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金丸 恵子 院長の独自取材記事

金丸産婦人科

(津市/津駅)

最終更新日:2020/03/31

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近鉄線、JR紀勢本線の津駅から車で5分ほど行くと、内科、耳鼻科、歯科などのクリニックが入った医療モールがある。「金丸産婦人科」はその1階にあり、ピンク色で統一された院内は、温かみを感じる。10代の月経の悩みから更年期障害まで、女性の体や心の問題に向き合い治療を進める金丸恵子院長は、母であり女性医師ならではの自分の経験を生かして診療を行っている。同院のスタッフ全員が子育て経験者であることも、先輩母としてのアドバイスがもらえ心強い。また、中高生に対する性教育授業をライフワークとし、若い世代の性に対する問題について、30年以上取り組んでいる。患者との会話から、その悩みの本質を見抜くことが大切と話す金丸院長に、力を入れている診療や中高生の性教育など、幅広く話を聞いた。
(取材日2019年8月1日)

女性として母として、患者の悩みに寄り添いたい

医療モール内で開業されていますが、そのメリットを教えてください。

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この医療モール内に、内科、皮膚科、耳鼻科、歯科など多くのクリニックが入っています。モール内で開業した一番のメリットは、エックス線などの機器を個別に持たなくて良いことですね。共同で使えるように契約しているので、クリニック内に造影室などの設備がいらず、機械のメンテナンスや放射線技師を個別で雇う必要がないのはとても助かります。それらを利用し、マンモグラフィの検査も行っています。また、モール内に人間ドックを専門にしているクリニックがあるのですが、そちらの婦人科検査を当院で受けもっています。エックス線室で骨密度も測れるので、更年期以降の骨粗しょう症の患者さんの治療にも力を入れています。

産婦人科の医師になられたきっかけは何ですか?

子どもの頃、喘息で病院ばかり行っていたので、常に医療機関が身近だったのが大きかったと思います。お世話になった医師たちは、いろいろなタイプの方がいらっしゃいました。出会うドクターに影響を受けながら、「私はこんな医師になりたいな」とめざすドクター像ができた気がします。その後いろいろな科で勉強する中で、男性やお子さんは少し苦手だと感じたんですね。一方で、女性の患者さんに対しては、例えばがん末期の患者さんでひどい状態になっていらっしゃる場合でも、まったく躊躇なく診療することができ、この現場なら力を尽くすことができると感じ産婦人科を選びました。私が医師になった頃は、まだ女性医師が少なかった時代ですので、大変なこともありましたが、実母や周りの助けを借りながら、ここまでやってくることができました。

女性医師ならではのメリットをお聞かせください。

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女性の体の悩みは、女性医師の方が話しやすいというのはあるかなと思います。私も2人の子どもの母ですので、人生の先輩としてアドバイスできることもありますね。思春期のお子さんを持つお母さんの診察をしていると、思いがあふれて泣いてしまう方もいらっしゃいます。そんな時には、自分の経験を生かしてお話しするようにしています。例えば、14、5歳のお子さんは多感な時期なので、お母さんも大変だと思うんですね。「でも17歳くらいになると落ち着くから大丈夫。その時、空の巣症候群にならないように、今から楽しみつくっておこうね」と話すとほっとされますね。体だけでなく心の悩みも聞くことが多いです。

10代から自分の体に向き合うことが大切

10代の患者さんはどのような症状で来院されるのでしょうか?

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生理痛とPMSとも呼ばれる月経前症候群が多く、中学生から通っていらっしゃる患者さんもいます。お母さんが当院に通われていて、初めは一緒に来院されるという方も多いですね。10代のお子さんだと、産婦人科の診察に抵抗があるかもしれませんが、性交渉の経験がない患者さんの場合は、おなかの上からのエコーで診察し、いきなり内診するようなことはありませんから安心して来院してください。私のライフワークとして中学・高校で性教育を行っているのですが、その話を聞いて相談に来てくれる患者さんもいます。生理痛は誰にでも多少はありますが、3日目になって痛み止めを飲んでも学校を休むとか保健室で休まなくてはならないような痛みがある人は、子宮内膜症のハイリスクの可能性もあると考えられるので、一度相談してもらった方が良いと思います。

