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笠原 勝宏 院長の独自取材記事

小泉医院

(京都市伏見区/伏見桃山駅)

最終更新日:2023/11/28

笠原勝宏院長 小泉医院 main

京阪本線伏見桃山駅より徒歩1分。近鉄京都線、JR線からも徒歩圏内でアクセス良好な「小泉医院」は、1949年に開業してから伏見の地域に根づく歴史ある医院。現在は笠原勝宏院長が、先代院長である母親とともに診療にあたっている。同院は2019年12月に医院を建て替え、新たに消化器内科を標榜して内視鏡検査設備の充実を図った。笠原院長は大学時代に炎症性腸疾患が若い患者に多いことを知り、「何とか力になりたい」という想いで消化器内科に興味を持ったという。「気軽に内視鏡検査を受けてもらいたい」と細径スコープやスコープガイドの導入、前処置室などの検査環境・設備を整え、患者に苦痛や負担の少ない検査を提供している。母親が築いてきた患者に寄り添う丁寧な診療を目標とする笠原院長に、診療や検査についての話を聞いた。

(取材日2020年6月15日)

母が築いてきた医院で地域住民の健康管理に貢献

小泉医院の歴史についてお聞かせください。

笠原勝宏院長 小泉医院1

私の祖父がこの地に医院をつくったのが最初です。祖父は産婦人科の医師だったのですが、早くに亡くなり、一旦診療を休止していました。その後、私の母親が院長となり内科の医院として復活させ、40年近くずっと診療を続けてきてくれました。私はまず、2019年10月に副院長となって診療を開始し、2022年4月、院長に就任させていただきました。今も母親とともに診療にあたり、患者さんのご希望に合わせてどちらかが担当しています。普段母親が診ている患者さんでも胃腸の調子が悪いときには、消化器内科が専門の私の診療を受ける、というように使い分けていただくこともできます。

2019年12月に医院を新しく改装・開設されたのですね。

ええ。私が副院長として着任するのに合わせて、医院をリニューアルしました。私だけでなく、母親と父親と私の妻との、主に4人で設計からすべて相談し、実際に工事に取りかかるまででも1年以上かかりました。こだわりとしては、待合室から季節の変化を感じられるように、もともと庭にあった灯篭を残して、小さな庭を作ってもらいました。あとは、診療に関わることですと、内視鏡検査の前処置室を作りました。患者さんが胃カメラ検査を受けた後に、鎮静剤の点滴の効果がなくなるまで休んでもらう際や、大腸カメラの検査で下剤を飲んでもらう際に使っていただいています。落ち着いた環境でリラックスしながら過ごしてもらえるように、部屋の中に専用のトイレも用意しました。

医院にはどういった患者さんが来られますか?

笠原勝宏院長 小泉医院2

伏見は、港町で京都の町に物を運び込む重要な町だったと聞いています。すぐ近くに大手筋商店街という庶民的な商店街もあって、下町的な人情のある町で、フランクにいろんな話をしてくださるような患者さんが多いですね。定期的に通っていただいている内科の患者さんが大半で、60代以降のご高齢の方が多いですが、便利な場所ですので、若い世代の方もいらっしゃいます。また、私が就任してから消化器内科を標榜し、内視鏡検査をしていることをお知らせしていますので、消化器の不調を訴える患者さんにも来ていただいていますね。

患者への負担が少ない工夫された内視鏡検査

こちらで受けられる検査と治療について教えてください。

笠原勝宏院長 小泉医院3

内視鏡検査については、通常の胃カメラと細いものを用意しています。鼻からの胃カメラにも対応していますし、必要に応じて病理検査やピロリ菌の検査なども行っています。大腸カメラ検査は、いろいろ工夫をしても、どうしてもちょっと苦しい検査になってしまうことが多いので、なるべく患者さんの検査回数を減らせるように、検査の際にポリープが見つかったら、その場でポリープを切除する日帰り大腸ポリープ治療にも対応しています。私の勤務していた病院の一般的な方針に準じて、1センチ程度までのポリープは日帰りで切除し、複数のポリープもできるだけその時に切除できるよう取り組んでいます。

診療の際に先生が心がけていることはありますか?

