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富野 竜人 院長の独自取材記事

富野内科

(小牧市/牛山駅)

最終更新日:2021/10/12

富野竜人院長 富野内科 main

名鉄小牧線牛山駅から徒歩5分にある「富野内科」。院長を務めるのは、よく笑い明るくユーモアたっぷりの語り口が魅力の富野竜人先生。地域に寄り添う医療を心がける富野院長は、診断・治療を行うだけではなく、介護・福祉の問題も意識し地域全体の健康を考えることが必要であると語る。「町のかかりつけ医」としても、患者のバックグラウンドを把握し将来の生活までも気にかけた診療を行っている。日本内科学会総合内科専門医の資格のほか、小牧市でも少ないという日本リウマチ学会リウマチ専門医でもある富野院長。「町のお医者さん」らしく広い範囲の病気を診療しながら、「身近な健康アドバイザー」として患者のさまざまな疑問にも丁寧に対応し、医療行為だけではなく健康へのアドバイスもできる医師をめざしている。

(取材日2017年9月19日)

介護・福祉の問題を捉え、地域全体の健康を考える

お父さまの診療所は最初から引き継がれる予定だったのですか?

富野竜人院長 富野内科1

はい、子どもの頃から考えていました。父から院を受け継ぐことを意識し、少なくとも医師のキャリアをスタートした頃から今の姿を想像して逆算して人生のプランを立ててきたんです。大学を卒業後、名古屋を中心に働いていたのですが、当院を引き継ぐことを想定し、2015年に父を手伝うためにこの地に戻ってきました。医院を引き継ぐときには、建物が老朽化していたこともあり、自分の好きなレイアウトで好きなように診療ができるようにと、決意表明も兼ねて今の診療所へとリニューアルをしました。意識したことは、雰囲気を自然な感じにすることです。高級感を前面に出したクリニックもありますが、町の診療所としては豪華さは威圧感を出してしまいそうな気がしたんです。重厚さを排除し、気軽に患者さんに来ていただき、居心地良く過ごしてもらいたいです。

どうして医療の道に進まれたのですか?

子どもの頃から父の働く姿を見て、自然と父の職業に興味を持つようになりました。また、自分でいろいろやりたい性格でもあったことから、大きなグループで働くよりも専門職として得意な分野で少人数で働くほうが向いていると思っていました。自分の能力を生かし、自分自身の理想をめざせる仕事が合っていると思っており、父が医師であったことから自分も医師をめざしました。患者さんから信頼していただき、この医者にかかってよかったと思っていただけるとうれしく、お役に立てたかなとやりがいを感じます。

院長になってみて、変化を感じたことはありますか?

富野竜人院長 富野内科2

専門職として自分の仕事に集中していれば良いのではなく、今は人を雇う立場として、従業員のことも考えなくてはならなくなりました。従業員の生活や家族のこと、経営のことなど、考慮する範囲は広がりましたね。初めの頃は大変で、気負いすぎの場面もありましたが、「診療所の経営はマラソンのようなもの」と言われたことがあり、全力疾走するのではなく安定して続けていくことが必要だと学びました。また、地域医療の一員となったことで、介護・福祉の問題が患者さんの健康維持にも大きく影響することを感じています。これは一人で解決できる問題ではないので、地域の医療、介護・福祉に携わる方々、病院・施設とよくコミュニケーションを取り、連携を図ることで地域全体の健康を考えていきたいです。診療所の医師として、「自分に何ができるのか」を模索しているところですね。

「かかりつけ医」としてコミュニケーションを大切に

専門として内科を選ばれたのはどうしてですか?

