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本田 泰郎 院長の独自取材記事

本田整形外科内科

(大阪市城東区/野江内代駅)

最終更新日:2020/04/01

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大阪市営地下鉄谷町線の野江内代駅から徒歩7分、昔ながらの長屋が残る一角を抜けると「本田整形外科内科」が見えてくる。3代にわたる幅広い年代の患者が来院する、開業から48年目を迎える歴史あるクリニックだ。医院継承にあたり「町のかかりつけ医はなんでも診れないといけない」という父の理念をも引き継いだ本田泰郎院長。子どもの頃の愛称にちなみ受け継いだ当初は「こぼんちゃん先生」と古くからの患者から親しみを込めて呼ばれているという。心地良いトーンで滑舌良く話す本田院長に、地域に密着した医療の歴史から今後の展望まで、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2018年4月9日)

コミュニケーションを育む世間話はカルテにも記載

この場所に住んでおられたそうですが、それはいつ頃ですか?

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小学3年生の時です。父は外科が専門でしたが開業を考え始めた頃、先輩に「これからは痛みを診る整形外科でないと開業医は務まらない」と言われ、新たに学び開業に至ったそうです。当時はまだ新しい科で、この地域でも整形外科を標榜している診療所はほとんどなく、城東区医師会に入った時も重宝されたと聞いています。ただ、父には昔のお医者さんの多くがそうであったように、「医師は全身を診るのが当たり前」という強い思いがあり、内科も標榜して診療を行ってきました。なので当院の患者さんも、ここはトータルで診てくれるからと思って来られます。僕が引き継いだのは、ホームドクターとしての地域医療そのものなのです。

リハビリテーションで毎日来られる常連の患者さんも多いと伺いました。

常連の皆さんは開院前に到着されているので、朝は外にも椅子を並べています。僕が診察室に入るときには各々のいつもの定位置にすでにいらっしゃるので、もはや「スタンバイOK」といった感じです。もちろん常連の方々は体に痛みがあるから来られるんですが、ある意味元気でもあるのです。そこは整形外科の独特なところなのですが、毎日当院でリハビリや運動をすることで自分が健康だということを認識できるのでしょうね。だから数日来院されなくて久しぶりに来られたときに「どうしてたの?」と聞くと普通に、「風邪ひいて具合悪かったから」とか「調子崩して来られなかった」とおっしゃるんですよ。僕としては「そういう時こそ来てよ、僕が診るから」と思うのですが(笑)。

今まさに、という時には来られない? おもしろいですね。

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内科の患者さんは、風邪をひいたり具合が悪いと来院されますから、「元気になったから来た」という感覚は整形外科ならではですよね。通院されるうちに患者さん同士が友達になって、楽しそうな声が診察室に聞こえてくるのですが、そのいつもどおりの声が聞こえないと具合が悪いのかなと心配になりますから不思議です。話し好きの方は患者さんに多いですが、僕の診療も長いとよく言われます。娘さんのピアノの発表会とか、お孫さんが野球の名門校で活躍してるとか、話されたことをカルテに書き込んでいるのです。来院された時に「その後どうなりました?」と聞くと、「覚えていたんですか」って驚かれますが喜んでくださいます。医師と患者さんの間の信頼関係はすぐには築けませんから、コミュニケーションを大切にしています。

患者の背景に配慮した、柔軟で多様な診療を

医師になって良かったと思うのはどんなときですか?

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患者さんが喜んで感謝してくれるときです。「あれだけ痛かったのに、今は普通の生活ができます」と、良くなっていく患者さんの姿を見られるのはうれしい限りです。また、「先生がいい病院を紹介してくれて、手術したから歩けるようになりました」と報告に来てくれる患者さんもいます。日常生活に困難を来すような症状を抱える原因の一つは加齢ですが、つまずいたことがきっかけで、急に膝がひどく痛むようになるケースは多いのです。放っておくと悪化する一方で早めの治療が必要ですが、中にはどんな治療も効かず、手術でやっと良くなるという場合もあるのです。予防としては転ばない、つまずかないように注意することですが、50代からは体重増加にも気をつけてほしいですね。関節にとって一番負担になるのは、やっぱり体重なのです。

