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山下 能毅 院長の独自取材記事

うめだファティリティークリニック

(大阪市北区/中津駅)

最終更新日:2022/06/30

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大阪メトロ御堂筋線・中津駅から徒歩3分。阪急梅田駅からも徒歩5分の便利な場所にあるのが不妊治療を専門に行う「うめだファティリティークリニック」だ。創立25年、宮崎和典前院長からクリニックを引き継いだ山下能毅院長は、大阪医科大学附属病院で不妊治療から手術、分娩まで手がける傍ら、講師として医学生を育てていた。3年前に「男性目線」で院内を模様替え。不妊の原因の半分は男性にあるのだから、男性にも居心地良くという配慮からだ。一方で、現代女性の負担の多い人生を思い、患者の希望に沿うように数多くの治療メニューを用意。医師の挑戦は患者の利益につながると考え、新しい知識や技術の導入にも積極的な山下院長だ。

(取材日2017年6月21日)

男女両方に配慮した居心地の良い院内環境

おしゃれで落ち着いた雰囲気の待合室ですね。

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待合室はおしゃれ重視で、雑誌も女性のネイルが当たらないようにカバーを工夫しています。男性用待合室もあり、そちらはカウンターのように椅子を壁に向けて、患者さん同士の視線が交わらないようにしています。土曜にも検査を行うよう変更して以来、男性待合室がいっぱいになる日も増えてきました。クリニック名も「命が芽生える」という意味の「ファティリティ」にして、あえてレディースクリニックとはしませんでした。不妊治療はカップルで行うものですし、男性不妊の検査も必要ですから、男性も女性も入りやすく落ち着けるようにと考えたんです。そのため、男性にとって実感の少ない婦人科医療の掲示物もなく、重要なご案内はホームページかメールで行っています。

ビルがまるごと、クリニックなのですね。

梅田駅の近くだけに面積を広く取るのは難しかったので、上に高くなりました。院内はフロアごとに機能が分かれていて、1階が受付、2階が診察室、3階が手術室、4階は安静室、5階にレントゲン室と院長室があります。お勤めの患者さんは19時頃に来院する方も多く、患者さんの利便性を考えたところ、出入り時間に制限がない自社ビルとなりました。患者さんの9割は不妊治療で、婦人科のみの方は少ないですね。また、男性不妊では泌尿器科の医師も診察・治療にあたります。

院長就任のいきさつを教えてください。

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今年25周年を迎えたのを機に、創立者の宮崎和典院長は名誉院長となり、僕がクリニックを引き継いで、旧・宮崎レディースクリニックから名称変更を行いました。もともと宮崎先生は僕の学生時代の講師で、先生が大学でもっていた体外受精チームに僕が入り、先生の仕事を引き継いで大学に残っていたんです。その後、クリニックの後継者を探されている宮崎先生から僕にもお声がけいただいたのですが、大学の仕事が忙しく良い返事ができませんでした。それで「教授選に出て負けたら、院長の職をお引き受けします」と答えたら、本当に教授選に出ることになり、負けてしまいまして。男の約束を果たすべく、当院に入職したのが3年前のことでした。

一人ひとりに合わせたベストの治療を求めて

どのような治療法があるのですか?

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不妊症の治療はこうすればうまくいくといった、決まった方法があるわけではありません。基本的には検査で特に問題がなければ、負担の少ないタイミング療法から始めて、必要に応じ治療をステップアップしていきます。タイミング療法をやって半年たっても妊娠の兆しがなければ、次に人工授精を試みます。人工授精というのは膣に射精するのではなく、子宮に直接精子を送り込んで妊娠の確率を高める目的のものです。妊娠に至るまでの過程は自然分娩とほとんど同じで、費用も比較的受けやすい治療です。それでも妊娠が難しい場合は、体外受精を検討します。体外受精は文字どおり、体外で受精を行い、胚を子宮内に移植する方法です。この治療の特徴は妊娠が成立しない原因を探りながら、妊娠率を高めることを図る点です。費用はかかりますが、国の少子化政策の一環として始まった特定不妊治療助成金制度により、国と地方自治体の治療費助成を受けることができます。

