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佐野 徹明 院長の独自取材記事

さの内科医院

(大阪市生野区/小路駅)

最終更新日:2022/11/04

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小路駅から徒歩すぐの場所にある「さの内科医院」は、佐野徹明院長が2009年に父から継承し、現在の地に移転開業。院長自身をモデルにデザインしたというキャラクターが描かれた外観が目印だ。地域のかかりつけ医として一般内科診療はもちろん、大学病院などの血液内科で長年活躍してきた経験を生かし、白血病やリンパ腫、貧血といった専門性を要する血液疾患の診療まで幅広く行っている。また、佐野院長が強い思いを持って取り組んでいるのが在宅医療。患者やその家族によって異なり、一つの決まった正解がない医療だからこそ、患者と家族の心に親身に寄り添うことを大切に診療を行っている。早期発見・早期治療のため、また最期の時を自宅で迎える患者と家族のため尽力する佐野院長に、その熱い思いを聞いた。

(取材日2022年10月4日)

身近なかかりつけ医を持ってほしい

こちらの医院ではどのような診療を行っているのでしょうか?

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当院は内科・血液内科・緩和ケア内科を標榜し、風邪などの急性疾患から、高血圧症や糖尿病、高脂血症といった慢性疾患、花粉症などのアレルギー疾患、睡眠時無呼吸症候群など、一般内科診療を中心に提供しつつ、がん患者の方に対する緩和ケアなども行っています。また、私は長年血液内科の分野で研鑽を積んできたので、慢性骨髄性白血病や多血症、貧血、あざや鼻血などの出血傾向が強い方、リウマチ、リンパ節の腫れなどの診断・治療も得意としています。あまり聞き慣れない科かもしれませんが、血液検査から症状の原因特定を図り、診断を行うことで適切な治療につなげていくことを分野ですので、血液検査の数値で異常が出た時や、はっきりと理由はわからないが倦怠感がある時などにお越しください。

病診連携にも注力されているそうですね。

ええ。大きな病院にかかりながらも、自宅近くにかかりつけ医を持つことは、医療機関や患者さん本人にとってもプラスだと考え、日頃から大規模病院と地域のクリニックで地域医療連携を行うことが大切だと考えています。例えば、抗がん剤治療などで通院されている方が、風邪などの急性疾患にかかった場合、通院している大きな病院へ行くとなると、発熱してつらい中で何時間も待たされることがあります。そういった時に、患者さん本人の病状や治療経過をある程度把握したかかりつけ医がいる近隣のクリニックへ行けば、時間や体力的な負担の軽減につながり、受診増加で疲弊した総合病院の負担も軽減されます。ほかにも継続的治療が必要な慢性疾患なども、地域のかかりつけ医がいたほうが、よりきめ細かなフォローが可能だと思います。

日頃からなんでも相談できる「かかりつけ医」を持つことが重要ですね。

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そうなんです。また、例えばがん患者さんが総合病院で長年治療してきて、もう手の施しようがなくなったとき、「明日からは近隣のクリニックにかかってください」といわれることがあります。患者さんは見放されたような気持ちになりますし、また受け入れるクリニックにとっても今までの経過を知らない患者さんに寄り添った診療は、なかなか難しいものです。そういった時に、以前から信頼関係を築いてきた身近なかかりつけ医がいれば、患者さんにとってもご家族にとっても安心だと思います。今後はがんだけでなく、心不全などの病気も在宅治療が主流になるといわれています。「紹介」「逆紹介」を相互に行うなど、病診の役割分けができる地域医療の輪を広げていきながら、患者さんの理解も深めていきたいと思っているのです。

自身の介護経験から学んだ、家族にも寄り添った医療

ところで、開業されたきっかけは何だったのでしょうか。

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実は開業する気はなかったんです。大学病院などで骨髄移植や血液の診療を生涯続けていこうと思っていました。しかし、母の健康状態が思わしくなく、父に実家へ戻ってきてほしいと言われて、父のクリニックを継ぐことになったのです。どうせ開業するなら、今まで自分が培ってきた血液内科を標榜したいという気持ちが強くあり、また、遠くからも患者さんに来ていただきやすいようにと考えて、駅前のこちらに移転しました。母の介護と同時に、クリニックのオープン準備をせねばならず、その頃は忙しかったですね。

