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赤塚 元 院長の独自取材記事

赤塚クリニック

(津市/亀山駅)

最終更新日:2024/02/08

赤塚元院長 赤塚クリニック main

JR関西本線の関駅から車で約15分。亀山市にも近い津市北部に位置する「赤塚クリニック」は1983年の開業以来、地域密着のクリニックとして地域医療に貢献してきた。赤塚元(はじめ)院長は、2004年から同院に勤務。2010年に父・赤塚聰先生より院長を引き継いだ。赤塚院長は糖尿病内科を専門とする医師として、患者一人ひとりに合わせた治療を行う一方、生活習慣の改善に向けたイベントも精力的に開催し、患者の意識改革にも取り組む。地域のかかりつけ医として奮闘する赤塚院長にさまざまな話を聞いた。

(取材日2020年4月1日/情報更新日2023年11月27日)

患者との人間関係を大切に、生活背景も意識した診療を

先生は、津市のお生まれなのでしょうか?

赤塚元院長 赤塚クリニック1

いえ、私の生まれは岐阜県関市なんです。子どもの頃は、父が名古屋大学の関連病院を転々としていたので、あちこちへ行きましたよ。芸濃町に来たのは、私が中学1年生の時。父が故郷に戻るかたちで当地に開業したのがきっかけです。といっても、私は名古屋の大学に進学したり岡崎で勤務医をしたりしていたので、結局、三重での生活はあまり長くないのですが(笑)。その後、三重県立総合医療センターや三重大学医学部附属病院で勤務することになって、再び三重に移ってきました。2010年には、当院を引き継ぐかたちで開業したんですが、いろいろな診療に対応できるほうが地域に貢献できると考えて、三重大学医学部附属病院で求められる部分が大きいであろう糖尿病内科に比重を置くことにしたんです。

親子2代で診てこられた患者さんもいらっしゃるのでは?

私が当院に来たのは2004年なので20年近く診ている患者さんもいますし、父が開業した当時から来ている方も確かにいますね。受診される方の4割ぐらいが糖尿病で、あとは高血圧や脂質異常症、骨粗しょう症などの患者さんです。通院が長くなれば人間的な関係も自然と深まるので、個々の背景も理解した上で診療にあたれますね。地域ならではの人間関係や空気は大きい病院にいるとわかりにくいですが、クリニックでは診療に生かしやすいですし、生かすべき。それが患者さんの安心につながるとも思っています。

こちらの糖尿病内科の診療内容を教えてください。

赤塚元院長 赤塚クリニック2

当院では、「患者さんとそのご家族を含めたチーム医療に基づく糖尿病療養指導」に努めてきました。糖尿病の治療には食事療法・運動療法・薬物療法の3つがあり、患者さんの状況に合わせて使い分けています。特に初期の段階の患者さんは生活習慣の改善が重要ですので、食事や運動の指導は欠かせません。そのため栄養士に常勤してもらい、専門的な指導やアドバイスをしてもらっています。また、糖尿病の進行状況によっては、内服薬や注射製剤を利用する薬物療法を取り入れることも大切です。もちろん、必要に応じて地域のクリニックや病院、各種施設の方々とも連携しながら、お一人お一人の状況に合った治療を心がけていますよ。

終わりなき闘いの中にも楽しみや喜びを

診療時、特に心がけていることはありますか。

赤塚元院長 赤塚クリニック3

丁寧な説明ですね。基本的に病状を理解してもらわなければいけませんし、高齢者への説明は難しい場合もあるので、カルテの入力などはスタッフに任せ、私自身は患者さんと向かい合い、なるべく説明に時間を割くようにしています。将来はわかりませんが、糖尿病は治ったかどうか見極める検査もなく、数値が悪くなっていないか一生調べ続けなければいけない病気。さらに先には合併症の可能性もあり、受診を怠ると、合併症が出てから治療が始まることになってしまいます。でも侵された臓器は元に戻りませんから、合併症発症前に治療を始められるよう導かないといけません。長丁場なので、患者さんのモチベーションを支えるためにチャンスがあれば褒めるようにしています。結果はどうあれ頑張っていることを理解してあげれば、治療に前向きになれると思いますからね。

糖尿病の治療において、重視すべき点はどんなことですか?

