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仁木 俊一郎 院長の独自取材記事

仁木医院

(京都市伏見区/龍谷大前深草駅)

最終更新日:2023/12/14

仁木俊一郎院長 仁木医院 main

京阪本線・龍谷大前深草駅から徒歩約6分の場所に位置する、「仁木医院」。現院長の仁木俊一郎先生は、この地で30年以上にわたって診療を続けてきた父から医院を継承した。仁木院長は、長年心筋梗塞や狭心症などの循環器疾患専門の医師として、救急診療に携わってきた、豊富な経験を持つ医師だ。同院では、循環器疾患を軸に、内科全般の悩みに幅広く対応している。仁木院長は、「一瞬の判断が予後を左右する救急診療の現場に身を置いていたからこそ、これからは身近なかかりつけ医として、長く寄り添える存在になりたいと考えるようになった」と語る。穏やかな笑みと優しい語り口には、医療と患者への誠実さがにじみ、気づけば心を開いてしまうはずだ。そんな仁木院長に、継承の経緯や患者への思いなどについて、話を聞いた。

(取材日2023年8月25日)

父から医院を受け継ぎ、地域のかかりつけ医をめざす

初めに、医院を継承された経緯を教えてください。

仁木俊一郎院長 仁木医院1

開業から30年ほどたったタイミングで、父がそろそろ引退を考え始めたことで、継承する運びとなりました。僕は救急診療の現場が好きで、やりがいを感じていたのですが、経験を重ねていくにつれて、少し考え方が変わってきたんです。救急医療だと本当に差し迫った時の対応が終わった後は、患者さんと関われないんですね。緊急時を抜ければ、その後患者さんは外来で診療を続けます。もっと長く患者さんの治療に関わって、人生に寄り添える医師になりたいと自然と考えるようになりました。父がずっと続けてきたように、僕も地域に根差して、困った時に最初に相談できるようなかかりつけ医になりたいと思うようになったものですから、僕にとってもちょうどいいタイミングで継承できたと考えています。

現在の患者層はいかがですか?

やはり、この地域の患者さんで、父の代から通ってくださっている患者さんが中心ですね。僕は継承する6年ほど前から当院でも働いていましたので、患者さんとも顔なじみになっていました。患者さんにとっても、急に新しい医師に変わってしまうのではなく、自然な形で継承できたのではないかと思います。あとは、僕が以前勤めていた病院で診ていた患者さんが、20~30人ほど、通ってきてくださっています。前の病院との位置関係的に、大きな通りや川を挟むことで通いづらいだろうと思っていたものですから、予想していた以上にたくさんの患者さんに引き続き来ていただいて、ありがたい限りです。当院では一般的な内科疾患も診ていますが、事前にしっかり調べて、心臓疾患や高血圧、不整脈の管理といったお悩みをピンポイントで相談したいと来院される方が多い印象を受けています。

先生が医師をめざしたのは、ご家庭の影響が大きかったのでしょうか?

仁木俊一郎院長 仁木医院2

一番影響を受けたのは、祖父ですね。祖父は、休みの日には心電図を30センチほど積み上げて、黙々と所見をつけていたんですね。その様子をよく眺めていて、格好良いなと思ったことが、医師になって心臓を診られる医師になりたいと思った一番大きなきっかけです。

豊富な経験を生かし、幅広い悩みに寄り添う

先生の診療方針について教えてください。

仁木俊一郎院長 仁木医院3

僕の診療方針は、最初に入局した京都大学医学部附属病院で学んだことが根底にあると思います。大学病院はあまり緊急疾患を取らない傾向にありますが、当時の循環器内科は、「困っている人は全員診ましょう」というスタンスだったんです。患者さんを断らないという考えのもとでずっと働いてきましたし、今もその姿勢は変わっていません。ですので、僕の診療方針は、「患者さんにとって最初の窓口として、責任を持って最善の診療へとつなげていく」ことですね。今は開業医ですから、大学病院と同じようには対応できない症状ももちろんあります。そうした患者さんには、近隣の医療センターを紹介するなど、適切な診療先をご紹介しています。救急医療の現場で働いていた経験を生かして、短い時間で適切な道をご案内しますので、最初の相談窓口として、頼りにしていただけるとうれしいです。

循環器専門の医師をかかりつけ医にすると、どんなメリットがあるのでしょうか?

