糖尿病専門のクリニックが行う
糖尿病治療と早期発見のための検査
松本クリニック
(松阪市/松阪駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
日本の豊かさゆえに増え続けているとされる生活習慣病。中でも深刻なのは、日本人の40歳以上の3人に1人は糖尿病ないし糖尿病予備群であるといわれるにもかかわらず、完治させるための治療法がまだ開発されていないことだという。さらに進むであろう高齢化を見据え、生活習慣病治療に注力するのは「松本クリニック」の松本和隆先生。日本糖尿病学会の糖尿病専門医であり、医師と専門スタッフが一丸となって取り組むチーム医療を大切にしている。「毎年のように発売される新薬を常に理解し、患者さんに合わせた選択で治療提案ができるのは専門家がいるクリニックのメリット」だと語る松本先生。糖尿病の早期発見のための検査や予防について、また発症してしまった時の付き合い方などを詳しく教えてもらった。
(取材日2020年2月20日)
目次
患者の生活背景に合わせたオーダーメイドの糖尿病治療に努める。食事や運動指導は専門スタッフがサポート
- Q糖尿病の原因について教えてください。
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A
▲日本人の40歳以上の3人に1人は糖尿病ないし予備軍だという
まず糖尿病の原因として、古くからいわれるのは遺伝ですね。血縁の方に糖尿病の方がいらっしゃると、子に孫にと遺伝するというのは有名な話です。しかしそれよりも、最近増えているのが生活の悪習慣によるもの、つまり生活習慣病です。太ってしまうと、血糖値を下げる働きのあるインスリンというホルモンが十分に効果を発揮しづらくなります。また現代人の多くは、食事のカロリーをかなりの割合で脂肪によって摂取しながらも、それを消費する運動の量が圧倒的に足りていません。それが合わさりますと肥満症となり、糖尿病の大きな原因へとつながっていくんです。
- Q早期に発見するにはどうしたらいいでしょうか?
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A
▲その日のうちに結果がわかる
糖尿病は、軽症の場合ははっきりとした症状が出にくい病気ですから、早期で見つけようと思うと、会社や市町村の健康診断や、当院のようなクリニックで検査を受けていただくしかありません。「身内に糖尿病の人がいる」「体重が増えてきた」など、ほんの少しの心配事でも放って置かず、検査は簡単にできますから一度ご相談ください。まずは血液検査と検尿を行うことで大まかなことはわかりますし、もしも最初の検査で怪しい所見があるという方には「ブドウ糖負荷試験」といって、より詳しく調べるための2次検査があります。このように患者さんによって2段階に分けながら実施し、検査結果を出していきます。
- Q日本糖尿病学会糖尿病専門医に診てもらうメリットは?
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A
▲管理栄養士・理学療法士が食事・運動指導もサポート
糖尿病に限らず生活習慣病関連の薬は、毎年のように新しいものが出ています。そんな薬の情報を把握し、患者さんに合わせて使い分けにも配慮しているというのがメリットではないでしょうか。今やテーラーメイド治療といって、通り一遍でなく個別の生活サイクルに合わせた治療の選択肢が求められています。会社員、自営業、主婦の方など、生活背景はそれぞれ違いますから、患者さんに合わせて薬を選択するのがとても大切なんです。そのあたりのブラッシュアップができているかできていないかが、治療の質に大きな違いを生むのではと感じます。
- Q糖尿病になってしまったらどんなことに気をつけるといいですか?
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A
▲キッチン・トレーニングルームも完備
糖尿病は完治しない病気ですので、長く付き合っていただく他はありません。まずは来院しきちんとチェックを受けていただくこと。あとは専門家のもとで、食事と運動の正しい知識を身につけ実践していただくことです。通院は基本的に月に1回ですが、忙しい方は2ヵ月に1回など、一人ひとりの生活に合わせて計画します。患者さんには、あれもこれも駄目と言うのでなく「旅行など、特別なイベントの際には過度に我慢せず食事を楽しんで、その後には気持ちを切り替えて摂生していきましょう」とお伝えしています。食べ癖をつけずにオンとオフをはっきりさせることが大切。これだけでモチベーションが保ちやすく、随分気持ちが楽になられるようです。
- Q糖尿病教室を定期的に開催されているそうですね。
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A
▲同クリニックに通院したことのない人も参加できる
毎月1回のペースで飽きがこないようバリエーションをつけて、糖尿病教室を開催しています。内容としては、2階に設置されたオープンキッチンで、管理栄養士が食事やおやつをその場で作りながら指導を行います。高校生レストランを開催している高校の先生を招いて調理指導をする回もあるんですよ。調理の経過をお見せすることで、家でのまねがしやすいですし、試食の際には、栄養学的な解説をつけながらカロリーの理解を深めていただきます。また、医師や看護師、薬剤師などそれぞれの分野の専門家からお話をする時間も設けています。一生続く治療ですから、楽しみながら生き生きと取り組んでいただけたらと考えています。