食生活や運動習慣は人によってさまざまで、ずいぶん差があるということですね。病状も、肥満・痩せ型、インスリンを自分でつくる力の有無で異なってきます。また罹病期間の年数、つまり何歳で発症して何年たっているのかも重要です。長く経過している場合、合併症を発症している可能性もありますし、合併症の有無によって治療方法もかなり変わってきます。そういったことを総合して治療にあたらなければいけないので難しい。個々の患者さんに対する「オーダーメイド」というのでしょうか。個人個人に合わせて治療を行うものなので、あまり型がないところが大変です。それに、患者さんの人生観とも関係してくるんですよ。例えば食事制限をあまり頑張りたくない人もいるわけで、その人にとって何が大切なのか、ちゃんと理解しなければいけない。こちらから型にはめて押しつけてはいけないんです。ですので、一人ひとりの考え方に合わせた治療に努めています。

運動指導では、独自の取り組みもされているそうですね。

赤塚元院長 赤塚クリニック4

はい。ウォーキングの会を年に3回ぐらい主催しています。近隣を4kmほど歩くんですよ。やる気がある人はいくらでも機会があるんですけど、自分で運動機会を設けない人には医師からも働きかけないといけません。患者さんには「来週あるけど参加しませんか?」というように声をかけ、集まってもらっています。1回に50人は参加するでしょうか。最高で70人いらっしゃったこともあるんですよ。患者さんそれぞれペースが違うので引率は大変ですが、リタイアOKにしているので、体力に合わせて行っています。治療に役立てる目的ですが、少し楽しさもあったほうがいいですよね。

糖尿病は身近な問題だという意識を育てる

糖尿病の予防について教えてください。

赤塚元院長 赤塚クリニック5

日頃から運動を心がけ、飲料を含め甘い物の取りすぎに注意してほしいですね。カロリーオーバー、内臓脂肪が多いのも発症の原因になります。ただし、どういう食事が良いのかは、まだ結論が出ていないんですよ。世界的に見れば、日本は炭水化物の摂取量が多いのに長寿ですよね。そう考えると、欧米よりは日本の食生活のほうが、おそらく良いのでは、ということが推測できます。一方、糖質制限で痩せる人もいるわけで、はっきり答えが出せないんです。人間は、何か制限する代わりに他の何かをたくさん食べてしまうことがあるかもしれない。制限を設けても、人によって結果が変わってしまうんです。それも含めて個別の対応が必要なので、糖質を減らしてみたいという人がいれば、まずやってみて、それが適切かどうか後で検証するかたちになります。塩分は控えたほうがいいですけど、ご飯などの炭水化物は、控えても意味のある人・ない人がいますね。

糖尿病の現状をどうご覧になっていますか。

おそらくわれわれが生きている時代に完治できる病気にはならないでしょうが、例えばiPS細胞で膵臓が再生すれば、インスリンを分泌できるようになり、血糖値は上がらなくなるはずですよね。それがいつになるかはわかりませんけれど、研究は進んでいます。iPS細胞は糖尿病治療に有用なのではないかと考えられ、プロジェクトが動いているだけに、成果には期待したいですね。今でも三重大学で年に1~2回の講義を行っていますが、以前に比べて糖尿病内科医師が増えてきて心強いですね。情報交換やネットワークづくりは意識していますが、みんなで助け合っていかないと高齢化の進む社会には対応していけないと考えています。

今後の課題や展望をお聞かせください。

赤塚元院長 赤塚クリニック6

生活習慣の改善という点で、患者さんに学んでいただく工夫は、まだまだやるべきことが多いと感じています。それをスタッフもわかっているので積極的に取り組んでいる状況ですが、集客力のあるイベントをもっと増やしていきたいですね。特に糖尿病予備軍への働きかけは非常に難しいんですよ。社会全体で頻繁に話題にのぼるようになれば変化もあると思うのですが、学校を卒業してしまうと食事や運動について意識する機会が減りますよね。結果、多くの人は健康診断で異常が出るまで関心を持たない。そうであれば、学生時代から意識を高めることがポイントになってきます。まずは学校の先生方にきちんと理解してもらい、指導につなげていただくのが良いでしょうね。子どもの頃の食生活・運動習慣が大事なのは間違いありません。子どもたちの健康意識とともに社会の雰囲気を変えていくことが重要だと思いますね。

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