富野竜人院長 富野内科3

診療所でいろいろな患者さんを診察する上で、基本となるのは内科であると考えたからです。専門を選ぶ上でも、医院を引き継ぐことは意識して選びました。自分自身のめざす医師としての理想像が、「最先端の医療を駆使するスーパードクター」ではなく、「世の中によくある病気や、早く見つけないといけない病気に幅広く対応できる医師」。もちろん内科の中でも自分の専門分野はありましたが、幅広く患者さんを診るように努める姿勢を大切にしてきました。幸いなことに同じ信条を持つ同僚や上司にも複数恵まれ、高いレベルで研鑽できました。それを元に普段の診察にあたっています。

日本リウマチ学会認定のリウマチ専門医資格も持っていらっしゃるんですよね。

はい。専門医の診療は奥が深く、一つの分野を極めていくことで患者さんだけでなく、他の医療従事者の役にも立てるというやりがいがあります。しかし、今の自分には、専門医としての診療に時間を取られ、本来一番やりたい「町のお医者さん」としての診療に十分な時間をとれなくなるのではないかというジレンマもあります。専門医の対応が必要な患者さんのお手伝いはもちろんしたいのですが、どのようにバランスをとっていくかが課題です。実は、リウマチ疾患の多くはよく見られ、継続した治療が必要となることが多いので、「他の慢性疾患と合わせて対応できる身近な医師」としてやっていくことで、キャリアを生かした働き方ができるのではないかと考えています。

診療する上で心がけていらっしゃることはありますか?

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一言で表すのはなかなか難しいですね。患者さんには心から納得して治療を受けていただき、笑顔になってほしいという思いもありますが、時と場合によっては、たとえ患者さんが不機嫌になったとしても、良い結果につながると信じる医療は妥協せずに勧めていきたいと考えています。一般的なサービス業とは異なり、医療では必ずしも患者さんにとって幸せな話や、すぐに具合の良くなる治療が提供できない場合があります。つらい話をしたり、負担の大きい治療を勧めなければいけないようなときには難しさを感じることもあります。やはり、コミュニケーションが大切です。病気や治療のことだけでなく、家族や生活のことなども把握し、より確かな信頼関係を築くことで、本当に不安や心配な事、将来の生活や介護についてもアドバイスができるようになるからです。そこまでできてようやく「地域のかかりつけ医」と言えるのだと考えています。

専門性を持ちながらも幅広い診療とアドバイスを

「幅広く診る」ことを大切にされているそうですが、詳しくお聞かせください。

富野竜人院長 富野内科5

世の中で多くの方が患っている病気で、かつ特殊な治療が必要でない病気であれば、できる限り対応していきたいと考えています。患者さんのために、「どこまで自分がやれるか」ということと、「どこから専門の医師に任せるか」ということを常に考えています。自分の診れる範囲、自分の能力を過信しないように気を付けていますね。それと同時に、その範囲を少しでも広げていきたいです。

「身近な健康アドバイザー」であることも大切にされているそうですね。

些細な疑問でも質問していただける存在であり、それに答えられる医師でありたいと思っています。例えば、「ビタミン剤は飲んだほうがいいのだろうか?」というようなちょっとした疑問ってありますよね。もちろん診断、治療が医師としてメインの仕事ですが、人の体に関するさまざまな質問に答えられるようになりたいと思っています。意外と科学的根拠のある答えがあるものも多くて、調べていてもおもしろいです。また、健康的な生活習慣はとても大事で、薬を飲むことはもちろん大切ですが、適切な運動や食事をすることはもっと大切なんです。具体的にどんな運動や食事が良いのかということを聞いていただき、そういった事柄についても適切にアドバイスできる医師になりたいので、幅広く勉強しています。また、わからないことにはわからないと言い、それでも信頼してもらえるような医師でありたいですね。

最後にメッセージをお願いします。

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何かあったときに相談できる「かかりつけ医」を持ってほしいです。皆さんの普段の健康状態を把握しており、専門の治療が必要なときは適切な医療機関を紹介してくれる存在が皆さんの役に立つはずです。必要に応じて複数の医療機関を受診される方も実際は多いと思いますが、例えば、同じ血液検査を同じ月に何度も受けていたり、違うところで処方された薬同士の飲み合わせで副作用が出たりというケースもあります。かかりつけ医は継続的かつ横断的に診てくれる存在で、コンシェルジュのように必要なときに専門の医師を紹介してくれる役割もあります。もう一つお伝えしたいのが「検診はきちんと受けて、検査にひっかかってしまったらきちんと精密検査を受けましょう」ということ。検査を受けなかったために病気が何年も放置されてしまっていたケースも多々あります。自分の健康には気を付けていただきたいですね。

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