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高折 和男 院長の独自取材記事

高折医院

(大阪市中央区/天満橋駅)

最終更新日:2023/09/28

高折和男院長 高折医院 main

祖父の代から3代、70年にわたって地域に根づいた診療を続ける「高折医院」。高血圧をはじめとする生活習慣病の治療を中心に、小児の予防接種や健康診断、園医・学校医など地域活動も積極的に行っているのが、3代目の高折和男院長だ。新薬の研究開発で米国ボストンに留学した経験があり、降圧剤についても精通しているエキスパートである高折院長に、専門である高血圧の治療や診療、健康診断や予防への思い、地域での活動などについて話を聞いた。

(取材日2023年8月16日)

得意な薬理の知識を高血圧の治療で発揮

勤務医時代の経験についてお聞かせください。

高折和男院長 高折医院1

大阪市立大学大学院では薬理学という基礎医学を研究していました。大学院を修了してからは当時の教授の推薦で高血圧の研究に携わり、若い頃は臨床よりもむしろ研究が中心でした。薬そのものへの興味というより、それが人にどう作用するのかということを常に考えていたような気がします。血圧の治療で使われる降圧剤の開発は日本でも行われていましたが、血圧の研究に本格的に取り組むには先端の医療技術が集約されたアメリカへ行くべきだと考え、ハーバード大学関連病院のマサチューセッツ総合病院に留学しました。日本にはない新薬の開発に関わり、新しい医療にふれることができたのは、本当に貴重な経験でした。またアメリカでは研究を行いながら臨床も行っている研究者が多いことに驚かされましたね。

高血圧とはどのような病気ですか。また治療に際し大切にしていることを教えてください。

高血圧は血管に高い圧がかかっている状態で、慢性的に血管へ負担がかかることで血管が破れやすくなります。脳で破れたら脳出血、目で破れたら眼底出血を起こし、動脈瘤が破裂すると大出血を起こして死に至ることも。高血圧が恐ろしい病気とされる理由は、このような死に直結するような合併症を引き起こすからなのです。高血圧治療で大切にしているのは、さまざまな種類がある血圧の薬の中からどのタイプがその患者さんに効果が見込まれるかを見極めること。かつて新薬開発に携わった経験から、各種薬剤の性質や特徴について熟知しており、薬の種類、ほかの薬との飲み合わせ、配合剤の使用などを見極め、適切な処方につなげるための知識はあると自負しています。血圧の数値は季節はもちろん一日の中でも変化があるため、季節によって薬の量を調整したり、患者さんに合う服用方法を指導したり、細かな配慮で患者さんの安心感につながるように努めています。

高血圧の治療で注意すべきことは何ですか?

高折和男院長 高折医院2

高血圧の治療で絶対にやってはいけないのが、自分の判断で勝手に薬をやめてしまうことです。風邪薬や胃薬のような治療薬は、効果が望めたら薬をやめることができますが、高血圧の薬は“治療薬”ではなく“予防薬”のため、飲み続けなければなりません。自己判断で高血圧の薬を中断してしまったら、眼底出血を起こして片目を失明したり、脳梗塞を起こす恐れもあります。自己判断で降圧剤を中止するのはとても危険なこと。医療の押しつけにならないよう注意しながら、継続的に薬を飲む必要性について丁寧にご説明するようにしています。

親子で受診できる地域のかかりつけ医

診療で心がけていることは何ですか?

高折和男院長 高折医院3

高血圧をはじめ糖尿病や脂質異常症といった生活習慣病の治療は、途切れず通院してもらう必要があります。しかし、このような慢性疾患というのは自覚症状に乏しいため「治療している」という実感は得にくいもの。病識が薄くなり油断してしまいがちですが、治療の空白による病状悪化を避けなければなりません。特に高血圧の治療は長期にわたりますので、通院を続けてもらうためには治療の重要性をご理解いただくのはもちろん、患者さんとの信頼関係を築くことが大切です。患者さんにも血圧計を購入してもらい、測定値や薬を飲んだ時間などを手帳に記録してもらうなど、患者さんと二人三脚で治療を進めていきます。通院されていた方が、脳の病気や足が悪くなって歩けなくなった場合などは、往診で治療が継続できるようにしています。

