まぶたのトラブルは若い人でも
形成外科へ相談して適切な手術を
冨士森形成外科医院
(京都市下京区/京都駅)
最終更新日:2024/09/11


- 保険診療
日々まばたきを繰り返し、眼球を保護するまぶた。薄い皮膚や筋肉、瞼板などが複雑に組み合わさり、開閉を行う。年齢を重ねると、まぶたの筋肉や皮膚が緩み目に覆いかぶさる「眼瞼下垂」が起きやすく、近年では治療を考える人も増えているそう。また、まつげが内向きになって眼球に触れてしまう「逆さまつげ」は、若い人にも多いという。いずれも根本的な治療は手術になるが、視野や症状の改善が重要であることに加え、目元は第一印象を左右する部分なだけに安全性や自然な仕上がりが不可欠で手術をためらうこともありそうだ。ケロイドや傷痕の治療を得意とする「冨士森形成外科医院」では、まぶたの手術でも豊富な診療実績を持つ。そこで冨士森英之院長に、まぶたのトラブルの特徴や治療方法、形成外科で手術を受けるメリットなどを解説してもらった。
(取材日2024年4月23日)
目次
見えにくさや不快感に加え、全身の不調にも影響が。形成外科での手術で症状の改善を図り自然な仕上がりへ
- Qまぶたのトラブルには、どのようなものがありますか。
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A
▲まぶたの手術でも豊富な診療実績を持つ冨士森院長
ご相談が多いのは眼瞼下垂症と逆さまつげです。逆さまつげからお話ししますと、まつげは本来は表向きに生えていますが、逆さまつげでは周囲の脂肪や皮膚によってまつげが内側へ抑え込まれ、眼球に触れて痛みや不快感が生じます。若い方では、生まれつきまぶたの脂肪の袋が膨らんでいるタイプが多いですね。ご高齢になると、目の周囲の組織が弱り、まつげが内側に向いてしまう場合もあります。幼少期から症状が出る方もいますが、まぶた周囲の形状は鼻の骨の成長と連動していますし、子どもの手術は全身麻酔が必要になりがちです。そこで成長を待って改善がなければ、局所麻酔での手術に耐えられる中学生以降に手術を検討することが多いですね。
- Q眼瞼下垂症は、高齢の方に多いのですか。
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A
▲眼瞼下垂症では頭痛や肩凝りなど全身への影響もあるそうだ
眼瞼下垂症には、まぶたを持ち上げる筋肉が弱いタイプと、皮膚が緩んで目にかぶさるタイプの大きく2つあります。筋肉が先天的に弱ければ10代でも発症しますが、主に加齢による筋肉や腱膜の緩みが原因です。ハードコンタクトの長期使用も原因になり得ます。皮膚の緩みは加齢に伴うことが多く、診断基準である視野狭窄は、60代に入ると増えていきます。「見えにくさ」から気がつく方が多いですが、明らかに眼瞼下垂症であってもお困りでない方もいます。眼瞼下垂症があると、無意識のうちにおでこや眉毛の筋肉を使ってまぶたを持ち上げるので、頭痛や肩凝り、おでこのしわ、首の痛みなどに悩むことが多く、全身への影響も見過ごせません。
- Qまぶたの手術について、詳しく教えてください。
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A
▲逆さまつげや眼瞼下垂症の手術は日帰りで対応
上まぶたに逆さまつげがある方は一重であることが圧倒的に多いです。まぶたには本来二重になるはずの境目があり、そこを利用すれば自然な仕上がりが見込めます。ですので上まぶたの逆さまつげや、筋肉が弱いタイプの眼瞼下垂症では、主にそのラインで切開して処置を行います。皮膚がかぶさるタイプの眼瞼下垂症では、眉毛の下の皮膚を切除しますし、下まぶたの逆さまつげでは切開が目立ちにくいラインがあり、一般的にそこを利用することが多いです。当院では症状の改善が目的であればこのような手術を保険診療で実施し、見た目に関して患者さんからより多くのご希望があれば、審美的な面も考慮して自費診療で対応します。
- Q手術は、日常生活にどのように影響するのでしょうか。
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A
▲術後はゆっくりと過ごせるリカバリースペースも用意
眼瞼下垂症も逆さまつげも、手術は日帰りで、1時間から1時間半程度で終わります。その後、個人差はあるものの1ヵ月程度は見た目にわかる腫れや皮下出血斑が生じます。ですから、術後が長期休みになるように調整したり、目元の印象が変わり得るため卒入学のタイミングを希望される方も多いです。術後は軟膏などで傷口が乾燥しないように保護しますが、眼帯などは使いませんので、眼瞼下垂症であれば明らかに見やすくなった状態で帰れるでしょう。ハードコンタクトレンズをお使いであれば、なるべくまぶたを触らないスポイトのような器具を使用したほうがいいでしょう。洗顔や入浴は、過度に濡れたり温まったりしなければ問題ありません。
- Qクリニックを選ぶ際に、気をつけるべきことはありますか。
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A
▲切開の方法や術後ケアなど相談できるクリニック選びが大切
今、眼瞼下垂症や逆さまつげの手術はさまざまなクリニックや診療科で実施されています。ただ目の周囲の組織は非常に薄く、適切で精緻な手術手技が不可欠ですし、傷の回復などに関する豊富な知識や経験も必要で、まぶたの手術は簡単ではありません。形成外科では、機能や症状の回復に向け、切開の位置や方法、組織の剥がし方や縫い方などを逆算して手術を行いますし、痛みへの対策や術後のケアにも精通しています。さらに形成外科ならではの傷痕が目立たない仕上がりをめざした手術や多彩な手術経験は、まぶたの手術でも大きなメリットになります。ぜひ、日本形成外科学会形成外科専門医がいるクリニックで、治療について相談してみてください。
自由診療費用の目安
自由診療とは自由診療の場合:眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法)両側40万円~、眼瞼下垂症手術(眉下皮膚切除手術)両側30万円〜 、眼瞼内反症手術(皮膚切開法)両側15万円~