岡村 靖久 院長の独自取材記事
岡村医院 腎・泌尿器科クリニック
(長岡京市/西向日駅)
最終更新日:2025/12/15
阪急京都本線・西向日駅から車で6分、15台分の駐車場を有し、送迎バスも運行するなどアクセス便利な「岡村医院 腎・泌尿器科クリニック」。日本専門医機構泌尿器科専門医の資格を持ち法人理事長も兼ねる岡村靖久院長は、尿管結石や膀胱がんの内視鏡手術、水蒸気を用いた前立腺肥大症の手術を導入するなど、泌尿器科領域の中でもより専門に特化した診療を提供している。環境面では、送迎システムの導入や恥ずかしさを和らげるための十分な待合スペースづくり、スタッフ教育などに取り組み、患者の通いやすさを追求。「すべては患者さんのため」と地域への貢献に重きを置く岡村院長に、クリニックの診療の特色、現在注力している泌尿器疾患の内視鏡手術、今後の展望などについて幅広く話を聞いた。
(取材日2022年5月17日/再取材日2025年8月18日)
泌尿器疾患に特化した、手術・入院設備も有する医院
まずは、こちらで提供されている診療内容について教えてください。

当院は、泌尿器科を専門とするクリニックです。頻尿・排尿困難・尿失禁などの排尿障害に関する検査・治療をはじめ、前立腺がんの検査や夜尿症の相談など幅広く対応しております。排尿に違和感や問題がある、腰や背中に痛みがある、尿が濁っていたり血が混じっていたりといったお悩みがある方は、ぜひご相談ください。また、先進の医療機器を備え、患者さんへの負担が少ない手術にも注力しています。前立腺肥大症の低侵襲手術であるWAVE(経尿道的水蒸気治療)やCVP(接触式レーザー前立腺蒸散術)、再発性の非筋肉浸潤性膀胱がんの治療である経尿道的レーザーアブレーションなど、多様な手術を院内で実施可能です。
手術と入院の設備も整っているのですね。
手術が必要な方を大きな病院へ託すとなると、通院時間や手術までの期間など患者さんの負担が増えてしまうでしょう。当院は以前から有床診療所でしたし、また私が病院勤務時代に数多くの手術を行ってきたため、その環境と経験を生かして手術や入院も数多く受け入れています。適切な診断につなげるための先進機器を導入し、大規模病院と同程度の規模の手術室をめざして環境を整え、多様な手術を院内で行っています。手術件数も年々増えており、地域に貢献できているという手応えを感じています。ご高齢の方を中心に「できるだけ地元で」という声は多く、私もこの町に愛着があるからその気持ちに応えたいです。これからもご希望に沿った治療を提供できるよう努めていきたいですね。
男性更年期の諸症状に関する相談にも乗っているそうですね。

40代から60代の働き盛りの男性が、自律神経の乱れや男性ホルモンの減少などによる更年期症状を訴えるケースは増えています。一方で、ずっと症状があっても「どこを受診したらいいかわからない」と放置し、悪化してしまったという方も多いのではないかと考えています。まだまだ認知されていない男性更年期に対して、クリニックから周知していく必要性を感じています。症状は顔のほてりや発汗、メンタル不調、意欲の低下、性欲の減退などがあります。男性更年期の諸症状に対するアプローチは難しいものですが、まずはしっかりと時間をかけてお話をお聞きし、諸症状に対して相談に乗り、一歩一歩じっくりと症状の改善をめざしています。
前立腺肥大症や再発膀胱がんの低侵襲手術に注力
注力されている前立腺肥大症治療のWAVEやCVPについて、教えてください。