小児科の需要も高いそうですね。

この周辺もマンションやスーパーマーケットが増え、若いファミリー世帯が住むようになりました。それに伴い、最近は小児科のウエートが高くなっています。主訴として多いのは、風邪や腹痛などの一般的な内科の症状ですね。子どもが感染症にかかると、家族の人に感染することが多いですが、当院は大人も子どもも診療しますので、親子で一緒に受診することができます。当院では重症の患者さんには、信頼できる病院を紹介できるよう体制を整えています。内科は国立病院機構大阪医療センター、大手前病院、小児科は北野病院に協力していただいています。

予防接種にも対応していますか。

高折和男院長 高折医院4

小児診療のニーズとして高いのは予防接種です。昔は任意接種だったものが、今は国の補助で受けられるものも増えています。患者さんには予防接種のスケジュール表をお渡しして、決められた期限内に計画的に受診いただけるよう呼びかけているんですよ。また比較的若い女性に発症しやすい子宮頸がんのリスクを低くするためのHPVワクチンにも対応しています。高齢者に特に推奨されるのが肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチンなどです。肺炎は毎年多くの方が亡くなっており、日本人の主な死因の一つ。また帯状疱疹は発症すれば激しい痛みを伴うこともあり、非常につらい病気です。このワクチンは2回接種で10年以上、免疫力が残ることが期待できるとされています。

若いうちから健康を意識し、健診結果とも向き合おう

健康診断にも注力していると伺いました。

高折和男院長 高折医院5

当院の患者さんに多い高血圧をはじめ、脂質異常症や糖尿病といった生活習慣病は、そのほとんどが自覚症状はなく、検査をしてみなければわかりません。症状が出たときには、かなり悪化しているケースも多いんです。そのため年に一度は健康診断を受けて、体に異常がないかをしっかりとチェックしてほしいと考えています。当院では身長・体重・腹囲・内科検診・検尿・血液検査・心電図・胸部エックス線・聴力検査・視力検査などが可能です。また労働安全衛生法に則った事業所の健康診断もお受けしており、現在も近隣の企業の健診を担当させていただいています。

園医、学校医など地域での活動にも積極的に取り組んでいらっしゃいますね。

現在は保育所・幼稚園、小学校、高校の園医・学校医をしています。特に乳幼児はかかりつけ医での予防接種の経験からか、反射的に泣いてしまう子もいるのが大変なところ(笑)。なるべく上の学年のお子さんから診察して、下の学年の子たちに「何にもしないよ」というのを見せて安心してもらうようにしています。生まれ育ったこの町で、母校の学校医をさせていただけるのはとてもありがたいことですね。また夜間休日診療所でも月1回ほど診療を行っており、普段あまり診ることのない病気の方と接する機会もあります。その年の初めてのインフルエンザ患者さんなど感染症の流行し始めのタイミングを知ることができ、当院での診療にも役立っています。

最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

高折和男院長 高折医院6

3食きちんと食べて睡眠をしっかりとり、太り過ぎないように運動して、規則正しい生活を送る。そして病気を見逃さないために、せっかく受けた企業健診の結果を無駄にしないようきちんと目を通してください。健診で血糖値や血圧の数値を指摘されていたのに放置してしまい、体調が悪くなってから受診したら重症化していたということも考えられます。また2人に1人はがんになるといわれる時代ですが、がんで亡くなる方は3人に1人。大きな病気と思われるがんであっても、近年は早期発見・早期治療で進行抑制を図ったり、寛解をめざすことができます。コロナ禍を経てもなお、新たに一人暮らしを始めた学生さんや新卒社会人の自宅には、体温計すらないことも珍しくありません。まずは体温計測からでもいいので、ご自身の健康に対し高い意識を持っていただけたらと思います。わからないこと、不安なことがあればしっかりとご説明しますので気軽に受診してください。

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