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辻 光 院長の独自取材記事

辻医院

(京都市伏見区/伏見駅)

最終更新日:2023/02/28

辻光院長 辻医院 main

京都市伏見区、昔ながらの民家が立ち並ぶ住宅街にある「医療法人 辻医院」。院長を務めるのは代々続く庄屋の11代目、医師としては3代目にあたるという辻光(ひかり)先生だ。院内はこれまでの歴史を感じさせる趣があり、患者が撮影した写真や絵画が飾られている。また、車いすも入りやすいバリアフリー設計や待合室の床暖房など患者への配慮もうかがえる。辻院長は循環器内科医師として研鑽を重ね、開業後はその経験を踏まえ「合併症を起こさないための治療」に注力。繰り返し説明を行うことで患者自身の病気への理解や意識を高め、生活習慣の改善などを促している。年齢を感じさせないはつらつとした雰囲気の辻院長に、医師をめざした理由やモットー、また伏見医師会の活動についてもたっぷりと語ってもらった。

(取材日2020年3月30日)

父の背中を追いかけ、小学校4年生で医師を志す

まずは先生のご経歴をお聞かせください。

辻光院長 辻医院1

卒業後は2年間大学の病院で研修医、次の2年間は松下病院の循環器内科に勤務しました。その後また2年間大学に戻ったのち、京都第二赤十字病院で10年勤めました。第二日赤には循環器内科という名前はあったものの、その設備は整っておらず、十分な治療ができない状態でした。そこで当時の部長と二人でいろいろな施設の設備や機械を見学し、それを基に最新の機器を導入してもらい循環器内科をつくっていきました。数多くの病棟のスタッフに向けて、私が心電図の読み方を教えに行くこともありましたよ。そのおかげで、いろいろな科の先生との交流が生まれました。

そこから開業に至った経緯を教えてください。

第二日赤は、やりがいのある病院だったので、まだまだ勤めていたかったのですが、高齢になっていく父親の体調のことなども次第に考えるようになり、最後の親孝行になれば、と継承することにしたのです。戻ってからの最初の2年間は父と一緒に働いていましたが、ぶつかるようなこともなく、スムーズに診療できました。親子で働くと衝突することも多いといわれますが、うちの場合は父が消化器内科、私が循環器内科という専門の違いもありますし、私が帰ってきた時点で父は完全にサポートに回ってくれ、父が私を頼ることも多かったですね。患者さんも父に診てほしい、という人でなければ、9割は私が担当していましたので、開業後も良い環境で診療させていただきました。

医師になられたのはお父さまの影響だったそうですね。

辻光院長 辻医院2

そうですね。小学校4年生のときには医師になりたいと作文に書きました。父は当時尼崎の病院に勤務していたのですが、そこに頻繁に遊びに行っていました。実際に父が病院で働く姿を見て、医師という仕事への憧れを抱いたのがきっかけです。忙しいながらも、私が小さい頃はキャッチボールなどもしてくれていたので、昔から父との仲は良かったですね。

「合併症を起こさない」ための指導や治療に注力

循環器内科を選んだのはなぜですか?

辻光院長 辻医院3

ちょうど高齢化が進み始めた時期で、将来的に循環器内科の患者さんが増えると思ったからです。もう1つはやはり心臓あっての人間ですので、最も医師らしい仕事ができるかなと考えたのです。循環器内科は結果がはっきり見え、勉強すればするだけ手応えが得られる科です。真面目にいろいろなことを経験して、それを患者さんに還元していくことができればという思いでいます。当院に来院される患者さんは基本的には地域の方々ですが、近隣の街から車で来られる方も多いですね。ほとんどは健康診断で血圧が高いと言われた人ですね。あとは不整脈の患者さん、大きな病院で狭心症や心筋梗塞の治療をした後の経過観察なども行っています。

