竹中 信也 院長の独自取材記事
竹中医院
(京都市北区/北大路駅)
最終更新日:2026/06/23
京都市営地下鉄烏丸線「北大路」駅から徒歩15分、府道38号沿いに「竹中医院」はある。オレンジ色のソファーや天井のステンドグラスが彩る明るい院内で迎えてくれたのは、院長の竹中信也先生。消化器内科を軸に糖尿病や循環器まで幅広く診る医師だ。胃内視鏡検査は豊富な検査経験を持ち、苦痛の軽減に努め、東京からわざわざ検査を求めて訪れる患者もいるそうだ。掲げる診療ポリシーは「主治医の責任」。一人ひとりの患者の人生に最期まで寄り添いたいと、訪問診療や看取りにも力を注ぐ。自身もまた、生まれ育った北大路に骨を埋める覚悟で日々の診療にあたる竹中院長に、地域医療への思いを聞いた。
(取材日2026年5月28日)
長年培ってきた地域の総合内科への道
まずは先生が医師をめざされた経緯についてお聞かせください。

当院は祖父が開いた診療所です。私は次男ということもあって、もともと医師になるつもりはなかったんですね。しかし、中学生の頃から言いつけられていた、毎朝7時に医院のシャッターを開ける役目がきっかけで、気持ちが変わりました。シャッターを開けるといつも患者さんがいっぱい待っていらっしゃったんです。その光景を見て「こんなに人から求められる仕事があるのか」と感じて、医学の道に進む決心をしました。東京の大学で学び、京都に戻って府立医大の第一内科に入りました。第一内科は消化器・循環器・神経など幅広い分野を扱う科で、その中から「一番外科に近い」ということがポイントになって消化器内科を専門に選びました。将来の継承を見据えて、消化器だけでなく循環器や糖尿病、整形外科の基礎まで意識的に勉強し、地域のかかりつけ医として幅広く診られるよう研鑽を積んできました。
どのような患者さんがいらっしゃっているのでしょうか?
祖父の代から比べると、だいぶ変わってきていますね。祖父は肩凝りや腰痛で、押すと痛いと感じる部分である、「トリガーポイント」について深く学んできた医師でした。そのため、先代まではトリガーポイント注射という痛みを和らげるための治療を希望される患者さんが中心で、どちらかというと神経内科寄りの診療をしてまいりました。昭和の時代は地域に整形外科が少ないこともあり、和歌山県や滋賀県など、遠方からも患者さんが訪れていたそうです。ただ、時代の変化とともに整形外科が増え、こうした患者さんは徐々に減っていきました。そこで私は「総合内科に転換して、地域密着型の医院にしよう」とかじを切ったのです。
そうした変化を経て、現在はどのような患者さんが通われていますか?

来院される方は年代によって主訴がさまざまです。20代の方は発熱、30〜40代の方は健診で異常を指摘されたことがきっかけで受診される方が多く、50〜60代になると血圧や動悸といった慢性的なお悩みで定期的に通われる方が中心になります。関係性の構築を大切に、お一人お一人の生活背景も踏まえながらお話を伺うよう心がけています。院内はオレンジ色の受付カウンターやソファーで明るい雰囲気にしています。待合室の天井にはステンドグラス、壁には絵画を飾っていますよ。幅広い年齢層の方にリラックスして過ごしていただける空間になっているのではないでしょうか。
「主治医の責任」を胸に、検査から看取りまで寄り添う
特にこだわりを持って取り組まれている分野はありますか?

