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高阪 崇 院長、高阪 彰 先生の独自取材記事

高阪内科

(瀬戸市/尾張瀬戸駅)

最終更新日:2024/10/23

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科 main

「高阪内科」は、院内外に緑あふれるアットホームなクリニックだ。優しく快活な前院長・高阪彰(こうさか・あきら)先生と、その息子で冷静かつ情熱家の現院長・高阪崇(こうさか・たかし)先生のもとには、日々多くの患者が訪れる。彰先生の長年のモットーは「おごらず、いばらず」。今では崇先生にもその思いが受け継がれ、2人で「患者さんと向き合い丁寧に話をする診療」に努めている。また、循環器内科が専門の崇先生は、厳しい現場に長く身を置き治療に全霊を傾けてきた。地域医療を長年支え続ける同院の理念や特徴について話を聞いた。

(取材日2017年3月11日/情報更新日2024年10月3日)

「おごらず、いばらず」が信条。顔を見て、触れて診察

まず開業経緯やご経歴について教えてください。

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科1

【彰先生】私は造り酒屋の息子で、もともと本が好きな文学青年でしたが、医学部に進み、大学病院で生化学や臨床検査に携わりました。その後、人と接することが好きで1989年に開業。当時は子どもだった患者さんが、今ではご自身のお子さんやお孫さんを連れて来てくださいます。当院は地域の方とともに成長してきたのです。
【崇院長】私は高校生の時は反抗期で(笑)。実は医学部を受験しなかったんですよ。しかし浪人することになった時、父が開業して一生懸命に働く姿を見ているうちに、信頼されるやりがいのある仕事だと思うようになりました。そこで改心して素直に医師になろうと思ったんです。

診療の際に心がけていることを教えてください。

【彰先生】常に思いやりを忘れず、「おごらず、いばらず」をモットーに謙虚な姿勢を大切にしてきました。パソコンの画面を見ながら診察するのではなく、顔を見て、心臓の音を聞いて、体に触れて患者さんを診るのが医師のあるべき姿と考えています。
【崇院長】ご高齢の方も多いので、わかりやすい説明を心がけています。覚えやすいことや、病気の怖いイメージだけが残る方もいるので、難しい内容は「また次回お話ししましょう」と段階を踏んで説明しているんです。また胸の痛みがあれば、カルテにただ「胸痛」と書くのではなく、「ちくちく痛い」「もやっとする」など患者さんの言葉をそのまま記録するようにしています。「昨日は釣りに行った」などプライベートな話も書き留めますよ。こうした情報は診断の助けにもなりますし、スタッフ全員がその方のお人柄を知ることができれば距離も縮まると思うんです。

患者層について教えてください。

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科2

【彰先生】昔も今も0歳から100歳の方まで来られますね。私は代謝や生活習慣病、関節リウマチなどの分析が得意ですので中高年の方も多いです。栄養指導も得意で、保健所や大学で講習をしたことも何度かあります。私自身は登山が好きで日頃から1日1万歩をめざしていますが、患者さんにも同様に適度な運動を勧めています。
【崇院長】やはり生活習慣病の方が圧倒的に多いですね。疾患の低年齢化も気になります。昔は30代で「胸が痛い」と言われても心筋梗塞とは考えられませんでしたが、現代ではあり得ます。中には「背中が痛い」という方が大動脈解離だったケースも。特に仕事がお忙しい方はクリニックから足が遠のきがちなので、気になることがあればお早めにご相談ください。

患者のため、やりがいのある循環器内科の医師に

院長が循環器内科を専門にされたのはなぜですか?

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科3

【崇院長】循環器の病気がある方は、糖尿病や脂質異常症を合併している人が半分以上で、高血圧はほぼ全員です。その状態で心臓が悪いと命に直結します。例えば、重い肺炎の患者さんでも循環器の病気があれば、主治医は循環器の医師です。そういった中で各専門の科の先生と連携しながら全身を診ることにとてもやりがいを感じました。また昔は、夜中に患者さんが救急車で大学病院に運ばれてくると、カテーテルの治療後、急変した場合に備え朝まで泊まり込み、主治医は3日ほど家に帰れないものでした。それでも、当たり前のように笑顔で患者さんに尽くす先輩医師を見てすごいなと思ったのも理由です。

大学病院などで長くカテーテル治療に携わられたそうですね。

【崇院長】はい、今も大学病院と多治見市民病院で外来とカテーテル治療をしています。心停止して心臓マッサージをしながら救急車で運ばれてきた方でも、カテーテル治療で命が助かることも望めるのです。もし、心配されていたご家族に喜んでいただき外来で笑って話せたなら、やりがいを感じます。今後も、治療技術の質の維持に努めたいです。また、教育面でも若い医師に「たとえ寝る時間が少なくなっても、患者さんのために力を尽くすことはやりがいのあることであり大事なことだ」と伝えていきたいですね。

病院での勤務経験は現在の診療にどう生かされていますか?

