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角水 正道 院長の独自取材記事

角水医院

(向日市/西向日駅)

最終更新日:2026/07/06

角水正道院長 角水医院 main

阪急京都本線の西向日駅の東口から徒歩6分。住宅街の一角に青い看板が目印の「角水医院」がある。院長の角水正道先生は、京都府立医科大学卒業後に消化器内科の分野で研鑽を積み、2003年に父の代から続く同院を継承した。温かみのあるバリアフリーの院内に足を踏み入れると、開業以来ほとんど変わらないというスタッフの穏やかな雰囲気に迎えられる。「一緒に考え、一緒に悩むかかりつけ医をめざしたい」。その思いから、一人ひとりの人となりや背景まで時間をかけて把握し、深く寄り添う診療を実践している。さらに友人との出会いを機に開業当初から在宅医療にも力を注ぎ、外来から看取りまで切れ目のない関わりを大切にしてきた。優しい笑顔で語る角水院長に、その診療哲学と地域医療への思いを聞いた。

(取材日2026年6月18日)

友人との出会いを機に、地域に根差す医療の道へ

先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。

角水正道院長 角水医院1

祖父も父も開業医でしたので、周囲からは医師になるものだと思われていました。反発した時期もありましたが、自らの性格を振り返ったとき、人の話を聞いて一緒に解決の道を探っていくことが自分には合っているのではないかと思い、最終的に医師の道を選びました。消化器内科に進んだのは、学生実習で出会った先生に憧れたことがきっかけです。当時の消化器診療は、患者さんの症状を丁寧に聞きながら手探りで治療を組み立てていく分野で、自分の性格にも通じるものがありました。大学院では肝臓がんの研究に取り組み、日本肝臓学会肝臓専門医の資格も取得しました。今はかかりつけ医として幅広く診療していますが、肝臓の相談で来てくださる方がいるとやはりうれしいですね。

こちらのクリニックを継承された経緯をお聞かせください。

父が1967年からこの地で開業しており、病気をしたことから、元気なうちにと私への継承を決めたようです。実は継承前から地域医療への関心がありました。研修医時代に、多職種で連携しながら一人の患者さんをしっかり支えていく地域医療に情熱を持つ友人がいたんです。彼の姿を見て、いつか自分もそういう医療をやりたいと思うようになりました。それまでは病院で肝臓がんの治療を続けたいと考えていましたが、彼との出会いが転機になり、継承の話が来たときも自然に踏み出すことができました。ちょうど介護保険が始まって間もない頃で、在宅医療の仕組みもようやく整い始めた時期でした。手本になる形がまだない分、自分で切り開いていくのだという気持ちで、前のめりに取り組めた時代だったと思います。

来院される患者さんの層や、クリニックの特徴を教えてください。

角水正道院長 角水医院2

患者さんは後期高齢者の方が約3分の1、現役世代の方が約3分の1で、お子さんも来院されます。長く通ってくださっている方がそのまま年齢を重ねている傾向がありますが、最近は健康診査で引っかかったことをきっかけに受診される方も増えてきました。特定の疾患に限定せず、内科全般を幅広く診ています。院内では上部・下部の消化管内視鏡検査や腹部超音波検査、心電図なども実施しており、必要な検査をここで受けていただけます。当院のある向日市はとてもコンパクトな街で、医師同士はもちろん、ケアマネジャーさんや行政の方とも顔の見える関係を築けています。お互いの顔がわかる距離感だからこそ、いざというときの連携もスムーズにいくのだと感じています。

一人ひとりを深く知り、最期まで寄り添う医療を

診療で大切にされていることを教えてください。

角水正道院長 角水医院3

私が大切にしているのは、一人ひとりを深く知り、深く理解することです。患者さんのさまざまな場面での意思決定を医療面から寄り添いサポートするのがかかりつけ医の役割だと考えていますので、その方の人となりや考え方、理解度、背景まで把握するよう心がけています。診察室では、私からどんどんお話しするのではなく、患者さんから話し始められるのをゆっくりお待ちするようにしています。あえて間を置くことでちょっとした変化や不安を拾いたいのです。ご家族にもご本人の様子をお伺いするなど、多角的に情報を集める工夫もしています。プライバシーには配慮しつつ、その方が最善の選択をできるよう情報を丁寧に拾うようにしています。

