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谷 守 院長の独自取材記事

谷皮フ科

(豊中市/庄内駅)

最終更新日:2024/05/22

谷守院長 谷皮フ科 main

阪急宝塚本線・庄内駅の西側に延びる駅前のアーケード商店街。その一角にあるのが「谷皮フ科」だ。谷守(たに・まもり)院長が、長年にわたる大学病院などでの勤務経験を生かし、より専門性の高い皮膚科診療を地域に提供したいと2015年にリニューアルの上開業した。さまざまな皮膚疾患に対して適切な診断をし、患者やその家族と協力しながら治療を進める。谷院長は全身疾患や内科的な疾患で生じる皮膚症状にも精通し、見逃しのない診療を心がける。優しくほほ笑み、穏やかな口調ながら「五感を働かせて病気と向き合い、必要なタイミングで検査や診断を行うのが皮膚科診療の醍醐味です」と熱く語る院長に、現在の診療内容や医師として大切にしている姿勢などを聞いた。

(取材日2024年1月17日)

「目に見える大きな臓器」である皮膚の診療の奥深さ

先代が開業した医院を、皮膚科専門のクリニックとしてリニューアルされたそうですね。

谷守院長 谷皮フ科1

父は1960年に、この商店街の入り口のビルで「谷皮膚科泌尿器科医院」を開業しました。私はまだ幼かったのですが、開業当時の様子は今でも記憶に残っていますね。白衣を着て患者さんに向き合う父の姿はとても格好良く映りましたし、少し大きくなってからは、症状を見て診断し、処方した薬を使って症状の改善を図る仕事に憧れを見出すようになり、自然と医師をめざすようになりました。医院はその後、現在の場所に移転して地域に根差した診療を続けてきましたが、2014年に一度閉院しました。私は、地域医療に対する父の姿勢を受け継ぎつつ大学での診療経験を生かしたいと考え、より専門的な皮膚科診療を提供する場として新たに当クリニックを開業しました。

皮膚科を志したのはお父さまの影響でしょうか。

そうですね、父の姿ももちろんですし、私自身がアトピー性皮膚炎であったことも関係しているかもしれません。医学部生の頃は内科や脳外科などにも関心がありましたが、大阪大学の皮膚科学教室に入ってから、皮膚への診療を通して内科疾患や全身的な治療にも関わることができることを知り、皮膚科で頑張ろうと決心しました。皮膚は「目に見える大きな臓器」といわれるように、外界から生体を防御する重要な役割を持つ免疫組織です。大阪大学の皮膚科学教室では、局所的な皮膚疾患だけでなく、全身疾患と関係する皮膚症状にも積極的に取り組んでいて、私も皮膚のリンパ腫や乾癬を中心に専門的な診療を行ってきました。関連病院で勤務していた時期には、幅広い領域の患者さんを大勢診察する中で、さまざまな皮膚疾患を診る目を養えたように思います。

現在はどのような患者さんが受診されていますか?

谷守院長 谷皮フ科2

当クリニックは商店街の一角にあり、主に近隣に住む方が通院してくださっています。開業当初は、ご高齢の患者さんが非常に多く、次いで子どもさんが多かったですね。 後から知ったことですが、この地域は以前からずっと住んでいる方が多いそうです。今でも文化住宅や銭湯など下町らしい景色が見られる地区です。一方で、阪神・淡路大震災では大きな被害のあった地域でもあり、震災後には新たな開発が進み若い世代の転入が増えたので、子どもの患者さんも多いのではないかと思います。最近では、中高年層の患者さんも少しずつ増えてきました。

丁寧な診察、検査、診断から適切な治療を提供

診療では、どのようなことを重視していますか?

谷守院長 谷皮フ科3

大学病院で診ていた皮膚のリンパ腫は、非常に珍しい疾患であるため見逃しやすく、また見た目も多様で他の皮膚疾患と区別がつきにくいなど、皮膚科医泣かせといわれます。そんな病気と向き合っていたので、診断を正しくつけて、適切な治療に結びつけていく重要性を痛感していました。そこでクリニックの診療でも、初診の段階からさまざまな疾患を想定し、そして診療を進める過程で正確な診断をつけることをめざしています。ただし、クリニックの日常の診療で最初からすべての検査を行うことは現実的ではなく、必要なタイミングを見極めて必要な検査を行う必要があります。それから、皮膚科の診察では患部の皮膚をどれだけ見るか、触れるかが鍵となります。また時にはにおいを嗅いだりして、五感をフルに働かせて診断することが非常に重要だと考えます。しかもそれを瞬時に行うことが必要ですね。

目立つ症状や疾患に変化はありますか?

