松田 顕三 院長の独自取材記事
チョウクリニック
(大阪市住吉区/長居駅)
最終更新日:2026/10/02
長居公園の南側、あびこ筋沿いに構える「チョウクリニック」。イタリア産の大理石が敷かれた待合室に足を踏み入れると、木目を基調としたぬくもりのある空間が広がる。院長の松田顕三先生は、1997年の開業以来、消化器内科を軸に内科全般から整形外科、小規模の外科処置まで幅広く診療し、約30年にわたり地域の健康を支えてきた。同院の大きな特徴は、法人で運営するデイケアやデイサービス、介護付き有料老人ホームと連携し、医療と介護を一体的につないでいること。「物理的に治すだけではなく、精神的に安定させてあげることを大切にしています」と語る松田院長。ユーモアを交えながら気さくに話す姿から、患者思いの温かな人柄がにじむ。地域に根差した診療や充実のリハビリテーション体制、今後の展望までじっくり話を聞いた。
(取材日2026年8月7日)
「なんでも屋」の精神で、地域の医療と介護をつなぐ
長年地域のかかりつけを務められている中で、どんな患者さんが多いですか?

消化器を軸に内科全般を診ていますが、簡単な整形外科や切り傷の縫合といった小外科まで、開業以来「なんでも屋」のつもりで医療を提供してまいりました。来られる方はご高齢の方が多く、高血圧や糖尿病、膝痛・腰痛といったお悩みが中心です。長年大切にしているのは、来るものは拒まず、誰でも気軽に受診していただくということ。患者さんのメリットになる検査やアドバイスを通じ、「やっぱり来て良かった」と思っていただけるのが一番です。一方で、大きな病気や手術が必要な場合は、迅速に病院へ紹介すると決めています。そして治療が落ち着いたらまたこちらに戻ってきていただく。患者さんとの長いお付き合いの中で、小手先で何かをするよりも、最善の治療をめざし誠実に対応することで信頼関係を築いてきたつもりです。
先生のご専門は消化器内科と伺っています。
愛媛大学を卒業後、大阪市立大学の第三内科に入局しました。そちらが消化器内科の医局で、大学院では肝臓の免疫に関する基礎研究にも取り組み、博士課程を修了。基礎研究は臨床に直結するまで何十年もかかり、私が取り組んだ研究もただちに診療に反映されるような類のものではありませんでしたが、それでも、消化器の領域でしっかり研鑽を積んだことは自分の土台になっています。体を動かすのが好きということもあって自然と整形外科にも関心が向き、開業後は簡単な整形の診療にも対応するようになりました。中学から大学までサッカーに親しんでいましたし、今でも空手を続けているんですよ。そんなふうに幅を広げるうち、気がつけば多様な症状を診るようになっていましたね。
ご高齢の患者さんを支える体制として、取り組まれていることはありますか?

介護保険制度が始まったのは2000年ですが、国が方針を打ち出した以上、今後必ず必要になるだろうと考え、当法人ではその初年度から介護事業に取り組んできました。現在は当院にデイケア(通所リハビリ)施設を併設していますが、医療機関併設の一番のメリットは対応の早さです。介護現場で利用者さんの血圧が急に上がったとき、電話一本ですぐに私に相談してもらえますし、患者さんが自宅で動けなくなっていると聞けば、私から介護事務所に連絡してすぐスタッフを向かわせることもできます。この双方向のやりとりは、医療と介護が一つの場所にあるからこそ可能なことだと感じています。
体にも心にも寄り添う、患者のための検査とリハビリ
検査で心がけていることはありますか?