日本人の死因では、がん・心疾患・脳血管疾患の3大疾患が上位を占めており、心疾患や脳血管疾患といった循環器系疾患の発症や進行には高血圧症や生活習慣病が関係しているんです。つまり、誰もがかかるリスクの高い病気に対しての専門知識があるので、患者さんが想定し得なかった小さな異常にも気づき、早期発見・早期治療につなげやすいというのが、循環器専門の医師をかかりつけにするメリットだと思います。当院では広く内科全般を診ていますし、検査するすべての患者さんに聴診を行います。定期的に診ることで、その患者さんの正常時と異常時の判別ができますし、大きな手術に至る前に気づくことにつながるからです。大きな症状に至る前に発見することで、治療の負担も軽くなりますので、予防の観点からも、かかりつけ医を持つことを検討していただきたいと思います。

心臓リハビリテーションにも対応していると伺いました。

仁木俊一郎院長 仁木医院4

当院では、心不全の再発リスクを抑えたい方や、心筋梗塞などの治療後の方を中心に、心臓リハビリテーションを行っています。高齢化が進むにつれて、心不全の患者さんはとても増えていて、この地域も例外ではありません。心不全の方には、血流を良くするために足腰を鍛えて心臓の負担を軽くすることをめざすといったアプローチを行っています。自分の足で歩けるということは、QOLにも直結することですから、リハビリテーションを通して患者さんの生活の質を維持できるよう、働きかけています。ニーズが高い分、現在はリハビリテーションの枠が埋まっているのですが、ゆくゆくはスタッフを増やして、必要としている方に対応できるよう、枠を広げたいと考えています。

患者にとって、頼れる身近な相談窓口でありたい

患者さんと接する時に大切にしていることはありますか?

仁木俊一郎院長 仁木医院5

患者さんと同じ目線に立ち、何を一番求めていらっしゃるのかを知ることを大切にしています。また、症状だけでなく、生活背景に関しても、できる限り目配りをする意識を持っています。人は一人で生きているわけではありませんから、中には家族の介護をしていて、「私がいないと、家族が生活できません」という方もいらっしゃいます。病気には遺伝子的な要因もあるので、その患者さんだけを見るのではなく家族を含めて考えないと、大切なことを見逃してしまいます。だからこそ、さまざまな生活背景がある患者さんに標準的な治療をするのではなく、一人ひとりに合わせた提案をしていきたいです。そのため、時には患者さんとしっかりお話をすることで、ほかの方をお待たせしてしまうこともあり、心苦しく思うこともあります。ただ、家族も含めて患者さんを見ていくという診療ポリシーは大切にしていきたいと思っているので、どうかご理解いただけるとうれしいです。

お父さまの代から働いているスタッフさんも多いのでしょうか?

そうですね。ほとんどは父の代から働いてくれているスタッフです。スタッフは、みんな熱心に働いてくれる人ばかりで、医師としても助けられています。待合室で過ごしている患者さんの様子をよく見てくれていて、時には医師の僕がハッとさせられるような意見も言ってくれるんです。医院の和やかな雰囲気づくりや患者さんへのこまやかな心配りを大切にし、患者さんが来院した際快適に過ごしていただけるようサポートしてくれています。患者さんと親しみを持って接しながら、こまやかに目を配ってくれていて、とてもありがたいです。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

仁木俊一郎院長 仁木医院6

患者さんの多くは、困った時に通える範囲で医院を探されると思います。つらい時にどの病院が良いのかを吟味するのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。当院は、地域の方が最初に頼れる場所でありたいと考えています。最初はちょっとした相談でも構いませんので、お気軽にお越しください。たとえ、検査をして大きな病気ではなかったとしても、不調の原因が何かが明確になったり、病気ではないと診断をしてもらうだけでも、安心して日々の日常を過ごせると思います。一度お越しいただいて、ここなら大丈夫だと思われたら、あなたのかかりつけ医にしていただけたらうれしいです。皆さんにとって、困った時に最初に頼りにしていただけて、長く付き合っていける窓口であれるよう、今後も励んでいきたいと思います。

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