子宮頸がんのワクチンについても、注力されていらっしゃるんですね。

子宮頸がんワクチンは副作用の心配で接種をしていないお子さんもいらっしゃると思いますが、接種することによるメリットを含めて考えると、私は接種をお勧めしたいと思います。予防接種は、接種前にその重要性や必要性をしっかり理解してから受けることが大切なので、できれば産婦人科で説明を聞いてから受けてもらうと良いと思います。よくわからないけど、無料券があるから打つというような受け身ではなく、しっかり話を聞いて、その必要性を理解してから接種してほしいですね。当院でも、初回接種の前には十分な時間を取ってお話をするようにしています。

中学・高校での性教育授業もずっと続けていらっしゃるんですね。

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研修医の時から行っているので30年近くになり、現在は年間20校くらい行っています。性教育も時代とともに変わってきているんですよ。昔は、性病や望まない妊娠などの話が多かったのですが、今はライフプラン教育というか、自分が将来どういうふうに家庭を持ちたいか、その時に支障がないようにするために、今をどう過ごしたら良いかというような話が主体になってきています。将来結婚して子どもを産みたいと考えたら、若い時から自分の体について知っておくことは大切です。「今からできる妊活」と称して、子宮内膜症やピルの話もしています。それから、学生時代にコミュニケーション能力を高めてほしいと思いますね。恋愛も結婚も、相手とのコミュニケーションがスムーズにできないと難しいですよね。スマートフォンばかりに頼らず、相手とも向き合ってほしいですね。

検診受診を、体を見つめ直すきっかけにしてほしい

更年期の患者さんも多いとお聞きしましたが、どのような症状が多いのでしょうか?

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ほてり、のぼせ、抑うつなどの訴えが多いですね。閉経間近の人には、ホルモン療法が有用です。最近は早発閉経といって46、7歳までに月経が終わってしまう人が増えています。今は90歳、100歳まで生きられる時代です。生理が40代前半で終わってしまった人と、50代前半まであった人を比べると10年くらいの差ができてしまいます。閉経が早いと骨粗しょう症や動脈硬化が進みやすく、その後の健康寿命にも影響してくるわけです。今、更年期障害の自覚症状が何もないからといって、そのまま放っておくのはやはり良くないと思います。ホルモン療法は、薬を処方し慣れてくれば通院は3ヵ月に1回です。ですから、それほど負担にもならないと思いますので、該当する方は相談してください。

スタッフさんも、皆さんお母さんなんですね。

現在、常勤・非常勤含め看護師が7名、事務が6名います。当院は若い患者さんがいろいろな悩みをもって来院されることが多いので、同じ年頃のスタッフに悩みを打ち明けるのは抵抗があるのではないかとの考えから、子育て経験者のスタッフを積極的に採用しています。同じ年代のスタッフが多いので、皆和気あいあいと気持ち良く働いてくれています。スタッフのみんなに日頃から話しているのは、「患者さんが何か言いたそうにしているサインを見逃さないように」ということです。病気についてだけでなく、患者さんと話す何気ない会話の中で、患者さんの悩みがわかることもありますし、患者さんから「いろいろ話を聞いてもらえて良かった」という声を聞くとうれしいですね。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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検診をきちんと受けてほしいですね。検診は、毎年しっかり受けている人と、何年もまったく受けていない人と両極端になっていると感じます。人生が長くなった今、健康で長生きするめに、医療機関を上手に利用してください。検診をきっかけにして、いろいろな体の不調に気づくこともありますからね。それから、現在20歳になると、子宮がん検診のクーポンが届くと思うので、若い世代の人もしっかり検診を受けましょう。内診はしたくないという人も、おなかのエコーで、卵巣嚢腫や子宮内膜症が見つかることもあります。それに検診を通して産婦人科の診察券を持つことで、何か困った時に相談しやすくなると思うんですね。ぜひ、前向きに検診を受けてください。

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