精神的ストレスを軽減する取り組みを行われているそうですね。

不妊治療は時間がかかるケースもあり、精神的なストレスも決して少なくありません。しかしすぐには結果が出なくても、新しいステップにチャレンジしていくことで、妊娠の可能性は広がります。不妊治療においては、ご夫婦のモチベーションが下がらないように、少しでも前向きに治療に取り組めるよう、クリニック側のサポートが大切だと考えています。その1つとして導入したのが、遠隔診療です。混み合う日はどうしても待ち時間ができてしまい、通院に負担を感じて治療を中断してしまう方も少なからずいらっしゃいます。「今回も生理が来てしまった」という報告のために、時間と交通費を使って来院するのは気が重いはず。そこで自宅にいながら、仕事の合間にパソコンやスマートフォンを通じてオンライン診療ができるようにしました。

診療の流れを教えてください。

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初診の患者さんは男女を問わず、まず検査です。その結果を踏まえ、ご要望に応じて段階的に不妊治療を実施します。最初は女性だけがみえて、次にパートナーの男性を連れてきて精液検査を行うという形が多いですね。妊娠が見込めるまで、早い人は2ヵ月くらいですが、長ければ2年ほどかかってしまいます。不妊治療は常に100%の方が妊娠できるものではなく、患者さんのお気持ちがあってこそ続けられるものです。こちらから無理に治療を押しつけていくことはありません。何より、当院は体外受精をメインにしているクリニックではないので、薬を飲みたくない、自然妊娠がいいという方に対しても、お気持ちに沿った不妊治療を提案し、適切に妊娠していただくことが大切と考えています。

負担の多い現代女性だから妊娠は人生設計に織り込んで

診療の際に心がけているのはどのような点でしょうか。

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不妊治療は全員が全員成功するわけではありません。ですが、成功しなかったからといって、そこで希望をなくさないよう、次の提案ができる準備を常にしています。治療結果が出るのは早くても4ヵ月後ですから、その間の不安なお気持ちに寄り添うことも大切です。男性に対してはまた別の向き合い方があります。男性は病院では精子を提供するだけなので、まずは長期的な心身の負担が大きい女性のほうをケアするのが一番です。しかし、男性側に決定権があることがほとんどのため、クリニックの対応が悪いと「ここは嫌だ」と奥さんを転院させてしまう場合もあるんです。ですから、男性に対しても丁寧にと心がけています。

印象深かった経験をお聞かせください。

大学病院勤務の頃は、不妊症の患者さんを診断・手術し、体外受精、妊娠検査、出産まで立ち会うのが仕事でした。感動的な場面も多く、やりがいを感じる現場でしたね。そんな仕事ですから、数え切れないほどエピソードがあります。大学病院の産婦人科は主に分娩・腫瘍・更年期・不妊治療と4つの分野で医療を行いますが、新しい生命の誕生に関われるのが不妊治療の最大の魅力でしたので、結果がわかりやすいことも僕の性格に合っていたのかなと思います。また、母校の大阪医科大学で講師を務めていたこともあり、論文や研究発表を行ったり資格試験を受けたりする機会も多くありました。そのおかげで、いろいろな経験を積むことができましたので、今後の診療に生かしていきたいと思います。

今後の展望と読者へメッセージをお願いします。

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不妊治療は高額になりますので、納得して治療を受けられる内容を伴っていないといけません。当院では電子カルテを導入して患者さんの情報をスタッフが共有、一人ひとりに寄り添いながら、オーダーメイドの治療を進めていきたいと考えています。また、人工知能搭載システムが受精卵をタイムラプス動画で監視する設備を導入し、妊娠率の向上に向けて取り組んでいます。さらに無精子症の男性には、精巣内の精子を顕微鏡下で採取する手術を始めました。これからもできる限り、新しい技術や知識を導入していきたいです。近年は第2子が妊娠しにくくなる「2人目不妊」のご相談が増えています。仕事や子育て、介護と多くの負担が女性に集中し、機会を逃がしてしまうんですね。子どもが欲しい女性には、年齢を意識しながら人生設計を行い、生殖機能や体力が衰える30代には出産を済ませておくことが大切とお伝えしたいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

人工受精/1万4040円~、体外受精/33万3200円~
人工受精・体外受精に至るまでに別途検査が必要となる場合があります。

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