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岩田 以津子 院長の独自取材記事

イワタ医院

(大阪市西成区/天下茶屋駅)

最終更新日:2021/10/12

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天下茶屋駅の改札を出て、南海本線の高架沿いを進むこと約3分。下町の住宅街の中にたたずむ「イワタ医院」は、1955年の開業から親子2世代にわたって、地域の女性たちの健康を支えてきたクリニックだ。2代目の院長にあたる岩田以津子(いわた・いつこ)先生は、穏やかでユーモアあふれる語り口と、女性ならではのきめ細かな心遣いで、訪れる患者を心身ともに元気にしている。女性が気兼ねなく来院できるように、産婦人科診療だけでなく女性内科の診療も行う。スタッフは全員女性なので、悩みも打ち明けやすい。患者一人ひとりにとって最も良い医療を提供するために努力を惜しまない岩田院長に、医師を志したきっかけから今後の展望まで、興味深い話を聞いた。

(取材日2017年6月1日)

両親への思いと実習で行った内診経験が産婦人科の道へ

まずは先生が医師を志したきっかけを教えてください。

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当院は私の父母が、1955年に開業した医院になります。両親ともに産婦人科医師だったので、子どもの頃は家族でどこかへ遊びに行っても、お産が入ったら父も母もすぐに医院へ戻らなければならず、私と妹は親戚や知人によく面倒を見てもらっていました。そのような家庭環境でしたので、正直なところ自分は医師にはなりたくないと思っていたんです。小学校6年生の時に、父が病に倒れてしまい、母が1人で医院を切り盛りすることになりました。私も高校生になってから当院の受付を手伝うことがあり、その時に、患者さんから慕われている母のすごさを改めて知ったのです。医師を志すようになったのはそれからですね。両親がいつも忙しくて、小さい頃は寂しく感じることもありましたが、父が亡くなり、葬儀が執り行われた際に、参列者の方々が長蛇の列をつくっているのを見て、父の偉大さも感じましたね。

やはりご両親の影響で、産婦人科の道に進まれたのですね。

もちろん両親の影響もあるのですが、父が心筋梗塞で倒れたこともあり、最初は心臓について学びたいと思ってたのです。でも、大学で産婦人科の実習を受けた際に、妊婦さんに内診する機会があったのです。妊婦さんに触れた時、とても温かくて優しくて、母なる大地に戻ったような、ホッとした気持ちになったんですね。それで、やっぱり産婦人科がいいなと思うようになり、この道に進みました。大学を卒業した後は、大阪大学医学部付属病院産婦人科教室に入局し、関連病院などでキャリアを積んだ後、1999年に当院を建て直し、医院を引き継ぎました。女性が気軽に通える、女性に特化した医院にしようと思い、院内の環境を整え、産婦人科以外に女性内科の病気も診ていくことにしました。

院内の造りにも、こだわりがあると伺いましたが。

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患者さんの多くが朝から晩まで忙しくされている主婦やお勤めの方なので、せめて、診察の待ち時間にひと休みしていただきたくて、絵をかけたり、音楽を流したり、動物のぬいぐるみをたくさん置いて、ゆったりと過ごせる待合室にしました。診察の順番になり、患者さんのお名前をお呼びするのですが、なかなか診察室に来られないのでどうしたのかと見てみたら、居眠りされていたというケースもあります。現在は、お産は引き受けていませんが、病室と食堂を完備しており、婦人科診療・妊婦検診・妊娠中絶の手術などに対応しています。

それぞれの患者にとってベストな治療方法を模索

長くこの地域の患者さんを診られていますが、どのような印象をお持ちですか?

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皆さん話しやすくて、昔から変わらない下町ならではの親しみやすさがあります。私はこの町で生まれ育ちましたので、幼い頃から私のことを知っている患者さんも多いんですよ。「あなたが小さい時から、あなたのお母さんに診てもらっていたのよ」と言われると、少し照れくさい気持ちになりますね。また、クチコミでいらっしゃる方々が多いですが、中には勤務医時代のつながりで、わざわざ遠方から足を運んでくださる患者さんもおられます。女性が社会で活躍する機会が増えて、出産の年齢が高くなっていることも影響してか、生理痛や子宮内膜症の症状に悩まれて来院される患者さんが増えているように思いますね。

診療において、先生が心がけていらっしゃることは何ですか?

その患者さんにとって、どうするのがベストな方法かを常に考えながら、日々診療にあたっています。例えば、同じ疾患でも、同じように治療すればいいとは限りません。お一人お一人に合った方法があるので、患者さんとよく相談しながら診療にあたっています。学生時代「上医は国を診る、中医は人を診る、下医は病を診る」という言葉を習ったのですが、私はずっと中医になりたいと思っていました。すべての医師が中医になれば自然に国を診ることにもなるので、そういう医師になりたいと思いながら医療に取り組んでまいりました。産婦人科では、どうしても患者さんが内診台に上がらなくてはならないので、患者さんの緊張感を和らげたり、不安を取り除けるように、ブランケットをかけたり、ずっと話しかけたりと、細かい部分にまで配慮しています。「医者と患者」としてだけではなく、「人と人」として向き合いながら、真摯に治療へ取り組んでいます。

先生は数々の資格をお持ちですが、とても勉強熱心でいらっしゃるのですね。

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いえいえ、医療の技術は日々進化していくので、患者さんに最も良い医療を提供するためには、日々技術を更新していかなければいけません。かなりの数の経験を積んで、初めて資格が取れるので、私にとって資格は患者さんにできる限り良い医療を提供するためのものです。中絶手術を行うために母体保護法指定医の資格が必要ですし、産婦人科の診療の中で静脈麻酔や緊急時の対応をするために麻酔科標榜医の資格を習得するなど、取り組みたい診療内容に合わせて技術を身につけてきました。これからも私のできる限り、目いっぱい努力し続けていけたらと思っています。

これからも地域に根づいた女性のクリニックをめざして

患者さんとの印象的なエピソードはありますか?

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診療がきっかけで、プライべ―トでもお付き合いをさせていただいている患者さんもいらっしゃいます。何でも相談に乗ってくださり、困っている時はいつも助けてくださるんです。そういう部分がとても尊敬できる方ですし、私も見習わなくてはならないと思っています。あとは、患者さんではないのですが、昔からのつながりで、何かあればすぐに来てくださる電気屋さんなど、振り返ると、人と人のつながりに助けられている部分が大きいと改めて感じますね。

休日の過ごし方やリフレッシュ方法について教えていただけますか?

母の代から引き継ぎ、当院の財務関係は全部自分で行っているので、休日はその処理で終わることが多いですね。また、実家の母に介護が必要な状況なので、在宅介護をしながら一緒に過ごしています。リフレッシュ方法としては、数頭の犬たちと過ごす時間ですね。親・子・孫・ひ孫の四世代のトイプードルを飼っているのですが、とてもにぎやかで楽しいですよ。私は小さい頃から動物が大好きで、よく捨て犬を家に連れて帰っていました。あと今はなかなか時間がつくれないのですが、小学校の頃から水泳が得意で、時間ができたら健康づくりのために、水泳をやりたいですね。

今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

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今後の展望としては、これまでと変わらず地元に根づいて、その患者さんにとって最も良い医療を提供できるように、日々努力を重ねていけたらと思っています。婦人科というと、通いにくいと感じる方も多いと思いますが、スタッフ全員が女性なので同じ女性同士、気軽に相談に来ていただければと思います。どんな些細なことでも気になることがあれば1人で抱え込まず、私たちを頼ってくださいね。

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