患者に合わせて丁寧な調整を行い
使い心地に優れた補聴器を提供
神谷耳鼻咽喉科医院
(京都市右京区/常盤駅)
最終更新日:2025/08/13


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補聴器に対して、どのようなイメージがあるだろうか? 自分が年老いたことを強く実感させられるようで、できれば使いたくないと考えている人もいるだろう。しかし、耳の聞こえづらさは生活の質の低下を招き、さらには認知症のリスクにもつながるため、「聞こえの悪さを我慢したり、放置したりするのはお勧めしません」と、「神谷耳鼻咽喉科医院」の神谷透院長は訴える。同院では、補聴器の使用率を高めるべく、言語聴覚士や提携する専門店に在籍する専門家による、補聴器の相談・調整を受けつけている。充実した設備機器を生かし、一人ひとりの患者に合わせて丁寧な調整を行うのが特徴だ。神谷院長に、補聴器を使用する必要性や同院の補聴器対応の特徴などについて、わかりやすく解説してもらった。
(取材日2025年7月11日)
目次
長いフィッティング期間を用意し、実際の使用感などを確かめながら細かに補聴器を調整する
- Q使用率など、現在の補聴器を巡る現状について教えてください。
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A
▲適切に調整された補聴器の使用が大切
どのような方でも加齢に伴って次第に聴力は低下しますが、聞こえを改善するために、補聴器を役立てることができます。ところが、日本での補聴器の使用率は諸外国と比べてかなり低いのが現状。「年齢のせいだから仕方がない」と諦めている方も少なくありません。低い使用率の大きな原因として、補聴器がきちんと調整されていないことが挙げられます。購入したものの、その方に合わせた調整が不十分なので使いにくく、結局使わなくなってしまうんです。聞こえに問題があると、聴覚を通して脳に刺激が伝わりにくくなり、認知症のリスクが高くなることが明らかになっており、聞こえを改善するためには、適切に調整された補聴器を使うことが大切です。
- Q補聴器を購入するとなると、やはり費用が気になります。
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A
▲患者のニーズに合った補聴器を調整する
耳かけ型といって耳たぶの後ろに引っかけるタイプが基本ですが、最近は耳の中に収まる耳穴型というタイプを選ばれる方が多いです。低価格のものもありますが、イヤホン部分と機械本体がコードでつながる形で、取り回しが不便です。小さいため扱いにくく、紛失する場合もあるので、当院では患者さんのニーズに合わせて選んでいただきます。また、補聴器の購入自体は自費ですが、使用に関わる聴力検査などは保険診療です。私のような補聴器相談の医師が必要と判断した上で専門店で購入した場合、補聴器購入費用が確定申告の際の医療費控除の対象となっています。難聴が高度で身体障害者手帳を取得された方に補聴器が1つ支給される制度もあります。
- Qこちらに相談するメリットを教えてください。
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A
▲医師の診察や検査などを受けて、補聴器の聞こえを確認
補聴器の使用を検討する前に、専門の医師の診察や検査などを受けられることです。また、当院であれば、専用の部屋でスピーカーから音を出し、補聴器を使用した状態で、どの程度の聞こえが得られているかチェックすることもできます。ある程度のスペースや専用の機材が必要なので、一般的な耳鼻科医院でこうした対応ができる所は限られますが、補聴器は患者さんに合わせた丁寧な調整が何より大切です。補聴器の相談に応じるのは言語聴覚士や、提携している補聴器の専門家です。機械を使って聞こえを確認し、一人ひとりの希望に合った補聴器を提案します。場合によっては患者さんの耳型を採り、オーダーメイドの補聴器を作成することもありますよ。
- Q補聴器は3ヵ月間の試用期間があるそうですね。
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A
▲日常生活の中で実際に使って、使用感を確認できる
1、2回の調整で、患者さんのご要望に合った補聴器の設定を見極めることは難しく、どうしても3ヵ月程度の期間が必要なんです。患者さんの聞こえを確認し、その方に適していると考えられる設定の補聴器をお貸しして、日常生活の中で実際に使っていただきます。次の診察の際に、使い心地などを確認した上で、さらに調整を行い、場合によっては異なるタイプの物を再び試していただくのが基本的な流れです。3ヵ月の間に平均で3~5回はこうしたフィッティングを行います。試用期間中も補聴器の専門家の方が良心的な対応をしてくれるので、実際の使用感を確かめたうえで購入することができます。
- Q補聴器はメンテナンスが必要だと聞きました。
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A
▲1年に1回、聴力検査の受診を勧める同院
補聴器はむしろ購入後のほうが大事です。精密機械なので調子が悪くなることもありますし、ご本人の聴力が変化することもあり、その方の聞こえの状態、聞こえに対するニーズに合わせていくことが大切なんです。当院の場合、購入後3ヵ月を目安に使い心地を確認いたします。その後は半年に1回程度、聴力の確認も兼ねての受診をお願いしており、状況によって補聴器の再調整が必要です。また、補聴器をお使いかどうかに関わらず、1年に1回程度は聴力検査の受診をお勧めします。加齢に伴う聞こえの低下は少しずつ進むので、急な対応は必要ありませんが、ご自身の聴力を客観的に理解して、補聴器の使用を検討する機会としてもご活用ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは補聴器/13万円~