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松本 和隆 先生の独自取材記事

松本クリニック

(松阪市/松阪駅)

最終更新日:2020/04/01

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2016年に新たに糖尿病内科、内分泌内科の診療をスタートした松阪市の「松本クリニック」。もともとこのエリアには、糖尿病内科を専門とするクリニックが少なかったため、開設以来県内外からも多くの患者が足を運んでいるという。地域では“ギターの外観のクリニック”として知られる同院。診療を担当する松本和隆先生は、「人生を楽しむことが、積極的に病と向き合い、より良く生きることにつながる」と話し、プライベートではバンド仲間とライブを行うなど、自らがその見本となるべく体現している。ともすると我慢ばかりを強いられるイメージのある生活習慣病の治療だが、専門家によるきちんとした指導があれば生活を楽しく工夫していくことも可能なのだと言う。そんな松本先生に治療にかける想いを聞いた。
(取材日2020年1月23日)

専門的な指導により患者が人生を謳歌するためサポート

ギターをモチーフにした外観は地域のシンボルマークなのだそうですね。

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高校1年生の時、バンドブームだったのでギターを始め、今でもバンドを組んでライブ活動をしています。ギターは私のストレス解消法なんです。なぜこんな派手な外観にしたのかとよく聞かれるのですが、私が専門としているのは糖尿病内科で、糖尿病は生活習慣病ですから、患者さんには日々の生活で食事や運動をある程度頑張っていただかないといけません。過去に、糖尿病と診断されてから普通に生活することが怖くなってしまい、外食はおろか、豪華な食事が怖くて孫の結婚式にも行けなかったという患者さんがいました。患者さんが我慢ばかりしないといけないのは悲しいですし、私はそういった制限ばかりに意識が向けられがちな治療に異を唱えたいんです。だからこそ自らが人生を謳歌しているツールの一つであるギターをモチーフにしたんです。

先生の治療方針をお教えください。

「積極的に病と向き合って、人生を楽しむことを忘れない」というのが当クリニックの方針です。ですから、私は患者さんに対して、「食べるな」一辺倒の指導をしないようにしています。制限ばかりをすると、患者さんも嫌になってしまい、指導を受けなくなってしまうこともあります。糖尿病は風邪のように治ったら終わりというものではなく、一生お付き合いしていく疾患です。われわれは患者さんの人生を背負っている面があるとさえ思っています。だからこそ、目標は次回も来院してもらうこと。「食べないで」と指導することは簡単なんです。ですが、一人ひとりの患者さんがどうやったら生き生きと人生を過ごせるか、そこを考えることが私たちの仕事なのかなと思っています。

糖尿病専門の先生から治療を受けるメリットは何でしょうか。

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三重県では糖尿病を専門に診る医師の数はまだまだ少ないので、健康診断で引っかかっても、専門外の先生のところに診てもらいに行くことも多く、数値がそれほど悪くなければ「これくらいならまだ大丈夫」とされてしまうこともあります。しかし、たとえ低い数値であっても予防として食事に気を使い、運動する習慣をつけていかなくてはいけないと私は思っています。医療機関で薬は出してもらうけど、その薬が効いているのかさえもわからず、不安に思っていらっしゃる方も多いと聞いています。当院は生活習慣病に合わせた検査機器を置いているので、「こんな検査はやってもらったことなかった」と驚かれる患者さんも多いです。生活習慣病こそ、それを専門にしているドクターの意見を聞くのがいいのではないかと思っています。

専門的な検査や医療スタッフのケアが強み

どのような検査機器を置いていらっしゃるのでしょうか。

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例えば当院では、血糖値、HbA1c、検尿検査の結果をその日のうちに出すようにしています。新型のエコー検査機器もあり、腹部、甲状腺、頸動脈などに詰まりがないかを評価できます。糖尿病で一番怖いのは合併症です。発症しないよう、異常をできるだけ早く見つけて未然に防ぐことが重要です。脳梗塞や心筋梗塞につながることもあるので、今の血管の状態がどうかということは、起こってから診るのではなく、普通に外来に通われている時に調べてあげないと意味がないと考えています。