意識してもなかなか難しいですよね。

特に閉経後の女性は骨が痩せてくる上に、ホルモンバランスが崩れて肥満傾向が見られる方が多いですから、コントロールが必要です。患者さんに「太るの駄目よ」と言うと、「どうやったら痩せるの?」と聞かれます。食べる量を減らすしかないんですけどね(笑)。あと、炭水化物を制限するのも効果的だと思います。ただ、まったく取らないのはエネルギーゼロですから体がもたないので、朝・昼・夜のいずれか1食に取り入れるのが望ましいです。そして骨粗しょう症予防のためにも、適度な運動を心がけてほしいですね。もちろん、しっかりカルシウムを取って、その吸収に必要なビタミンDの活性化のために紫外線を浴びることも大切です。それでも女性の方は一度検査を受けられて、その結果次第では薬を服用されたほうが、より確実な予防になるというケースもあります。特に1回でも骨折したことがある方は、検査をお勧めします。

エックス線検査では判明しない骨折もありますよね?

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たくさんありますので、レントゲンで見る限り異常はないけれど絶対骨折していると思う場合は、総合病院でMRIを撮って来てもらうのです。骨が折れていれば中で出血があり骨浮腫が起こるのでMRIでわかります。ですが、費用が高いので患者さんの経済状況を考慮して選択していただいています。MRIを撮らない場合でも、骨折していれば1週間前後で症状として現れてきますので。ただし、すぐにMRIが必要なのか、様子を見てからの対応でいいのか見極めてお伝えすることが肝心です。これは手術の場合にも言えること。患者さんやご家族の抱える状況に配慮しながら、何を選択することがベストなのか医師として伝える役目があります。先生の判断に任せるという方も多いですが、経済的に厳しいと仰る方もいるので、かかりつけ医には柔軟で多様な診療が求められているといえますね。

代々通える、「信頼できるかかりつけ医」に

医院を継がれるまでの経緯を教えてください。

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日本大学医学部を卒業後は大阪労災病院で研修医を務め、その後10年近く勤務した寺元記念病院との出会いが大きな転機となりました。河内長野市にある総合病院なのですが、ホームドクター的要素が強く、眼科や耳鼻咽喉科はないのに「目が痛い」「鼻がおかしい」と患者さんが来院されていました。そのため当直ではさまざまな症状を訴える患者さんも診療することになります。僕は整形外科が専門ですが内科の先生とは仲が良かったので、いろいろ教えてもらいました。当院を継ぐにあたり必須になる内科をはじめ、専門外の多岐にわたる症状を診療し学べたことで今の自分があると思っています。また、個性的な患者さんも多かったので、さまざまな対応についても学びましたね。何があっても動じない平常心を保つということや忍耐力も培うことができました。

お忙しい中でのリフレッシュ法はありますか?

大学時代はゴルフ部だったので、今も楽しんでいます。最近は子どもたちとの予定でキャンセルになることも多いですね。以前は妻が好きなテニスにも2人でよく行っていたのですが、やんちゃ盛りの男の子3人に手がかかるので、しばらくはお預けになりそうです。ただ子どもたちと一緒にキャンプに行ったり、キャッチボールなどをするのが楽しみでありリフレッシュになっています。僕も同じ兄弟構成で末っ子だったから「こぼんちゃん」と近所の人たちに呼ばれていました。兄2人が医療と違う道に進んだ後も、父は僕に医師になってほしいとか全然言わない人でしたが、周りには「後継ぎができた」と言って喜んでいたそうです。今子どもができて、その気持ちがわかりますね。

今後の展望を聞かせてください。

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父がそうだったように代々にわたって通ってもらえる、良いかかりつけ医になりたいですね。そのためには、専門施設で診てもらったほうがいいと判断した場合は、いち早くしかるべきところへ紹介する迅速な対応が必要です。開業医の役割として適切な先生に紹介することも大事になってきます。専門の医師によって助かる患者さんも多いわけですから。かかりつけ医としてこれからも今まで同様、地域の皆さんに信頼される医療を提供していきたいです。

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