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井上 直己 院長の独自取材記事

井上医院

(京都市北区/北大路駅)

最終更新日:2021/10/12

井上直己院長 井上医院 main

京都市営地下鉄烏丸線の北大路駅から西に1.7kmの住宅街にある「井上医院」。現院長の井上直己(なおみ)先生の曾祖父が北大路新町に開業したのが1927年で、この場所では1965年から診療を行っている4代続く医院として、地域住民の健康を守り続けてきた。勤務医時代から漢方に関心を持ち、治療に取り入れてきた井上院長。西洋薬と漢方薬のバランスを考慮し、丁寧な問いかけで一人ひとりに適した薬を見つけ出していく。薬は原則として院内処方のため、ワンストップで通院が済むのもありがたい。歴史ある街にふさわしい落ち着いた雰囲気の院内と、患者想いで心優しい井上院長に癒やされるクリニックだ。

(取材日2021年5月31日)

内科診療を中心に、希望者には漢方の処方も

診療内容やクリニックの特徴を教えてください。

井上直己院長 井上医院1

当院は内科のクリニックですので、内科一般の診療を行っています。他にもアレルギー性疾患、腰痛や肩こり、ニキビや水虫、帯状疱疹といった皮膚科疾患、婦人科系のご相談など、分野を限定せず幅広い主訴に対応しています。特徴としては、日常診療に漢方治療を積極的に取り入れていることです。勤務医として働いていた頃、外部の講師を招いて漢方の講義が月1回ありました。薬剤師対象の講義だったのですが、興味本位で参加するとさまざまな症例が紹介されていて、関心が高まっていったんです。それから自分でも勉強を始めて、現在に至ります。卒後研修が終了してから数年間消化器内科で働いていて、その間は腹部超音波検査と上部内視鏡の検査を毎日していました。特に腹部超音波検査は検査する者の技量が影響します。今でも小さな病変を見落とさず、早期発見、早期治療につながるよう尽力しています。

漢方を希望されるのは、どのような患者さんが多いですか? また、処方方法についても教えてください。

最も多いのは、生理不順や更年期症候群などでお悩みの20代から50代の女性ですね。次に多いのが、「痩せる漢方薬ありませんか?」です。それ以外は、便秘症・下痢症、花粉症、腰痛や肩こり、こむら返り、不眠症、神経症が多いです。時々、風邪は治ったはずなのに咳だけが止まらないといったご相談もあります。最近、増えてきたのが不眠症です。新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの人がウイルスへの不安、さまざまな規制から多大なストレスを感じるようになりました。さらに在宅ワークによる運動不足や生活リズムの乱れで寝つきづらくなった、という訴えです。当院では院内処方を行っていますので、ほとんどの患者さまには漢方エキス剤を処方していますが、ご希望があれば、院外処方になりますが、煎じ薬を処方することも可能です。

漢方薬は苦くて飲みづらく、作用もマイルドなイメージがあります。

井上直己院長 井上医院2

最近は技術も進歩し、錠剤やカプセルなど飲みやすいものも増えています。また、はちみつやアイスクリームにトッピングして飲みやすくすることもできます。作用に関してもすぐに作用するものや西洋薬より強く作用するものもあります。例えば咳止めの薬です。また、漢方薬を2種類飲んでいて、2つに同じ生薬が入っていると、過剰摂取になってしまうこともあります。西洋薬を複数種類飲んでいる方には、ある程度整理して一部を漢方に置き換えることもご検討いただきたいです。例えば、高血圧の薬は止めることができませんが、漢方薬と降圧薬と胃薬にして、半分ほどの量にすることは可能な場合もあります。調剤薬局さんでも気をつけていただけそうですが、薬を減らす提案は薬剤師からはなかなかできないようです。薬が多くてお困りの方は、ぜひ一度ご相談いただければと思います。

丁寧に話を聞いて把握し、一人ひとりに適した診療を

AGA(男性型脱毛症)にも対応しているそうですね。

井上直己院長 井上医院3

多く相談をいただくのは30代・40代の方ですが、若い方は大学生、今のところ一番高齢なのは50代後半の方ですね。当院ではAGAに対して、内服薬の処方とサプリメントの紹介を行っています。漢方薬を併用することもありますよ。この治療を継続するため、長く通っている方もいらっしゃいます。ただ、薬ばかりに頼らずに、ストレスや食生活、睡眠などを合わせて改善させないと、お薬の効果が出にくいので、その方のライフスタイルに合わせたアドバイスは積極的に行うようにしています。