診察時に気をつけていることを教えてください。

治療の際は生活指導や塩分制限、体重を減らすなど簡単なことですが繰り返し言うことを大切にしています。背景にあるのは勤務医時代に入院患者さんへの対応が忙しく、外来の患者さんへのケアが足りていなかったことです。それを反省し、合併症を起こさないように気をつけて診療していくことが循環器内科の開業医として大切だと気づきました。生活習慣病の合併症は治療をすれば予防が望めるので、患者さんに80歳を元気に迎えてもらうことが今の一番の目標です。そのために初診で病気のことを詳しく知ってもらい、受診されるごとにやるべきことを繰り返し刷り込む。そうして自分の病気や医師と付き合っていくことを納得してもらえるよう努力しています。生活習慣病は自覚症状がないことも多いので、早期から治療開始およびその継続への理解を得られるよう、時間をかけてご説明しています。

禁煙指導や睡眠時無呼吸症候群の診療にも注力されているそうですね。

辻光院長 辻医院4

動脈硬化性疾患につながる大きなリスクとして喫煙があるので、いかに禁煙してもらうかは循環器内科医師としての仕事の1つだと思っています。当院では保険適用で禁煙指導を行っています。また、睡眠時無呼吸症候群は動脈硬化を引き起こす原因の1つです。寝ている時に息が苦しくなって目が覚めるのは、ゆっくり寝られていない状態だということ。血圧も上がりやすいですし、場合によっては糖尿病につながる可能性もあります。睡眠時無呼吸症候群の改善が、夜間から早朝の血圧を下げることに役立つケースも多いですよ。当院の患者さんは8割以上が家庭で血圧を測ってくれていますが、血圧を毎日測ることで自分の症状に気づき、私が言わなくても何とかしなくてはと思ってくれており、非常にありがたいですね。

こちらでは小児科の診療も行っているそうですが。

この辺りには徒歩で行けるような範囲に小児科がありません。ですから、車がない人のために小児科診療ができる医師がいないと困るということで、父の代から小児科診療を行っています。循環器内科の医師は丁寧に聴診をする習慣があるので、お子さんでも風邪で薬を出すだけでいいのか、もしくは大きな病院を紹介しなければいけないのかという判断に役立っています。父と同じ思いで、また地域貢献の1つとしてこれからも小児科診療を行っていきたいと思っています。

健康診断を受け、病気を放っておかないことが重要

現在は伏見医師会の活動にも尽力されていらっしゃるのですね。

辻光院長 辻医院5

はい。伏見医師会は京都の地区医師会の中でも規模が大きいので、やることはいっぱいあります。新しいことはあまりできていませんが、先輩の先生方がやってきたことを継続することを大切に取り組んでいます。伏見医師会には地域医療・学術・親睦という3つの柱があります。この3つの柱を守るため、地域医療に目を向け、在宅医療推進などの活動を盛んに行ったり、多くの勉強会を開くなどしたりしています。

お忙しい中でのリフレッシュ方法は何ですか?

私は学生の時に腰を痛めたこともあり、50歳頃から腰痛持ちだったんです。先輩の整形外科医師の先生に定期的に処置をしてもらう必要があるくらいだったのですが、たまたま妻の知り合いのトレーナーの人と出会って筋力トレーニングを始めました。月に2回くらいのマンツーマントレーニングですが、もう6年くらい続いており、頑張っているとだんだん筋肉がつき腰痛は改善しています。もう1つはゴルフです。外に出ることが気分転換にもなります。ゴルフはそんなにうまいわけではないですが、楽しめるスコアでは回れています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

辻光院長 辻医院6

まず大事なことは、健康診断を受けるということです。簡単なものでも構いませんので健康診断を受けることで、生活習慣病があるかないかを見つけることが期待できます。そして見つかったら放っておくのではなく、病院に行っていただきたいですね。病気が見つかるのが怖いという人もいますが、放っておいて何かが起こってしまう、進行してしまうことのほうがずっと怖いことだと思います。自分で判断せず、些細なことでもまず医師に相談していただければと思います。当院では毎日多くの患者さんが相談に来られます。うれしいことではありますが、その反面、待ち時間がかかってしまう時があります。トラブルを防ぐため電話予約などはしておりませんが、お忙しい方のために受付だけ来てくだされば、順番が近くなったときに電話でお呼びできますのでその間、外で用事を済ましていただくことも可能です。何かございましたらご自身のためにもお気軽にご相談ください。

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