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横田 武典 理事長の独自取材記事

横田クリニック

(堺市西区/諏訪ノ森駅)

最終更新日:2023/08/03

横田武典理事長 横田クリニック main

諏訪ノ森駅と浜寺公園駅それぞれから車で約5分の場所にある「横田クリニック」。先代が1985年に開業し、2020年からは横田武典先生が理事長を務めている地域密着型のクリニックだ。同院は心臓手術やカテーテル治療を受けた患者のフォローアップや、高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を持つ患者の治療を中心に、風邪やインフルエンザなどの一般内科にも対応。地域住民のニーズに合わせて幅広い診療を提供している。また、横田先生とスタッフがアットホームな雰囲気で診療するほか、院内もバリアフリー設計に改装するなど、患者が通いやすい環境づくりも重視。そんな横田先生に、診療への想いや今後の展望について話を聞いた。

(取材日2020年8月19日)

父のような「地域のホームドクター」として診療に従事

はじめに、医師をめざすようになったきっかけについて教えてください。

横田武典理事長 横田クリニック1

私にとって尊敬できる存在は、医師をしていた祖父と父でした。幼い頃から診療に従事する2人の姿を見ていたこともあり、医師という職業に漠然と憧れを抱いていたのです。もともと当院は父が開業したクリニックで、父が治療だけでなく患者さんの人生相談にも応えていたことが今でも印象に残っていて……。「自分も医師として人の役に立ちたい」という気持ちが強くなり、大学は医学部に進学。それから2018年までは総合病院に勤務し、心臓血管外科で臨床経験を積みました。

現職に就任した経緯をお聞かせください。

当院は父が1985年に開業して以来、35年にわたって地域に根差した診療を続けてきました。私は大学を卒業した後は心臓血管外科を専門に病院に勤務していましたが、病気が見つかった父を手伝うために少しずつ当院の診療に加わるように。当院で診療するようになったことをきっかけに、地域医療に興味を持ったのです。それで、父が他界した2020年に理事長として医院を継承し、医院だけでなく地域のホームドクターとして従事していた父のスタンスも受け継いで日々の診療にあたっています。

継承後、クリニックの変化はありますか?

横田武典理事長 横田クリニック2

大きく変わったポイントとしては院内の設備ですね。当院は1989年から現在の建物で診療しているのですが、年を重ねるにつれてどうしても老朽化は進んでしまいます。地域の皆さんに安心して受診していただくために、部分的に補修するなどしてリニューアルを加え、今後も少しずつ進めていく予定です。例えば、これまでのトイレは段差があり、内装も昔ならではのタイル張りのものでしたが、車いすのままでも入っていただけるようバリアフリー設計に変えました。また、感染症対策として医療施設用の空気清浄装置を導入したことで、清潔な院内環境の維持につなげています。あとは、検査機器を少しずつ新しいものに買い換え、入り口の扉も自動ドアに変えるなどして、クリニックの環境を整えていきたいと考えています。

豊富な知識を生かして術後フォローと生活指導に注力

どのような患者さんが来院されていますか?

横田武典理事長 横田クリニック3

20代・30代の若い働き世代の方から高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんが来院されています。当院は循環器内科を標榜していることもあり、心臓に関する相談が多いですね。過去に心臓手術をされた方やカテーテル治療を受けて心臓の血管にステントが入っている方、高血圧や糖尿病といった生活習慣病をお持ちの方などが、フォローアップや治療を目的に受診されています。若い方だと、季節性の風邪やインフルエンザにかかったり、健康診断を受けて結果が良くなかったりと、さまざまな理由からお越しいただいています。また、父の代から長くお付き合いがあり、私が小さい頃から顔なじみの患者さんも少なくありません。患者さんから「昔はあんなにちっちゃかったのにね」と声をかけてもらえることに、不思議な気持ちになると同時にうれしさも感じています。

注力している診療内容はありますか?