訪問診療にも力を入れていらっしゃると伺いました。

今特に力を入れているのは、ずっと外来で診てきた方を最期まで見届けたいという思いからの訪問診療です。どういう人なのかを理解しながら最期まで看取ることができるのは、医師としてもぜいたくなことだと感じています。通院が難しくなった方には在宅に切り替え、ご家族と一緒に住み慣れた生活空間の中で過ごしていただけるようサポートします。もちろん、新たにご依頼をいただいた方もお引き受けしています。在宅だけにこだわっているわけではなく、外来であれ訪問であれ、ご縁のあった方と長く深く関わっていきたいというのが根底にある思いです。形にとらわれず、その方にとって一番良い関わり方を一緒に考えていければと思っています。

多職種との連携で工夫されていることはありますか。

角水正道院長 角水医院4

まず心がけているのは、多職種の方々が気軽に声をかけられる環境を作ることです。皆さんに私の連絡先をお伝えしたり、診察中でも時間をつくって直接お会いしたりするようにしています。ケアマネジャーさんや訪問看護師さんにだけ打ち明ける患者さんの本音がありますので、そうした声はできるだけ拾うようにしています。また、介護サービスの担当者会議や退院前カンファレンスなどにもできるだけ足を運んでいます。ご自宅での様子やご家族の本音など、診察室だけでは見えない情報を集められるからです。そこで実際に一緒に仕事をする中でそれぞれの連携施設の強みを知り、信頼関係を広げてこられたことは大きな財産です。

「ここに住んで良かった」と思える医療をめざして

院内の温かな雰囲気が印象的ですが、スタッフの皆さんについてお聞かせください。

角水正道院長 角水医院5

開業以来ほとんどスタッフが変わっておらず、お互いをよく知っているからこそ安心して任せられる関係です。日頃から伝えているのは、患者さんが言い足りないことがなかったか気を配ってほしいということ。帰り際に不安そうな表情をしていたら声をかける、受付の段階でつらそうな方がいたら先にお話を聞いておくなど、患者さんの気持ちを引き出す工夫を共有しています。私一人ではふとした素振りを見逃すこともありますが、スタッフが「あの方、少し不安そうでしたよ」と教えてくれるのでとても助かっています。高齢の方でも測定しやすい身長体重計を導入したのもスタッフの提案でした。それぞれが自分の持ち味を生かして自然体で患者さんに寄り添ってくれている、本当にありがたい存在です。

今後の展望についてお聞かせください。

当院のキャッチフレーズは「ここに住んで良かったと言っていただくために」です。幼い頃からこの街で育ってきましたので、地域への愛着は人一倍強いと思っています。医療の面からこの街を良くしていきたい、住んでいて良かったと感じていただける街にしたいという思いが、私の原動力です。ただ、一人の力でできることには限りがあります。院内のスタッフはもちろん、地域の多職種の皆さんに助けていただきながら、連携を取って取り組んでいきたいと考えています。また、かかりつけ医が外来から在宅まで切れ目なく診ていくスタイルが、もっと地域に広がればとも思っています。長く診てきた医師だからこそ担える役割があると信じていますので、同じ思いを持つ先生方と一緒に、この地域の医療をより良くしていけたらうれしいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

角水正道院長 角水医院6

初めての方でも長く通ってくださっている方でも、しっかりと深く関わっていきたいと思っています。お話をじっくり伺い、ご自身で納得して治療を選んでいただけるよう一緒に考えていく。通院が難しくなったときにはご自宅に伺い、ご家族とともに最期まで責任を持って寄り添っていく。その思いは開業以来ずっと変わりません。内科全般の体調管理から消化器や肝臓についての専門的なご相談、健診で気になることがあったときのフォローアップまで幅広く対応しておりますので、何でもお気軽にご相談ください。この街で皆さんのかかりつけ医として、お一人お一人と末永くお付き合いしていければと考えています。