気づきにくい睡眠時無呼吸症候群
少しでも自覚があれば簡易検査を
みずの内科クリニック
(一宮市/布袋駅)
最終更新日:2022/09/06


- 保険診療
睡眠時無呼吸症候群は、夜寝ている間に何度か呼吸が浅くなる、あるいは止まる、いびきをかく、といった自分ではなかなか気づきにくい症状が特徴の一つ。「みずの内科クリニック」では家族に指摘されて来院する人が目立つほか、最近は病気が知られてきたこともあってか、自らそうではないかと疑って受診する人も増えているという。睡眠時無呼吸症候群は日中のひどい眠気や倦怠感につながるだけでなく、体が酸素不足の状態となることから高血圧や動脈硬化の進行、ひいては慢性心不全のリスクも高まるという。「日中の眠さや体のだるさを何となく自覚している人は多いのではないかと思います。2晩の簡易検査で診断がつきますので、早めにご相談いただければ」と水野秀和院長。睡眠時無呼吸症候群の症状や同院での検査・治療について教えてもらった。
(取材日2022年7月29日)
目次
日中の異常な眠気やだるさは放置せず、自宅での2晩の簡易検査で病気かどうかの診断を
- Q睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?
-
A
▲院長が親身になって診療してくれる診察室
睡眠中に呼吸が10秒以上止まってしまう病気で、その状態が一晩に繰り返し起こります。空気の通り道である気道が狭くなる閉塞型というタイプがほとんどで、いびきを伴うことが多いです。夜中に何度も目が覚めてしまい十分な睡眠がとれないため、日中に強い眠気を感じたり体がだるいといった倦怠感があったりします。また、無呼吸になることで血液中の酸素濃度が低い状態になると心臓に負担がかかり、高血圧や動脈硬化の進行、慢性心不全につながるリスクも高まります。気道が狭くなりやすいタイプとしては、喉の周辺に脂肪が多い肥満の方、また顎の骨格が小さくて舌が大きい方などが考えられます。
- Qどのような症状がきっかけで来院する方が多いですか?
-
A
▲家族からの指摘で自覚する人も多いと話す
多いのは、ご家族に「いびきがひどい」「寝ているときに呼吸が止まっているようだ」などと指摘されて来られる方で、当院では40代以降の方が目立ちます。ひと昔前に比べて睡眠時無呼吸症候群という疾患名が知られるようになったせいか、「日中ひどく眠く、体がだるい。睡眠時無呼吸症候群ではないか?」と自分で悩んで受診される方も増えているように感じます。朝どうしても起きられない、日中異常な眠気でつらい、といったことでお悩みの方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかもしれません。
- Qこちらではどのような検査をするのですか?
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A
▲患者に合わせた自宅で行う簡易検査の実施
まず問診で日中の眠気や倦怠感などについてお聞きし、血圧測定や聴診器による診察を行います。外来で可能なのは、自宅で行う簡易検査です。検査機器会社からご自宅に機械が届きますので、それをつけた状態で夜いつもどおりに寝ていただくのです。鼻には気流センサーのついたチューブを、指先には血液中の酸素飽和度を測定する機器を装着します。口と鼻の気流を測定することで、どの程度無呼吸や低呼吸になっているかを調べることができるのです。検査は2晩行います。検査結果は検査機器会社を通して医師に送られるので、呼吸状態や血中酸素濃度を総合的に評価し、診断します。脳波や心電図など精密検査が必要とされる場合は病院に紹介します。
- Q治療の流れを具体的に教えてください。
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A
▲治療の流れについて説明する水野院長
当院で行うのはCPAP療法といって、鼻にマスクを装着し、睡眠中、機械から一定の圧力をかけて気道を広げて空気を送り込むものです。気道が広い状態を確保して呼吸をしやすくするのです。最初はマスクに慣れないかもしれませんが、まず3ヵ月続けていただきます。通院は1ヵ月に1回程度。血圧測定や診察をして経過を観察します。基本的に継続治療となり、旅行にも機械を携帯してもらいます。肥満が原因となっている方は、生活習慣を見直して痩せるというのも、気道を広げて呼吸を楽にする一つの方法です。ただ、ひどい鼻詰まりや、扁桃・アデノイドの肥大が原因で気道が狭くなっている方は、耳鼻咽喉科での診察が必要な場合もあります。