私の専門は消化器ですので、超音波検査や胃・大腸内視鏡検査にも取り組んでいますし、ほかにも血液検査や心電図、エックス線、骨密度検査など幅広い検査に院内で対応しています。特に心がけているのは、できるだけ体への負担が少ない検査から始めることです。例えば消化器症状のある方でも、いきなり内視鏡検査を行うのではなく、まず便の検査や体重の変化、貧血の有無といった基本的な項目から確認していきます。それらを総合して疑わしいと判断すれば胃内視鏡検査に進むという流れです。軽い検査からだんだんと段階を踏んでいくわけですね。本当に必要な検査だけを行うことで、費用面でもできるだけ患者さんの負担を減らしたいという思いがあります。
リハビリの体制についても教えてください。
リハビリで掲げている最大の目標は、「何歳になってもトイレには自分で歩いて行けるようにすること」です。トイレの問題がご家族にとっても一番大変なんですよ。だからこそ、自分の足で歩く力を維持するためのリハビリに力を入れています。そのために理学療法士が常駐する体制を取るとともに、レーザー機器や超音波機器、けん引機器、ローラーベッド、エアマッサージ器、パワーリハビリテーション用のマシンなど約20種の機器をそろえました。リハビリ室とデイケア室を合わせると約60坪の広さがありますので、ゆとりのある環境で取り組んでいただけます。デイケア室には私の愛犬のトイプードルがいて、利用者さんに抱っこしてもらったりしています。老人ホームの往診にも連れて行くのですが、個室でじっとしている方も犬を見ると表情がぱっと明るくなるんですよ。
患者さんと接する際に大切にされていることを教えてください。

患者さんと接する際に一番大切にしているのは、精神的に寄り添うことです。病気でお体がつらい上に経済的にも余裕がないという方は少なくありません。気持ちが沈んでしまっている方もいらっしゃいます。そうした方々に対しては、物理的に治すだけではなく、精神的に安定していただくことが重要なんです。だからこそよくお話を聞くようにしています。診療と関係のない話も多いのですが、無駄話をすることで気持ちが楽になるという方はとても多いですし、何げない会話からその方の生活の背景が見えてくることもあります。一方で、命に関わるような場面では厳しいことも言います。放っておいたら取り返しがつかなくなるという場合は、はっきりとお伝えする。お互いに礼節を持ちつつ、本当に大事な場面では遠慮しないことも寄り添い方の一つだと思っています。
約30年の信頼を糧に、介護のさらなる高みへ
温かみのある雰囲気が印象的ですが、スタッフの皆さんのことや院内のこだわりについて伺います。

当院には看護師や理学療法士、介護スタッフも含め、長く勤めてくれているメンバーが多く、とてもありがたいですね。医療と介護の仕事は見た目以上に奥が深く、心から満足していただけるサービスを提供するのは本当に難しい。だからこそ経験を重ねたスタッフの存在は、患者さんや利用者さんご本人にとっても、そのご家族にとっても、大きな安心材料になっていると感じています。安心につながるという意味では、院内の空間づくりも気を配ったところで、全体で約100坪ある院内は、木目調を基本としています。特にこだわったのは待合室の床。イタリア産の大理石を使っているんです。
今後力を入れていきたいことはありますか?
現体制を維持しながら、介護サービスをもっと洗練させていきたいと考えています。介護保険が始まって以来、目の前のニーズに応えることに力を注いできましたが、これからはスタッフの知識や接遇をもう一段引き上げていきたいですね。スタッフをよりプロフェッショナルな人材へと育てることが、利用者さんの満足にも直結すると思っています。また、私の子どももドクターですので、将来を見据えた体制づくりも少しずつですが視野に入れているところです。心身の調子を整えながら、患者さんのためにまだまだ取り組んでいきたいと思っています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。

患者さんが常に健康でいられること、そしてご家族も健康でいられること、それが一番大切です。年齢を重ねると誰でも体に不調が出てくるもの。ご自身やご家族に介護が必要になる日がくるかもしれません。そんなときに慌てないよう、気軽に相談できるかかりつけ医を持つと心強いでしょう。当院には医療から介護まで幅広く対応できる体制がありますので、ちょっとした体の変化があれば、気軽にお声がけいただけたらうれしいです。開業から約30年、来て良かったと感じていただくことを大切にしてきました。今後もスタッフ一同、その思いを胸に日々の診療に向き合ってまいりますので、当院を気軽にご活用いただければと思います。