従来の前立腺肥大症の手術は電気メスを用いて前立腺を削るものが主流で、手術時間もかかる上、術中・術後の多量の出血や血尿の他、排尿用の管を入れるため入院期間も長くなるなど、患者さんにとってリスクの高いものでした。そこで、当院ではWAVEやCVPといった先進的な治療を取り入れています。どちらも術中・術後の出血が抑えられる低侵襲の手術で、その分入院日数も短縮されるなど、患者さんのメリットも大きい治療です。特にWAVEは手術時間が5分ほどで、入院も1泊2日で済むなど、負担が少ない治療です。どちらも関西圏はもとより全国的に見ても実施している医療機関はまだ少ない治療法だと思います。
どんな方が対象なのでしょうか。
前立腺肥大症で投薬治療をしていてもなかなか改善しない方、ご自身で尿道に管を入れて排尿する「自己導尿」をしている方など、「日常生活で困っている方」が対象となる手術です。尿が出ないというのは苦痛や不安を感じますし、外出や旅行もままなりません。また自己導尿されている方は1日複数回、ご自身で尿の廃棄をする必要があるなど負担が大きく、管の持ち運びなどの手間もあります。手術後も服薬を続ける必要がある場合もありますが、長時間の運転に対する不安の軽減が期待でき、管なしでの排尿が見込めます。WAVEは低侵襲で、高齢者や麻酔リスクの高い患者さんにも適用しやすいですが、CVPのほうがより広範囲での治療が可能です。どちらも多くの方にとって有用な手術なのではないかと考えています。
膀胱がんの再発治療である経尿道的レーザーアブレーションについて教えてください。

再発性の非筋肉浸潤性膀胱がんに対する新しい治療法として、当院では経尿道的レーザーアブレーションを導入しました。従来は太い内視鏡を用いる必要があり、尿道狭窄や出血のリスクがありました。また2泊3日、あるいは3泊4日の入院が一般的でした。経尿道的レーザーアブレーションでは細い内視鏡と半導体レーザーを用いることで、出血を抑え、尿道への負担も軽減された手術ができます。その結果、入院は1泊2日と非常に短期間です。一方で、高度で繊細な技術を要するため、手術時間は従来と同程度か、やや長くなることも。そのため、関西で導入している医療機関は現状まだ限られていると見られます。ですが、術後の合併症の少なさや、短期入院という患者さん側のメリットが明らかに大きいことから、導入すべきと決断しました。
終末期まで対応。地域の中核専門医院として地元に貢献
充実した診療体制で、スタッフ教育にも熱心に取り組まれています。

丹後中央病院の中川雅之先生をはじめ、京都大学から数人の先生方に来ていただき、診療を行っています。中川先生は日本泌尿器科学会泌尿器科専門医の資格を持っていますので、泌尿器に関するお悩みはなんでもご相談ください。スタッフ一人ひとりにいつも私が伝えていることは、「安全」を重視するということ。手術でも外来診療でも、準備でも後片づけでも、一日を終えた時に「安全第一」であったかどうかを振り返り、患者さんの安心につなげていってほしいと伝えています。それが何より患者さんの命を守る私たちの務めだと思っています。
今後の展望について教えてください。
WAVEや経尿道的レーザーアブレーションなど、低侵襲で短期入院が可能な手術を中心に、これまで薬物治療しか選べなかった方にも新しい治療の道を開いていきたいと考えています。自己導尿やバルーン留置を必要としていた方のカテーテルからの解放をめざし、患者さんのQOL向上に貢献していきたいですね。いずれは患者さんのために、日帰り手術にも取り組んでいきたいと考えています。またこれまで同様に、ご自宅や施設で過ごされているがん末期患者さんが、医療的なサポートが必要な時には積極的に受け入れて行きたいですね。地域の受け皿として、最期まで安心して過ごせる環境を整えることも、私たちの使命だと考えています。当たり前に地域で良い治療が受けられる、そんな医療体制を整えていきたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

泌尿器科はハードルが高く治療に行きづらい科だといわれますが、中には重大な病気が隠れている人がいるかもしれません。環境を整えれば恥ずかしさから躊躇していた方も、クリニックに行くことをためらわなくなるのではないかと考えました。例えば、無料の送迎バスや心和らぐような空間づくり、適切で素早い診断、治療につなげるための先進機器の導入、スタッフ教育に加え、男性と女性が待合室など同じ空間にいても気まずくないよう十分な広さを取るなどの配慮もしています。誰もが来院しやすい、先進の医療の提供をめざす専門性の高い地域の中核クリニックとして、地元の皆さんに貢献していきたいと考えています。