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科4

【崇院長】患者さんの中にはクリニックに通っていてある日突然、心筋梗塞や脳梗塞を発症し大学病院に運ばれてくる方がいます。逆に大規模病院への通院を嫌い、離れていく患者さんもいるでしょう。私はこうした現実をたくさん見てきましたし先進的な治療も数多く経験しました。一方で、開業医としての指導の難しさと予防の大切さも知っているつもりです。大規模病院の医師と開業医という2つの視点を生かし、患者さんのご性格や背景に合わせて「今の状態が悪くなると将来こういうリスクがある」ときめ細かにお伝えしています。

優しい「遺伝子」を引き継ぐクリニック

開業医の役割として大切なことを教えてください。

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科5

【崇院長】悪くなる前の「予防」に取り組むことです。これには、今の状態が将来どのような影響を及ぼすか患者さんにお話しして実践するしかありません。例えば、コレステロール値が下がってもなかなか実感しにくいですよね。そんな時は「薬を飲むことで20年後、30年後も元気でいることが望めるかもしれない。値が高いとかなりの確率で悪い結果になる」とわかりやすく説明して、ご納得いただくのが一番だと思います。そのためには、まずベースとなる患者さんの状態をしっかり把握しなければなりません。当院では末梢血の血算やCRP、HbA1cはもちろん、LDLコレステロール、腎機能、肝機能、PTINRやNTproBNPまで、30分~1時間以内に数値を出すよう努めています。また、各種エコーによる画像検査など精密な検査から診断が行えるのも当院の強みです。

心不全の患者さんを増やさないための対策もされているとか。

【崇院長】私は、近い将来、高齢の心不全患者さんが急増する「心不全パンデミック」の発生を懸念しています。心不全はステージ1や2の段階で、いかに早期介入するかが重要ですので、生活習慣改善の重要性を啓発したいと考えました。その一環として、当院には慢性心不全の診療に精通した看護師が在籍しています。丁寧なヒアリングで患者さんの情報をうまく引き出し、生活指導や食事指導にも対応可能です。例えば、「こういった食事を取りましょう」とお伝えするだけでなく、「誰が食事を作っているのか」「誰が食材を調達しているのか」といった生活背景まで把握し、一人ひとりに合わせたアドバイスを行います。また、スタッフ同士で情報交換を行い、研鑽を深め、全員が質の高い指導を行えるような環境を整えました。

こちらのクリニックは「優しさ」を大切にされていますね。

高阪崇院長、高阪彰先生 高阪内科6

【崇院長】スタッフは父の代からのベテランが多く、皆さん優秀で、患者さんから「みんな優しいね」と言っていただけるよう努めてきました。昔からそういう雰囲気を大切にしているんですよ。新しいスタッフにもその「遺伝子」を引き継いでほしいですね。
【彰先生】患者さんはもちろん業者の方にも「入った時から雰囲気がいい」と言ってもらえるよう心がけています。受付の応対も気持ちがいいと思いますし、植物や壁にかかっている絵なども雰囲気を和ませてくれるはずです。床がカーペット敷きなのは、私がアメリカ留学中に訪れたクリニックを参考にしました。

今後の展望をお聞かせください。

【崇院長】お一人での通院が難しい方や老老介護の家庭は今後も増えるでしょう。在宅医療も一つの手ですが、他にもクリニックとお家がつながる医療を提供できないか考えています。当院のスタッフは患者さんの家や家族構成をよく知っていて、「仕事帰りに患者さんを送っていきます」とか「調子が悪いそうなので迎えに行きます」と送迎してくれることもあるのですが、それを自然な形でできれば。人のためになることは、いずれは当院のためにもなります。私は「自分が大変でも患者さんが治るなら」という思いでやってきたので、このスピリットを継承していきたいですね。

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