当院は循環器内科疾患の治療を中心に、心臓手術後のフォローアップと生活習慣指導に注力して取り組んでいます。心臓手術をした後のフォローアップをする過程の中で、生活習慣指導は欠かせません。当院は大きな病院ではありませんし、精密検査に対応できるわけではありませんが、専門性を生かして些細な変化も見逃さないような診療に努めています。そのために、私による診察だけでなく、管理栄養士による栄養指導の時間を設けています。患者さんによって必要な指導回数は異なりますから、一人ひとりの状況から回数を判断して、適切な栄養指導を受けていただいています。とはいえ、私や管理栄養士が関われるのは患者さんが受診されたときだけ。ご自身で継続して日々の管理に取り組んでいただくことが大切です。

継続してもらうための工夫はされていますか?

横田武典理事長 横田クリニック4

「栄養指導で聞いた内容を自宅でも続けてくださいね」と、言葉で言うのはとても簡単なことです。しかし、継続するには普段の生活を意識的に変える必要がありますから、実践となると簡単なものではありません。患者さんに「頑張ってやってみよう」と思っていただけるように、診療では今後起こり得る合併症なども踏まえてお話しし、生活を改善するとリスクを回避できるということも併せて説明するよう工夫しています。実際に頑張って取り組んでいただくと、努力が数値となって目に見えてわかるので、それらも細かくお伝えすることで患者さんの意識づけにつなげています。

心臓血管外科を専門に選んだのはなぜですか?

医師になるからには全身を網羅して診療したいという気持ちがあったので、外科を専門に選びました。例えば手術をしたら、その後の全身管理には内科の知識は必要不可欠です。私が研修医をしていた当時は、外科も診療科ごとに細分化されていなかったため、消化器・呼吸器・小児・心臓と幅広い分野で外科・内科の知識を培うことができました。最終的に心臓血管外科を専門に選んだ理由は、手術前は生死をさまようほど容体が悪かった患者さんが、手術を通して回復へと向かい、元気に退院されていく姿を何度も見たから。命を救う医療にダイレクトに関われることにやりがいを感じて、心臓血管外科専門の医師として貢献したいと思ったのです。勤務医の頃の手術と全身管理の経験は、開業医として診療している今も非常に役立っています。

医師と患者の垣根をつくらず、相談窓口の役割をめざす

診療する上で心がけていることはありますか?

横田武典理事長 横田クリニック5

患者さんのお話をしっかりと聞いて、医師と患者の垣根をつくらないよう心がけています。患者さんの中には、医師に対して話したいことをすべて話せない方や、「こんなこと話してもいいのかな」と遠慮してしまう方もいらっしゃいます。少しでもそういった気持ちを払拭できるように、患者さんとの関係づくりを重視して診療しています。特に初診の患者さんだと、当院に足を踏み入れるのが初めてで緊張されている場合もありますから、難しい言葉を使わないようにしたり、説明する際はわかりやすい表現を選んだりと、患者さん目線に立って話すよう努めています。

長く勤務しているスタッフさんもいらっしゃると伺いました。

そうなんです。父の代からずっと働いてくれているスタッフもいて、心強く感じています。スタッフは全員患者さんと円滑なコミュニケーションを取ってくれますし、些細な変化にもすぐに気づいて報告してくれるので、こまやかなフォローにつなげることができています。診察が終わった後も、スタッフと雑談を楽しんでから帰られる方もいらっしゃるほどで、それが院内のアットホームな明るい雰囲気につながっているのではないでしょうか。私だけでなく、患者さんもスタッフを信頼してくれているのだと感じることも多く、頼もしい限りです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

横田武典理事長 横田クリニック6

地域の皆さんとのつながりを大切にするクリニックとして、今後も診療を続けていきたいと考えています。そうすることで、皆さんが健康に過ごせるためのサポートをしていきたいですね。診療では、些細な情報も治療の鍵につながることもありますから、何でも話していただければと思います。当院で対応できない場合は、連携している医療機関に迅速に紹介させていただきます。悩んでいることや困っていることがあれば、相談窓口に行くような感覚で気軽にお越しください。

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