どうしても今の医療では検査をしないとわからないところもあるので、必要な検査があれば、気軽に素早く、なるべく苦痛を軽減できるように心がけています。消化器ですと内視鏡検査のほかに、エコー検査などもありますので、必要となればすぐに検査をして診断をつけられるように、診察室にエコー機材を置いております。胃カメラや大腸カメラもなるべく患者さんのご都合に合わせて、できるだけ早く対応できるようにしています。内視鏡検査には「苦しい」「大変」といったイメージがあるので、細い内視鏡や鎮静剤を使用して、なるべく楽に受けていただけるような工夫をしています。鎮静剤は胃と大腸、どちらの検査にも対応しています。

検査や診療には、スタッフの方々とのチームワークも大切なポイントとなりそうですね。

笠原勝宏院長 小泉医院4

内視鏡検査をする場合にはどうしても看護師が必要です。専門性の高い技術を持ち、経験も豊富な頼もしい看護師が、私が副院長に着任した時から勤めてくれています。やはり検査に慣れている看護師が対応して患者さんに安心してもらうことや、患者さんが少しでも楽に検査を受けられるように、自然に患者さんの背中をさすってあげられる看護師の存在は重要ですよね。また、看護師だけでなく、受付のスタッフも、同じメンバーで何年も続けてくれていて、本当に頼れるチームで心強い限りです。彼女たちがいなかったら、決して今の小泉医院は成り立たないと思います。

患者の気持ちに寄り添ったコミュニケーションをめざす

先生の診療方針、今後の目標についてお聞かせください。

笠原勝宏院長 小泉医院5

前院長が女性だったというのもあると思うのですが、「話を親身に聞いてもらえる」、「精神的な距離が近くて安心してお話ができる」というイメージの医院として地域に溶け込んできたのではと思います。大規模病院の専門科にいると、どうしても患者さんに「こうしなさい、ああしなさい」という雰囲気になることもあるのですが、患者さんが気軽に相談できて、納得してもらえるコミュニケーションが取れる医院のドクターになることが目標です。消化器以外の分野でも患者さんの力になれるようになりたいと思いますし、一方で、専門性の高い先生にお願いしたほうが良い場合は、素早く適切な医療機関へ紹介できるようにもしていきたいと思います。

診療でコミュニケーションが大事だと思われるようになったきっかけについて教えてください。

勤務医時代に赴任していた病院の地域性が伏見と共通する人情味のある土地が多く、自分が持っている医療の知識を説明するような診療では不十分だと感じる場面が多くありました。本や勉強会で学ぶだけではなく、患者さんの気持ちをくみ取り、その方に合った診療を行うことの重要性を学んだのです。コミュニケーションでいうと、やはり母親のコミュニケーションは絶妙なんですね。丁寧に患者さんの話を聞いて、理解しようとしていますし、患者さんの生活習慣が良くない場合は、時に厳しく「こうしたほうが良い」とお伝えできる関係を確立できているのはすごいなと思います。

読者の方へメッセージをお願いします。

笠原勝宏院長 小泉医院6

消化器内科の医師として常々感じているのは、内視鏡検査という重要な検査が患者さんにとって、できれば受けたくない検査であるということです。「大きな病院まで行かないと受けられない」、「負担が大きいらしい」といったネガティブなイメージが多いため、こういった検査を受けにくい状況を、少しでも改善し、必要なときに気軽に家の近くで受けてもらえるよう啓発していくことも目標の一つです。かかりつけの医院として気軽に来ていただくことはもちろん、内視鏡検査についても気軽に相談していただき、なるべく苦痛や負担の少ない検査を受けてもらえるように努力していきます。何かお聞きになりたいこと、困っていることがあれば、ぜひ相談にいらしてくださいね。

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