胃内視鏡検査に関しては、医師になってから数多くの経験を重ねてきました。私の検査でめざしていることを一言で表すなら「楽」であること。患者さんの苦痛をできるだけ少なくすることを何より大切にしています。経口検査と経鼻検査の両方に対応し、経鼻検査では細径のスコープを用いて負担をさらに軽くするよう努めています。技術の秘訣をよく聞かれますが、数を重ねる中で培った感覚によるところが大きく、「師匠が良かったんでしょう」としかお答えできません。ありがたいことに東京から検査を希望して来てくださる方も。大腸内視鏡検査は、今も金曜日に古巣である西陣病院で検査を担当していますので、午前中に当院で胃カメラ、午後に西陣病院と連携して大腸カメラを受けられるよう調整もできます。
患者さんと向き合う上で大切にされていることは何ですか?
診療のポリシーを一言で言うなら「主治医の責任」、これに尽きます。主治医となったからには最期まで責任を持つ。その思いを軸に、ずっと診療を続けてきました。処置だけを担当して、その後の経過は別の医療機関に引き継ぐのも医療の一つの在り方かもしれませんが、私のスタンスは少し違います。最初に診た患者さんの経過を最後まで見届けること、それが自分の仕事だと思っているのです。患者さんへの接し方で心がけているのは「明るくわかりやすく」。専門的な話もできるだけかみ砕いてお伝えしますし、言葉にしないちょっとした気遣いも含めて、一人ひとりの患者さんの立場に立った診療を大切にしています。
訪問診療や在宅ケアにも携わられているそうですね。

訪問診療やお看取りには勤務医時代から携わってきました。その原点は、若い頃、丹後大宮町という地域で診療所長を務めた経験にあります。当時はまだ訪問診療という制度もなく、病院も少ない土地でしたから、多くの方が自宅で最期を迎えられていました。ご家族や近所の方がお茶を飲みながら「頑張ったね」とご遺体に声をかけ、「先生ありがとう」と言ってくださる。その穏やかな光景が、在宅での看取りというものの本質を教えてくれたように思います。現在は特別養護老人ホームでの看取りにも関わっています。私自身、母を自宅で看取った経験がありますが、大変でも「やって良かった」と心から感じました。
早期発見の大切さを伝え、地域とともに歩み続ける
がんや糖尿病の早期発見について、伝えたいことはありますか?

糖尿病にしてもがんにしても、早期発見・早期治療が何より大切です。検査を受けてほしいと、日々の診療の中で繰り返しお伝えしています。会社にお勤めの方は職場の健診がありますが、専業主婦、主夫や自営業の方など、定期的に検査を受ける機会のない方が意外と多いのが現状です。こうした方にこそぜひ検査を受けていただきたい。検査自体にそれほど長い時間はかかりませんし、それだけでその後の経過が大きく変わることもあります。当院では消化器内科と糖尿病の両方を専門的に診られる体制を整え、健診で気になる数値が出た段階でご相談いただければ、スムーズに精密検査や経過観察に進むことができます。
これからの展望と、プライベートについてもお聞かせください。
訪問診療と総合内科を軸に、地域の方を最期まで診られる体制をこれからも続けていきたいと考えています。訪問診療は体力がある限り続けるつもりです。学生時代は体育会のスキー部で回転や滑降といった競技スキーに打ち込んでいましたし、45歳でロードバイクを始めたことをきっかけにキャンプにも目覚めました。そんなわけで、体力には自信があります。今では愛犬のダックスフントを連れてのソロキャンプが休日の楽しみになっています。静かにお酒を飲みながらゆっくり眠るのが何よりの至福ですね。ゴルフやハイキングにも出かけますし、体を動かすことが好きな性分は昔から変わっていません。その体力を診療にも生かし、地域とともに歩み続けたいですね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

「親切丁寧に、責任を持って診させていただきます」。飾らない言葉ですが、ここに私の診療への思いがすべて詰まっています。「主治医の責任」というポリシーのもと、目の前の患者さんに対して最初から最後まで誠実に向き合うことを大切にしてきました。ちょっとした体調の変化から生活習慣病の管理、内視鏡検査、そして在宅療養まで、どの段階においても安心していただけるよう力を尽くします。年齢や症状を問わず幅広く対応できる総合内科ですから、ご自身のことはもちろん、ご家族のことでも気になることがあればいつでもご相談ください。この地域で皆さんの健康を支え続けることが、私の使命であり何よりの喜びです。