開業した頃は、疥癬というヒゼンダニが皮膚に寄生してヒトからヒトへとうつる皮膚疾患が多かったですね。疥癬は病院や福祉施設などで流行することはあるものの、外来診療でふれる機会は比較的少ない疾患なので、それを知った時は驚きました。現在は、数が格段に減ったようなので庄内地区では撲滅できたのではないかと思っています。最近は私が注力するアトピー性皮膚炎や乾癬の患者さんも増えています。アトピー性皮膚炎は症状を繰り返すため、うんざりしたり「どうせ治らない」と諦めたりしがちな病気です。私にも経験があるのでそのつらさはよくわかります。だからこそ、患者さんとよく相談しながら治療を進めることを大切にし、同時に多くの選択肢を用意したいと考えています。

どのような選択肢があるのでしょうか?

谷守院長 谷皮フ科4

当クリニックでは、症状を抑えるためにステロイドの塗り薬を適切に使い、症状が改善したらその状態を維持するためにゆっくり減薬していくプロアクティブ療法を基本に、紫外線療法や近年新たに登場した生物学的製剤の使用など、年齢や症状、ライフスタイルに合わせた多様な治療法を提案しています。特に生物学的製剤は対応する医療機関が限られていますが、内服薬や注射など複数の方法があり、重症患者さんにとっては一筋の光にもなり得るはずです。何げない日常をポジティブに過ごすためにも「仕方がない」と諦めるのではなく、治療法について医師と相談し、前向きに治療に取り組んでもらえたらと思います。

患者、家族と協力して治癒をめざす

光線治療にも取り組んでいるそうですね。

谷守院長 谷皮フ科5

アトピー性皮膚炎や乾癬などに用いる光線治療では、局所型だけでなく全身照射型の紫外線照射器も導入しています。白斑や初期のリンパ腫の治療にも有用なので、あらゆる治療に対応ができるように取り入れました。専門性にこだわって機材を選定していますので、興味がある患者さんにもご来院いただけるといいなと思いますね。

患者さんとお話しする際には、どのようなことを心がけていますか?

適切に診断するためには、患者さんから必要な情報を教えてもらうことが非常に重要です。「このようにお聞きしたら、こんなことをお話しいただけるかな」などと想像しながら問診を進めています。また、患部によっては「恥ずかしいので見せたくない」と言われる患者さんもいるのですが、先ほどお話ししたように患部を直接観察することは、診察において重要な手がかりの一つです。正確な診断につながることを丁寧に粘り強くお話しして、納得して患部を見せていただいています。誰だって嫌なことはあるものですから、嫌なことがあってもいい。その上で信頼いただけるように患者さんとは普段から会話を紡いでいくことが大事ですし、子どもの患者さんであれば保護者との意思疎通も重要です。看護師やスタッフも患者さんとコミュニケーションを取ってくれていますので、そのサポートも大きな力になっています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

谷守院長 谷皮フ科6

皮膚科の治療では塗り薬が多く使われますが、正しく塗るのは実は結構大変な作業になることもあります。患部が広範囲でしたらすべてを塗り終えるのに何十分とかかる場合もありますし、何日も何回も塗り続けるのには根気も必要でしょう。患者さんからすれば、皮膚科の病気ではどの程度の治療が必要なのか、あるいは治療にどのぐらい時間がかかるのかわかりにくく、戸惑うこともあるかもしれません。だからこそ、診察に多少時間がかかっても、早い段階で的確な診断をして、病状を見極め、患者さんや周囲の方々とも協力しながら、治療を適切に進めていきたいと考えています。治療に尽力することで、患者さんが心も体も元気になってくれるなら、私の喜びとなります。相談に来てくれた皆さんの生活の質を高められるよう、これからも取り組んでいきたいです。

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