糖尿病の早期発見の重要性と
循環器疾患との関連について
榎本内科
(豊田市/保見駅)
最終更新日:2021/10/12


- 保険診療
自覚症状がなく、罹患していることに気付きにくい糖尿病と、糖尿病をはじめとした生活習慣病との関連が深い循環器疾患。どちらも早期発見・治療が求められる疾患であり、日頃の些細な変化なども、早期発見につながるきっかけとなることも珍しくない。「榎本内科」では、町のかかりつけ医として病気の早期発見・治療をめざすクリニックで、日本循環器学会循環器専門医である榎本一成院長と、日本糖尿病学会糖尿病専門医であり、糖尿病はもちろん甲状腺疾患など内分泌疾患の治療にも深く携わってきた榎本康宏副院長が、双方の専門性を生かしながら、患者の“健康寿命”を支える診療をめざしている。今回の取材では、循環器疾患と糖尿病の関係性から、病気との長い付き合いの中で気をつけるポイントなど、深く話を聞いた。
(取材日2017年7月3日)
目次
循環器疾患と糖尿病、それぞれの専門性を生かし、患者の健康な生活を支える
- Q循環器と糖尿病の専門の医師がいる利点とは何ですか?
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A
▲日本循環器学会循環器専門医の知識と経験をもとに患者に寄り添う
【榎本院長】循環器疾患と糖尿病はどちらも生活習慣が影響する疾患ですので、非常に密接な関係にあります。当院では以前より生活習慣病治療に取り組んでまいりましたが、糖尿病専門医の息子が加わり、より細やかで適切な治療を行えるようになりました。必要な検査や治療を的確に判断し提供できるのは専門の医師ならでは。私も納得させられる面が多くあるのですよ。 【康宏副院長】糖尿病をはじめとした生活習慣病はいわば「血管が悪くなってしまう病気」です。そのため治療では循環器と糖尿病の専門医双方の評価が不可欠。当院では循環器領域における血管の診療と検査を院長が、生活習慣病の管理を僕が担えることもあり、たいへん心強いです。
- Q糖尿病の早期発見のポイントはありますか?
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A
▲定期検診や早期受診の大切さを熱く語る榎本院長
【康宏副院長】症状のないうちに異常を見つける手立てとして、やはり健診を年に1度は受けることがとても大切です。そして少しでも異常があれば医師に相談していただきたいです。いわゆる糖尿病予備軍の状態で生活習慣改善の指導を受けると発症予防効果があったという報告もあるんですよ。 【榎本院長】ご家族や親類に糖尿病を罹患している方がいる場合は、結果が良好であっても注意が必要です。結果を見て、「基準値内だから問題ない」と自己完結してはいけません。たとえ数値が基準値でもリスクがまったくない、ということではないのです。だからこそかかりつけ医と検査結果を共有することは、早期発見の大切な第一歩となります。
- Q貴院で受けられる糖尿病治療について教えてください。
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A
▲インスリン注射の打ち方と、なぜ使用するのかの背景説明も的確
【康宏副院長】一言に糖尿病と言っても、そのタイプはさまざま。だからこそ大切となるのが、病態を正確に把握し評価することです。その病態に一番合った薬は何か、糖尿病合併症は進行していないか、食事は何キロカロリーとればいいのか、運動量はどのくらいが適切か、減量目的はどのくらいかなど、専門的な検査と診療により常に先進的で、患者さんに最適な医療と情報提供をめざしています。血管の状態を見るためにも、頸動脈エコー検査を取り入れています。また投薬だけでなく、インスリンやGLP-1受動体作動薬の注射治療といったより専門性の高い治療にも取り組むことができるのも、当院の特徴の一つと言えます。
- Q病診連携も活用していきたいと康宏副院長はお考えだそうですね。
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A
▲糖尿病患者を救いたいと熱い想いを語る康宏副院長
【康宏副院長】当院での血糖管理に加えて、定期的に総合病院で精密検査を受けてもらうといった流れをつくろうと考えています。総合病院だからこそ受けられるより高度な検査もあります。進行がゆっくりで気づきにくい動脈硬化症疾患は初期段階で見つける事が難しく、やはり総合病院での精密検査が必要です。この連携を活用することで、クリニックでの診療では不足しがちになってしまう部分を高度なレベルで補うことができるようになりますし、またかかりつけ医ならではのきめ細かいフォローをする事ができます。クリニックと病院が協力するチーム医療の形を、ここでつくり上げていきたいです。
- Q病気と長く付き合っていくために気をつけるべきことは何ですか?
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A
▲日本糖尿病学会糖尿病専門医として、患者の気持ちにも寄り添う
【康宏副院長】生活習慣病は“治る”ものではなく、数値を上手にコントロールして“付き合っていく”ものです。良かったり悪かったりの波があるのは、致し方ないことだと考えます。生活習慣病は日々の暮らしが検査結果に直接結びつくもの、と患者さんに理解してもらうことがとても大切です。診療でも、「常に100点を心がけることは難しいですよ」とお伝えしています。どんな優等生も、100点を取り続けることは難しいですよね。自分で合格点を決め、きちんと行動できていれば、時には結果が伴っていなかったとしても、自分自身を褒めていいと私は考えています。それを繰り返しながらできる範囲を広げ、継続していくことが何より大切ですね。