皮膚症状にも精通しており、常に見逃しのない診療を心がける。優しいほほ笑み、穏やかな口調ながら「五感を働かせて病気と向き合い、必要なタイミングで検査や診断を行うのが皮膚科診療の醍醐味です」と語る院長に、現在の診療内容や医師として大事にしている姿勢などを聞いた。
(取材日2018年1月10日)

「目に見える大きな臓器」である皮膚診療の奥深さ

先代が開業した医院を、皮膚科専門のクリニックとしてリニューアルされたそうですね。

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父は1960年に、この商店街の入り口のビルで「谷皮膚科泌尿器科医院」を開業しました。私はまだ幼かったのですが、開業当時の様子は今でも記憶に残っていますね。白衣を着て患者さんに向き合う父の姿はとても格好良く映りましたし、少し大きくなってからは、症状を見て診断をつけ、処方したお薬によって症状が良くなるという仕事にやりがいを見出すようになり、自然と医師をめざすようになりました。医院はその後、現在の場所に移転して地域に根差した診療を続けてきましたが、2014年にいったん閉院。私は、地域医療に対する父の姿勢を受け継ぎつつ大学での診療経験を生かしたいと考え、より専門的な皮膚科診療を提供する場として新たに当クリニックを開業しました。

皮膚科を志したのはお父さまの影響でしょうか。

そうですね、父の姿ももちろんですし、私自身がアトピー性皮膚炎であったことも関係しているかもしれません。さらに、医学部生の頃は内科や脳外科などにも関心がありましたが、大阪大学の皮膚科教室に入ってから、皮膚の症状を通して内科疾患や全身的な治療にも関われることを知り、皮膚科で頑張ろうと決心しました。「皮膚は目に見える大きな臓器」といわれるように、外界から生体を防御する重要な役割をもつ免疫組織です。大阪大学の皮膚科では、局所的な皮膚疾患だけでなく、全身疾患と関係する皮膚症状にも積極的に取り組んでいて、私も皮膚のリンパ腫や乾癬を中心に専門的な診療を行ってきました。また関連病院で勤務していた時期には、あらゆる領域の患者さんを大勢診察する中で、さまざまな皮膚疾患を診る目を養えたように思います。

現在はどのような患者さんが受診されていますか?

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ご覧のとおり当クリニックは商店街の一角にあり、主に近隣に住む方が通院してくださっています。開業当初は、ご高齢の患者さんが非常に多く、次いで子どもさんが多かったですね。 後から知ったことですが、この地域は以前からずっと住んでいる方が多く、今でも文化住宅や銭湯など下町らしい景色が見られます。一方で、阪神・淡路大震災では大きな被害を被った地域でもあり、震災後には新たな開発が進んだので若い世代の転入が増え、子どもの患者さんも多いのではないかと思います。最近では、中高年層の患者さんも少しずつ増えてきました。

丁寧な診察、検査、診断から適切な治療を提供

診療では、どのようなことを重視していますか?

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大学病院で診ていた皮膚のリンパ腫は、非常に珍しい疾患であるため見逃しやすく、また見た目も多様で他の皮膚疾患と区別がつきにくいなど、皮膚科医泣かせの疾患です。そんな病気と向き合っていたので、診断を正しくつけて、適切な治療に結び付けていく重要性を痛感していました。そこでクリニックの診療でも、初診の段階からさまざまな疾患を想定すること、そして診療を進める過程で正確な診断をつけることを大事にしています。ただし、クリニックの日常診療で最初からすべての検査を行うことは現実的ではなく、必要なタイミングを見極めて必要な検査を行う必要があります。それから、皮膚科の診察では患部の皮膚をどれだけ見るか、触れるか。また時には匂いを嗅いだりして、五感をフルに働かせて診断することが非常に重要です。しかもそれを瞬時に行うことが必要になりますね。

こちらのクリニックで目立つ症状や疾患はありますか?

開業してから、疥癬(かいせん)という、ヒゼンダニが皮膚に寄生してヒトへとうつる皮膚疾患を診る機会が急に増えました。疥癬はかつては一般的な疾患でしたが、現在では病院や福祉施設などで流行することはあるものの、外来診療で診る機会は比較的少ないものです。このため最初は非常に驚いたのですが、新たな患者さんがしばしば来られるので、疥癬に似た症状を見たときには、初診時から疥癬の可能性も念頭に置いて診断するように心がけています。感染する病気ですので、見逃してしまうと患者さんの周囲にも広がってしまいますからね。

医師としてのやりがいを感じるのはどのような時ですか?

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やはり、治療によって患者さんが治っていく姿を見る時ですね。例えばアトピー性皮膚炎の治療では、かつてステロイドを忌避していた時期があり、その名残が患者さんや時には医療側にもみられます。しかし、本来はステロイドの塗り薬を正しく使うことで治療する疾患ですし、その使い方も今ではある程度確立されています。プロアクティブ療法といって、最初はステロイドをしっかり使って症状を抑え、症状が改善したらその状態を維持するために量を少しずつ減らしていくのです。すでに治療経験のある患者さんが集まる大学病院と違い、クリニックには初めて治療を受ける方も大勢来ます。ですので、適切な治療法をお伝えして治療を始めると、症状がみるみる改善して生活の質が大きく変わることが多く、非常に喜んでいただけますし、こちらもダイレクトに手応えを感じられますので、やりがいにつながっています。

患者、家族と協力して治癒をめざす

レーザーを用いたケアや光線治療にも取り組んでいるそうですね。

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しみなどを除去するレーザー機器などを導入しています。以前から、街のクリニックではこのようなケアに対するニーズも高いと感じていましたし、実際にクチコミで受診される方が少しずつ増えています。また、アトピー性皮膚炎や乾癬などに用いる光線治療では、局所型だけでなく全身照射型の紫外線照射器も導入しています。白斑や初期のリンパ腫の治療にも効果的なので、あらゆる治療に対応ができるように導入しました。この地域ではまだ少ないようで、患者さんからも喜んでいただいていますよ。

患者さんとお話しする際には、どのようなことを心がけていますか?

正確な診断をつけるためには、患者さんから必要な情報を教えてもらうことが非常に重要です。「このようにお聞きしたら、こんなことをお話しいただけるかな」などと想像しながら問診を進めています。また、患部によっては「恥ずかしいので見せたくない」と言われる患者さんもいますが、先ほどお話ししたように患部を直接観察することは非常に重要です。正確な診断につながることを丁寧に粘り強くお話しすれば、大半の方は納得して患部を見せてくださいます。 そのためにも、患者さんとは普段から会話を紡いでいくことが大事ですし、子どもの患者さんであれば保護者との意思疎通も重要です。看護師やスタッフも患者さんとコミュニケーションをとってくれていますので、そのサポートも大きな力になっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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皮膚科の治療では塗り薬が欠かせませんが、正しく塗るのは、実は結構大変な作業になることもあります。患部が広範囲でしたらすべてを塗り終えるのに何十分とかかりますし、何日も何回も塗り続けるのには根気も必要です。患者さんからすれば、皮膚科の病気ではどの程度の治療が必要なのか、あるいは治療にどのぐらい時間がかかるのかわかりにくく、戸惑うこともあるかもしれません。だからこそ、診察に多少時間がかかっても早い段階で的確な診断をして、病状を見極め、患者さんや周囲の方々とも協力しながら、治療を適切に進めていきたいと考えています。

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