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有賀 秀治 院長の独自取材記事

有賀耳鼻咽喉科

(大阪市城東区/鴫野駅)

最終更新日:2025/01/14

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科 main

学研都市線鴫野駅から徒歩2分。駅前のクリニックビル5階にある「有賀耳鼻咽喉科」は、小さな子どもから高齢者まで幅広い世代に親しまれている。日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の有賀秀治院長は、大阪大学医学部卒業後、吹田市民病院や住友病院に勤務し、上顎がん・喉頭がん・咽頭がんなどの手術を行ってきた経験豊富なドクターだ。1994年の開業以来、その経験を生かし、地域のかかりつけ医として診療している。「病気だけを診るのではなく、患者さんの不安を取り除いていくのがかかりつけ医の仕事だと思っています」と話す有賀院長に、医師としての真髄について熱く語ってもらった。

(取材日2023年6月27日)

病気を治すだけでなく患者に寄り添う医療を

これまでの経歴と開業のきっかけを教えてください。

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科1

私は頭頸部がんが専門で、大阪大学医学部附属病院では大きな手術に携わっていました。具体的には、耳鼻咽喉科が腫瘍を取り除いた後、形成外科が再建手術を行うという、12時間ほどかかる手術です。頭頸部は衣服で隠すことができず、外から見える部分なので、手術が成功したとしても患者さんによって受け止め方はさまざまです。そのため、私は「患者さんの満足感がどこにあるのか」を常に大事にしながら執刀していました。これまで深く携わってきた悪性疾患の知識は、現在も病気の見極めに生きています。開業を意識するきっかけとなったのは、ボランティア活動でタイに何度か一緒に行ったことがある大学の先輩の酒井國男先生の存在でした。酒井先生は関目で開業されていて、「もし将来開業するのであれば、同じ城東区で開業しませんか」とお誘いいただいたのです。このエリアには同窓生もいて、なんとなく縁を感じています。

どのような患者さんが来院されていますか?

この周辺は昔ながらの人情味のある住民が多く、古くからある住宅街ということもあり、蓄膿症とも呼ばれている副鼻腔炎、滲出性中耳炎が起こす難聴や耳鳴り、めまいなどの相談に来られる高齢の方が多い印象があります。また就学前のお子さんも多く、保育園に通っているお子さんに関しては、鼻水が出る、咳が出るといった風邪の症状で来院されることがほとんどです。

難聴の方には補聴器をお勧めされているのでしょうか?

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科2

聴力が低下するとコミュニケーション能力が低下し、将来の認知症にもつながるといわれているため、日常生活に支障を感じ始めたらなるべく早い段階で補聴器を利用していただきたいですね。補聴器は眼鏡とは異なり、違和感なく使用できるようになるまで時間がかかるもの。数ヵ月程度は頑張って使い続けていただくことが大切です。私は補聴器に関する専門的な知識をもとに、精密な検査・診断を含めた適切な補聴器医療の提供に努めています。現在は、検査データを添えた紹介状を、機器の調整や使用指導など専門知識を持つ補聴器技能者の在籍する補聴器専門店に提出すれば、一定の医療費控除を受けることができます。精密検査をしてみたらより手厚い支援が受けられる高度難聴だったというケースも考えられますので、まずは補聴器に精通する医師にご相談ください。

医師としての務めは、「患者の不安を取り除くこと」

診療スタンスについてお聞かせください。

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科3

勤務していた病院では、患者さんの話をゆっくりと聞けなかったので、開業当初から「患者さんのお話をしっかり聞く」ということをモットーにしています。患者さんが持つ悩みや家庭の事情などが、病気に関係しているケースは少なくありません。そのため、お話をじっくりと伺うことで気持ちが楽になり、症状も軽減されればと思っています。特に高齢の方の介護・介助をされている方は私と同年代。世代的に共感できるところもあると思いますので、どんなことでもご相談いただけたらうれしいですね。患者さんと一緒に考え、患者さんに寄り添い、そうして心身のケアをするのが医師の基本だと考えています。

患者さんとの対話を大切にされているのですね。

はい。例えばめまいは女性に多い症状ですが、ストレスが発症の原因になっていることもあります。患者さんの中には、旦那さんの介護をしているが、そういった話を聞いてくれる人が周りに少なく、心情を吐き出す場がないと感じている方などもいるのではないでしょうか。そういった方に診察で「どうしたの? 何かあったの?」と聞くと、こらえきれずに泣いてしまう方もおられるかもしれません。ただ、診察での対話を通して少しでも楽になっていただき、すっきりした顔で帰っていただきたいと考えています。

患者さんに寄り添った診療を心がけているのですね。

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科4

患者さんの不安を一つずつ取り除くことが、医師の務めだと考えています。例えば、耳鳴りで悩んでいる方に、「検査をして異常がなかったので、心配ありませんよ」と伝えても、ご本人の納得にはつながりません。検査で異常がなかったとしても、患者さんは耳鳴りの症状があり、実際に悩んでいるわけですからね。しかし、「そうか、思っていたよりも悪くなくて良かった」と受け入れていただくことも、時には必要。ですから、異常がなかった場合には「検査をしてみて何もなかったということは、あなたにとっていいことですよ」と、伝えるようにしています。悩んでいる時期は誰しもネガティブになってしまったり、非現実的なことを考えてしまったりして、「検査で異常がなかった」ことを受け入れがたくなるものですからね。

「かかりつけ医」に何でも相談を

大阪市城東区医師会、大阪府耳鼻咽喉科医会の活動にも注力されていますね。

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科5

私は耳鼻咽喉科が専門ですから、高血圧の患者さんを診る機会はありませんが、高血圧に詳しい先生を紹介することは可能です。もちろん、その先生に対して紹介状を書くこともできますよ。地域で診療するということは、医療機関との連携や紹介も含みますから、皆さんのかかりつけ医の専門に関わらず、気軽にいろんなことを相談していただきたいです。相談しやすい先生をつくっておくと、介護などの医療以外のことも相談できると思うんです。大阪市城東区医師会に所属している先生には、「診療科を越えてかかりつけ医としての役割を果たしてほしい」とお願いしていることもあり、その考えは地域でも浸透しています。また大阪府耳鼻咽喉科医会の会長として、府民の耳鼻咽喉科医療を守り発展させるための活動にも力を注いでいます。

今後の展望についても教えてください。

今後の耳鼻咽喉科医療は、従来のものから大きく変貌していくことでしょう。その中で国を挙げた対策強化が必要な「アレルギー」「花粉症」は特に重要なテーマであり、当院でも代表的な治療法である舌下免疫療法に積極的に取り組んでいきたいと考えています。また超高齢化社会において、補聴器医療も含めた「難聴」に対して積極的に関与していくとともに、慢性的な咳や後鼻漏など鼻を含んだ気道に対しての訴えが増えると考えられますので、患者さんとご相談しながら最良の治療法を提供できるようにしていきたいと考えています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

有賀秀治院長 有賀耳鼻咽喉科6

昔から「病は気から」という言葉がありますが、これは言葉だけではなく、医学的にも正しいことだと私は考えています。毎日にこにこして生活を送るということが、健康にとって一番大事なことだと思います。生きるなら、しかめっ面ではなく、笑顔で楽しく生きるほうが良いと思いませんか。「笑う門には福来る」ともいいますからね。言葉で言うのは簡単で、現実では難しいことかもしれませんが、日頃から意識するのも必要です。それが健康の源にもなりますので、地域の皆さんには笑顔で過ごしていただきたいと思います。

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