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東妻 輝幸 院長の独自取材記事

深津クリニック

(大阪市平野区/平野駅)

最終更新日:2020/04/01

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平野区平野南にある「深津クリニック」は、東妻輝幸(あづま・てるゆき)院長を中心とした、地域住民の健康の駆け込み寺のようなクリニックだ。老若男女問わずさまざまな症状の患者が訪れる診療室からは、笑い声が聞こえることも珍しくない。「医者に行くからと緊張する必要はありません。近所の知り合いに会うような感覚で来てもらえればいいんです」と話す東妻院長は、いつも自然体で患者と向き合い、家族と接するかのように話を聞く。標榜している内科のほかに、消化器内科や循環器内科などさまざまな症状の相談に乗る東妻院長に、クリニックについて、めざす医療について話を聞いた。
(取材日2019年9月13日)

特別ではなく、日常の延長にある場所をめざして

開業の経緯を教えてください。

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このクリニックは継承したクリニックで、前院長は僕の叔父の友人です。当時の僕は「開業しよう」という強い思いがあったわけでもなく、前院長が高齢になったので手伝える人を探しているということで、最初は週1回の単なるアルバイトの感覚で手伝うようになったんです。しかし、ここでの診療を重ねていくにつれて「このままここでやっていくのも悪くないな」と感じるようにもなりましたし、前院長の体調などもあり、自然な流れで僕が継承することになりました。語るほどの熱い思いがあったわけではないので、このようなかたちでしかお話しできないのが残念ですが(笑)、結果的に今の状態はすごく自分に合ってるなと思います。

勤務医時代はどのようなことをされていたのですか?

医師になって、最初は白血病の病棟で白血病の患者さんを診ていました。僕が最初に担当した患者さんは末期の患者さんだったので、自分が担当する患者さんを看取り、ご臨終をご家族に告げるところまでジェットコースターのように短期間で経験しました。当時は医療のシステムが今とはまったく違っていましたので、とにかく病院に常駐しているような状態でした。診療時間外でも、自分の担当の患者さんはもちろん、そのご家族ともいろいろと話をする時間がありましたので、命や医療についてさまざまな思いを聞かせていただくことができました。また、臨床をしながら骨髄移植の研究にも取り組んでいましたので、臨床と研究、2つの現場を通して、振り返ってみれば非常に濃い時間を過ごしてきたと思います。

患者さんに接する時、特に心がけていることはありますか?

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あまりかしこまり過ぎないようにしています。ただでさえ病院は緊張する場所なので、できるだけリラックスして診察を受けていただくためには、僕がかしこまりすぎるとダメなんじゃないかなと思うので、声のかけ方や言葉使いなど、失礼になってはいけないけれど丁寧になり過ぎないようにしています。このクリニックが患者さんにとって特別な場所ではなく、日常の延長にある場所になることが僕の理想。体に何かが起こった時「お医者さんに相談に行こう」と悲壮な気持ちで来るのではなく、「ちょっとあそこで聞いてみよう」くらいの気軽さで足を運ぶところであってほしいと思っています。

なんでも話せる「体に詳しいおじさん」になりたい

先生が理想とする「医師像」「クリニック像」はありますか?

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僕は「どこにでもいるけど、ちょっと体のことに詳しいおじさん」くらいがいいですね。診察室で医師と向き合うと緊張する人でも、例えば居酒屋でよく隣り合う、体に詳しいおじさんになら、気軽になんでも話せたりするじゃないですか。僕はそういう気軽な話の中にこそ、大切なヒントが隠れていると思っています。主訴だけでなく、その陰に隠れているものを見つけるのも医師の仕事。だから「偉いお医者さま」じゃなく、「体に詳しい面白いおじさん」になりたい。そして病気のことだけでなく、最近ちょっと困っていることなど、気軽に話してもらいたいなと思います。クリニックを「おじさんがいつもいる場所」だと思ってもらえれば、気軽に来れるようになるんじゃないでしょうか。

現在の「深津クリニック」はいかがですか?

前院長の時から足を運んでくださっている方もいらっしゃいますし、2世代、3世代で通っているご家族も増えて、皆さんと気持ちのいい距離感でお付き合いさせていただいてます。「これはどこの科に行ったらいいの?」という相談から終末期の看取りの相談まで、さまざまな相談に来てくださる。それがすごくうれしいなと日々感じています。中には「ちょっと来てみたけど、混んでるから帰るわ」といって待合室で知り合いとおしゃべりして帰る患者さんがいたりもするんですよ(笑)。遺言を預かったりすることもありますし、終末期の希望を託される場合もあります。そんな一つ一つが、僕にしてみると大切な信頼の証かなとかみ締めています。

CTもありますし、設備も充実していますよね。

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「なんでも相談においで」と言っているのに、「ここでは検査できない」とあっちこっちに行ってもらうのは親切じゃないと思うので、CT検査をここでできるようにしています。大きな病院に行けば検査だけでも何日、何時間と待つ場合があります。そうなると検査が面倒に感じますし、不安があれば、その不安が長引いてしまう。また、漠然としているよりも、早く適切な科に紹介することができますし、自分で診られるかどうかの判断もできます。適切な検査・治療を行うことは大事なことだと思いますので、ここでできる範囲のことはきちんと行って、適切な判断をするように心がけています。

患者の思い、家族の思い、すべてをひっくるめ寄り添う

医師をめざしたきっかけは何ですか?

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実は最初は医師になろうなんて思ってもいなかったんです。めざしていたのは工学部だったし、そうじゃなければ理系でどこかに進めたらいいのかなあ、というくらいの軽い気持ちで進路を考えていました。そんな時に友人が白血病になったんです。それが自分にとってはすごくショックな出来事で、だったら僕が白血病を治せるようになろうと思ったのが明確に医師をめざしたきっかけだったように思います。実際にその後は骨髄移植の研究に長く従事し、たくさんの白血病の症例も経験してきましたし、人の死の場面にも多く立ち会ってきました。そんな中で、医師になって良かったとか悪かったとかはわからないですけども、医師として受け止めるべきは受け止めていきたいと思います。

これまでの経験を通して、先生が大切にしたいと思っていることは何ですか?

人は必ず死にます。医療がいくら発達しても、死なない人はいないわけです。すべての人が死に向かって生きている。その中で、医療に従事している僕らができることは何かというと、実はそんなに大きなことじゃないように思います。大事なのは薬を出すこととか治療をすることじゃなくて、その人の人生そのものを一緒に見つめ、選択していく手助けになることなんじゃないかなと感じます。人には個性があり、パーソナリティーの数だけ選択がある。そのどれもが正しいんじゃないかなと。さらに、患者さんの家族の思いがある。ここも無視できない。だから、患者さんの思いと、そのご家族の思い、すべてをひっくるめて寄り添うことが大切なのかなと考えています。

それでは最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

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特別な場所としてではなく、健康を維持するための気軽な場所として当院のようなクリニックを上手に利用してもらえたらと思います。「こんなことで行ってもいいのかな?」「こんなことを聞いてもいいのかな?」という心配はいりません。体や病気に対してわからないことを聞くための場所なのだから、なんでも聞いてください。難しく考えなくていいですよ。病気に対する「なんで?」を解決することは大切なことです。「病は気から」という言葉どおり、不安な気持ちは体の不調をつくり出してしまいます。一人だけで、家族だけで、悩むことなく、抱え込むことなく、気軽にいらしてください。いつでもお待ちしています。

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