診察の際に心がけていることを教えてください。

特に初診の際には、患者さんの生活状況やバックグラウンドを気にかけて、よくお話を聞かせていただきます。例えばAGAのご相談なら、食生活が乱れて野菜を食べないとか、仕事でのストレスが多いとか、夜勤がある、帽子をかぶる必要がある職種、などの状況を確認しながら治療法を選択していきます。高血圧と生活習慣病の方なら、通勤するときにどれくらい歩いているか、もしくは車通勤なのかなど、お話を伺っていきます。車通勤と電車通勤は運動量が全然違いますし、車の運転は意外と血圧が上がるので、危険と感じることもあります。とはいえ、あまり立ち入りすぎてもいけません。ご家族やご夫婦の関係がストレス源になっている場合もありますから、お気持ちに配慮して、丁寧にお話を聞いていくように心がけています。

やりがいを感じるのはどんな時ですか。

井上直己院長 井上医院4

例えば、数日続いていた咳が止まった、五十肩の患者さまの腕が上がるようになった、不眠の患者さまが眠れるようになったなど、笑顔で報告してくれたら、私もとてもうれしい気持ちになります。最近はインターネットの情報が増えたことで、漢方に対してもさまざまなイメージを持たれていると思います。またその情報をもとに、ご自身で薬を選ぶ方も増えているでしょう。ただ、診察するとその方の体質には合わないこともありますし、使い続けると症状が悪化することも多々ありますので、早めにご相談いただきたいですね。

地元の京都で四季を楽しみながら診療を続けていきたい

開業のいきさつを教えてください。

井上直己院長 井上医院5

当院の前身は、1927年に曾祖父が北大路新町で開業した診療所ですが、そこは祖父が継ぎ、今は父母の住まいになっています。ここは56年前に父が開業し、2002年に僕が継ぐことになったとき建て替え、バリアフリーの設計にしました。ご高齢の方が玄関でスリッパに履き替えるのは大変ですし、車いすを乗り換えるのはさらに大変です。当院では車いすのまま診察室やトイレまで入っていただけるよう配慮しました。代替わりはしたものの父が院長を務めていた頃からの患者さまもたくさんおられ、時には父の思い出話をしてくださいます。医師の仕事を選んだのは両親の影響が強かったです。出身校は大阪医科大学ですが、地元の京都が好きで離れがたく、研修は京都大学医学部附属病院で始めて、その後京都桂病院、嵯峨野病院、京都大原記念病院で勤務していました。

休日はどのように過ごされていますか。

北大路新町で育って今も徒歩圏に住み、京都の四季を楽しんでいます。通勤のときも、紅葉の季節はお寺の中を歩いてきたり、神社でお餅を買ってきたり、暮らしの中で癒やされています。それから、ジャンルに関わらず音楽全般が好きです。10年くらい前に、河原町三条のバーに飲みに行ったとき店のマスターと気が合って、何時間も音楽談義をした日もありました。診察室にもちょっと良いオーディオを置かせてもらって、有線を引いています。午前中、最後の患者さんと音楽の話になり、昼休み中にここで一緒に聴きながら語り合ったこともあったんですよ。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

井上直己院長 井上医院6

当院は医師1人、受付1人の小さなクリニックです。長年扱い慣れた腹部エコーはありますが、レントゲン、心電図、心臓エコーはなく、肺炎や心疾患の方は重症度の評価ができないため、他の病院や診療所をご紹介することになります。逆に、年1回他院で健診か人間ドックを受けている方が持病の管理をしたい場合や、漢方薬を試してみたい方には向いていると思います。漢方薬で血圧を下げるのは難しいですが、頭痛、肩凝り、耳鳴りなどの随伴症状には漢方薬が有用な場合もあります。花粉症には抗アレルギー剤と漢方薬、更年期症候群にはホルモン剤のパッチやプラセンタの注射と漢方薬など、その方に合わせて西洋薬と漢方薬をバランスを見ながら処方することも可能です。現在の治療に漢方薬を取り入れたい方、西洋医学的な検査では異常はないのに症状がある方、何となく調子が悪い方、何科を受診したらいいのかわからない方も、ご遠慮なくご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

AGA治療薬/1錠180円~(28日分5000円~)

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