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木村 了介 院長の独自取材記事

きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック

(稲沢市/国府宮駅)

最終更新日:2022/08/09

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック main

名鉄名古屋本線国府宮駅から車で7分、向かい側にはショッピングセンターがあり、クリニックの北側には小学校や高齢者向け施設があるなど、町の人々の生活拠点となっているエリアにある「きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック」。内科の医師として、地域の人たちの健康を守ってきた父の後を継ぎ、2018年に木村了介院長が開業した。名古屋市立西部医療センターで内分泌・糖尿病内科部長を務めるなど、内分泌疾患治療のエキスパートとして研鑽を積んだ木村院長。「専門性を高めつつ、ちょっとした体の異変や悩みを気軽に相談できる存在でありたい」と話す。視線を合わせ、言葉を選びながら穏やかに話す木村院長に、町のクリニックとしての役割や展望について話を聞いた。

(取材日2022年7月13日)

患者の人生と向き合うことができる医師をめざして

医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック1

内科の医師だった父や、医師の家系に生まれた母のもとで育ったこともあり、幼い頃から医師という職業を身近に感じていました。総合病院に勤務していた父が、この地に医院を開業したのは私が小学校6年生の時。今のクリニックの横には、父が開いた医院の古い建物がまだ残っています。

内科を選ばれた理由や、内分泌分野に従事する魅力とはなんでしょうか?

内科の道を選んだのは、父の影響もさることながら、自分自身の性格に合っていると感じたことが大きな要因です。内科の診療では、個々の疾患に関する治療にとどまらず、生活習慣や社会的な背景など、患者さんを取り巻くあらゆる要素を検証する必要があります。特に私の専門領域である内分泌や糖尿病の分野は、ホルモン動態をはじめ、潜んでいる症状や小さなサインを拾い上げ、さまざまな方向から総合的に判断しなければいけません。単に病気と向き合うだけでなく、患者さん自身やその方の人生と向き合うという奥深さがやりがいにつながっています。

開院の経緯を教えてください。

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック2

大学卒業後は総合病院や大学病院での勤務、大学院での研究などを経て、名古屋市立西部医療センターへ。内分泌・糖尿病内科部長を務めるなど、専門性の高い診療に携わることに大きなやりがいを感じていましたが、2016年に父が体調を崩し、医院が休業状態に。地域の方々にご迷惑をかけ続けることに苦慮していた父の様子を目の当たりにし、地域医療に捧げてきた父の志を継ぐことを決意しました。

ウェブ問診やAI技術の活用で迅速かつ適切な診療を

コロナ禍での変化や診療に関する工夫についてお聞かせください。

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック3

開業した当初は、父の時代から通ってくださっていた地域の方をはじめ、内分泌や糖尿病、脂質異常といった専門領域に関する診療で訪れる患者さんも多くいらっしゃいました。転機となったのは2020年初め頃から猛威をふるう、新型コロナウイルス感染症の拡大です。開業時にインフルエンザの患者さんを想定して設計していた隔離診療室が、奇しくも発熱時の外来として大いに役立つことに。感染症の疑いのある方の診療、検査、ワクチン接種などの社会的ニーズに応えながら、定期的な診療が必要な方や、慢性疾患の方が通院控えをすることなく、安心して通い続けられるように尽力しました。その一つの工夫が、ウェブ問診システムの活用です。来院前に生活習慣や症状などを患者さんが事前に入力することで、電子カルテにダイレクトに反映される仕組み。受付がスムーズになり、待合の密を避けられるなど、感染対策につながっています。

診療にあたって心がけていることはどのようなことですか?

総合病院や大学病院では、クリニックの紹介などの前提の上に診療することが多く、患者さんの中には「大規模病院にかかる」ということにハードルの高さを感じている方もいらっしゃいました。しかし、糖尿病や内分泌疾患は定期的な診療による経過観察が重要な鍵を握ります。また、内科領域の病気というのは、本人が疾病だと感じていないような些細な変化が大きな疾病のサインであるというケースも少なからずあります。これまでは「時間がたてば治るかな」とか「年を取ったせいかな」とやり過ごしていたような、ちょっとした違和感や異変などの段階でも、気軽に来院して相談していただけるようなクリニックになれるよう、話しやすい雰囲気づくりやコミュニケーションを大切にしています。

検査機器の充実など、院内設備に関して注力しているのはどのような部分ですか?

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック4

迅速かつ適切な検査を治療に生かすため、必要と考えられる検査機器はできる限り取りそろえています。また、検査結果を聞きに後日来院するということが負担になる患者さんも多いと思いますので、糖尿病のヘモグロビンA1c値や甲状腺ホルモン値、甲状腺腫瘍の固さを診断する超音波診断などは検査当日に結果を通知するという配慮も。さらに、2022年からは胸部エックス線の画像診断にAI技術による画像所見の検出システムを導入。私自身による読影に加え、Wチェック機能としてAI技術を活用することで、適切な診断による早期発見につながるよう役立ててます。

情報発信や予防医療の啓発で地域に貢献

掲示物やモニターの映像など情報提供にも力を入れていらっしゃるのですね。

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック5

医療の分野は、技術も情報も日進月歩で更新され、医療制度も目まぐるしく変わります。地域のクリニックとしてできることは、先端医療の世界と町の人々をつなぐ橋渡し役であること。そのために、情報提供なども積極的に行っています。難しいことやおっくうに思われそうなことも、わかりやすくまとめて院内に掲出したり、ホームページに掲載したりと工夫をしています。また待合室のモニターでは、睡眠時無呼吸症候群や栄養管理など、健康に関する親しみやすい情報映像をセレクトして流していますので、知識として無理なく吸収していただいたり、生活の中に取り入れたりしていただけたらうれしいです。別の疾患によって来院された方が院内の情報を目にして関心を抱き、検査を申し込まれるといった流れができるようになるなど、健康に関する意識向上にひと役買っていければと思っています。

地域の方の健康づくりの拠点としての役割も担っているのですね。

開業時から続けている糖尿病教室は、感染症に配慮しながら規模を縮小した形で、診療の待ち時間などに個人向けのスタイルで継続中です。また、健康診断も積極的に受け入れています。健康なうちから、病気にかからないための予防を町の皆さんとともに考えていく。あるいは、わずかな異変や健康に関する悩みの背景にあることをくみ取り、病の芽を小さなうちに摘んでいく。そういう役割こそが、社会や地域の貢献につながっていくのだという思いは、開業時にも増して強くなっています。

今後の展望についてお聞かせください。

木村了介院長 きむら内科 内分泌・糖尿病クリニック6

医療は、一人ひとりに合わせた“オーダーメイドの診療であるべき”というのが私のモットーです。これまで総合病院や先端の医療現場で培った専門性を生かしながら、医療の裾野を広げていく。そして、新型コロナウイルス感染症拡大に象徴されるような想定外の事態にも柔軟に対応する。今後起こり得る新たな状況変化や予期せぬ事態に対しても、臨機応変に対応しながら適切な医療を提供することで、町の方々の健康を守り続けられるクリニックでありたいと考えています。

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