管理栄養士や理学療法士などの専門スタッフも多く在籍されていますね。

当院には、管理栄養士や理学療法士、またフットケアについて専門的なトレーニングを積んだ看護師もいます。生活習慣病の治療で基本となるのは食事と運動です。運動指導や食事指導を行うことができる部屋もつくっています。キッチンつきの食事指導室もあり、実際に試食をしてもらいながら、指導させてもらうこともあります。生活習慣病は薬だけ飲んでいればいいわけではなく、早い段階から、管理栄養士と理学療法士に介入してもらうことが重要。運動は、マラソンのようにハードなものではないのでご安心ください。例えば台所で洗い物をしている時にかかとを上げ下げするだけの運動もあり、簡単に取り入れやすいものばかりです。運動教室も開催しており、かかと上げ下げ運動をやる前とやった後の血糖値の変化を実際に見てもらって、数値化することにより、よりやる気につなげたりもしています。

キッチンつきのセミナールームもあるんですね。

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月に一度、「糖尿病教室」を開いているのですが、そこでは管理栄養士が監修したメニューの試食を出しています。また三重県立相可高等学校には食物調理科があり、そこの生徒さんに来ていただいて調理してもらうこともあります。本当においしい食事を作ってくれるので助かっています。「糖尿病教室」は患者さんのほか、ご家族、糖尿病に興味のある方など、どなたでも参加できるイベントなので、気になる方はぜひ来ていただければと思います。私の診療目当てでの来院でなくても「ちょっと管理栄養士に食事の話を聞いてみたい」といった理由で来ていただくのでも結構です。自分の体に興味を持ってもらいたいからです。専門クリニックに行くことに構えず、気軽に来ていただければと思っています。

患者の生活に寄り添う糖尿病内科だからこそ身近であれ

先生はなぜ糖尿病を専門にしようと思われたのでしょうか。

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予備軍を含むと、日本人の6人に1人は糖尿病ともいわれており、患者さんの数が圧倒的に多いのですが、しっかり診ることのできる専門の医師はまだ足りていません。特に三重県はその傾向が顕著で、隣の岐阜県と比べても随分少ないようです。糖尿病は適切な食事・運動療法をしないと合併症などに苦しむことになります。失明したり人工透析が必要になったりすると圧倒的にQOLが落ちてしまいます。そういう方を一人でも減らしたいとの思いから糖尿病内科の道を選びました。三重大学大学院で代謝内分泌内科の博士号を取得し、その後、同大学医学部附属病院糖尿病・内分泌内科に勤務し診療経験を積みました。この分野は毎年新薬が出るくらい日進月歩の世界です。専門にしている私自身でも知識をアップデートするのに必死です。新しい治療法が日々生まれていますので、ぜひ専門の医師に相談してもらいたいなと思っています。

クリニックを開業しようと思われたのはなぜでしょうか。

松阪市の人口はおよそ16万人に対して糖尿病内科を標榜しているクリニックが少ないため、健康診断で引っかかって専門家の意見を聞きたくても気軽に相談に行ける場所が少ないのが現状でした。糖尿病の治療は患者さんの日常に寄り添い、長くお付き合いしていくのが基本だと考えています。だったら、近くにこうした専門のクリニックがあれば、来てもらいやすいんじゃないかと考えました。私は今でも毎週火曜は、三重大学医学部附属病院で診療を担当させてもらっているので、必要であれば紹介させていただくこともできます。まずは気軽に当院に来てもらいたいですね。

地域に根づいて、気軽に通える専門クリニックがあるのは心強いですね。

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糖尿病専門の医師だからこそできる指導をもとに、患者さんと一緒に何がその方に合った方法なのかを考えていきたいです。それこそが寄り添いの医療ではないかと思っています。今、当院でも患者会というものが発足していますが、そういった会が各医療機関にはあります。今はバラバラですが、ゆくゆくは市内の施設が手を取り合って糖尿病関連のイベントなど、もっと地域ぐるみで健康に注意していけるような空気をつくることができたらなと考えています。

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