開業時から取り組んでいる訪問診療への思いをお聞かせください。

がんの終末期の方、重い白血病の方などと接する機会が多かった血液内科での勤務経験から、専門の医師が患者さんにしっかりと向き合い、最期まで診療にあたることの重要性や必要性を感じてきました。特に在宅医療は、患者さんご本人とご家族の希望に最大限寄り添える努力ができるのが良いところ。治療を第一目的とする病院では言いたいことが言いづらくても、ご家族もいる自宅なら、きっと何事も言いやすいはず。「積極的な治療は望まない」「痛みを取りながら体の状態も良くしたい」という患者さんの希望、「これ以上、かわいそうだから点滴針を刺さないでほしい」といった家族の思い。さまざまある考えに“正解”はなく、患者さんの数だけやり方があります。もし“答え”があるとすれば、それを持っているのは私ではなく、患者さんとご家族です。私の考えを押しつけることは決してせず、心に寄り添いながらご希望をかなえることを最優先にしています。

在宅診療では家族の力が不可欠です。どう臨むべきでしょうか。

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患者さん亡き後に在宅での治療・介護を振り返って、ご家族が不満や後悔を残さずに、その先の人生を歩めることが重要だと考えます。患者さんの一番の理解者であろうご家族が、その思いをくんだ上で方向性を決める、それはきっとご本人の希望そのものと考えています。「在宅医療はご家族のためのもの」でもあり、ご家族がやりたいようにしていただくのが一番です。母に続いて父の介護も行った自分自身の経験からも、患者さん目線だけではなく、介護者目線でもその負担を軽減できたら良いと思います。また家庭内で意見がまとまらない、何も決まらないのはよくあることです。現状をありのまま、ご家族の言葉でお伝えいただきたいですね。

患者の緊張を和らげるため、医院らしくない雰囲気に

落ち着いた雰囲気のすてきなクリニックですが、どこにこだわりましたか?

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バリアフリーですね。生野区は大阪市の中でも高齢化が進んでいるエリアだといわれています。当院の患者さんの多くも70代、80代、90代が占めています。つえや車いすでも楽に移動ができるよう通路も広く、受付は低めのカウンターにし、つえ置きを用意するなど細部まで配慮しています。また、内装は医院らしくない雰囲気にしました。ウッド調を基本として、照明は暖色系にしています。バリのリゾートサロンのようだと言われるんですよ。医院って体調が悪くて来るところなので、昔ながらの感じだと、雰囲気に圧倒されて、血圧が上がる人もいますからね。また、若い人などはインターネットで調べて受診されるのですが、大半が忙しさからこじらせて重症化している方が多いんです。初めて訪れた方でも、緊張が和らぐ場所になればと思っています。

ご自身の健康で気にかけていることはありますか?

適度な運動と食べ過ぎないことです。最近ジムに通いだしたんですよ。開業してから徐々に患者さんが増え、少しずつ忙しくなる中で、自分の体力が年とともに落ちてきたことを感じたんです。このままではいつか仕事がこなせなくなるなと思い、体力づくりのために始めました。筋力をつける運動を中心にやっているのですが、多少変化を感じ始めたところです。食事については、医師が患者のために勉強する栄養指導の会などに行って、聞いてきたことをまず自分で実践し、その後良かったことだけを患者さんにアドバイスしています。自分が変化を実感していることですから、自信を持ってアドバイスできますし、説得力もあるでしょう。

読者へのメッセージをお願いします。

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病院に行こうか迷った時には、ひとまず近くのクリニックに行ってください。患者さんにとってもそれが一番ですし、早めに医療機関にかかることで、国の医療費負担も少なくて済むといわれていますよね。がん、認知症など、どのような疾患も早期発見・早期治療が当たり前という社会の流れになる中、その窓口を担うのが町のかかりつけ医です。ご自宅の近くにクリニックって意外とたくさんあるのではないでしょうか。普段健康な時には気にも留めないと思いますが、身近な存在として開業医はたくさんいるのです。「敷居が高いのでは」と気兼ねする必要はありません。当院も身近で患者さんに寄り添った医療を、今後も提供し続けていきたいと思います。

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