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岩瀬 敬紀 理事長の独自取材記事

岩瀬医院

(岡崎市/岡崎駅)

最終更新日:2023/10/31

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院 main

1832年以来、地域に根差した診療を続ける「岩瀬医院」。初代と2代目は華岡青洲の門下生という歴史あるクリニックだ。2015年のリニューアルに伴い、全面バリアフリー化し、高齢者にも安心して通えるようになっている。循環器内科を専門とする理事長の岩瀬敬紀先生は、息子である院長の岩瀬敬佑先生と二診体制で診療にあたっている。普段の診療においては、患者に理解してもらえるよう、ゆっくりと丁寧に話すことを心がける敬紀理事長。「検査データなどだけに頼るのではなく、患者さんのお顔をよく見たり、家庭環境を知ったりするようにも努めています」と優しく語る。医師会の活動にも熱心に携わり、日々研鑽を怠らない敬紀理事長に、医院の歴史や診療の際の心がけ、今後の展望など幅広く聞いた。

(取材日2018年8月21日/情報更新日2023年10月20日)

開院以来180年以上にわたる地域医療

クリニックの開院は1832年とのことで、なんと180年以上地域に貢献されています。

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院1

祖先の頃から代々岡崎で診療してきました。私が6代目で、一緒に診療している息子の敬佑は7代目にあたります。初代と2代目は、世界初の全身麻酔手術を執刀したことで知られる華岡青洲の門下生で、当時の免状や医学書も残っているんです。私は大学を卒業後、名古屋市立大学第一内科に入局し、内科全般の診療を経験しまして。その後、同大学に第三内科が創設されたのをきっかけに、循環器内科を専門とするようになりました。当時は、動脈硬化の要因となるHDLコレステロールについての研究や、心臓超音波検査、心臓カテーテル治療が始まった時期で、盛んになっていく循環器の医療に私自身も関心を持っていたんです。勤務医として経験を積んだ後、1985年から当院での診療を始め、現在は息子と二診体制で診療しています。

2015年には医院をリニューアルされたとお聞きしました。

敷地内で新築移転したので、随分雰囲気も変わりましたね。こだわったのは、バリアフリー設計にしたことでしょうか。以前の建物では玄関にも段差がありまして、ご年配の患者さんが多く、早く段差をなくして差し上げたいと思っていたんです。また、待ち時間が少なくて済むよう二診体制にしました。1人で診ていると、症状が重い方が来られた場合などに検査で時間がかかり、診療が滞ってしまうこともあるからです。以前に比べてスムーズに診療できるようになり、患者さんをお待たせする時間も短くすることができました。さらに、車で来院される患者さんが増えてきたことに伴い、駐車場も広くしました。皆さん、「車が入れやすい」と喜んでくださっています。

どのような患者さんが来院されていますか?

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院2

この辺りは一戸建てで、昔から長くお住まいの方が多いように感じますね。ご家族で何世代にもわたって通ってくださる患者さんもいらっしゃいます。祖父によると、まだ健康保険制度がなかった時代には農作物などを診療費の代わりに持ってこられる患者さんもいたそうです。年齢層としては、内科を標榜していることもあり、ご年配の患者さんが多くいらっしゃっています。100歳を超える患者さんも来られますよ。小児の場合、幼稚園に入る前ぐらいのお子さんが多いでしょうか。風邪をひいた、熱が出たなどの症状で来られます。ワクチンも公費のものが多くなったため、予防接種を受けに来られる患者さんも多いですね。当院での対応が難しい症例の場合、専門の医療機関を紹介するようにしています。

ゆっくりと話し、患者一人ひとりに向き合うよう努める

では、診療の際はどのようなことを心がけておられますか?

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院3

ゆっくりと丁寧に話すように心がけています。たとえ患者さんがうなずいておられても、よく確認してみると理解してもらえていないということもありますから。また、検査データなどだけに頼るのではなく、患者さんのお顔をよく見たり、家庭環境を知ったりするようにも努めています。私が医師になった頃は、「視診・触診・聴診を大切にするように」とよく言われたものです。インフルエンザの流行シーズンなどは、高熱のある患者さんに隔離室へ入ってもらうようにするなどの対策も講じています。また、当院では子どもたちが退屈せずに済むよう、テレビなどを置いたキッズルームも設けています。子ども連れの親御さんたちも気軽に来院していただければと思います。

そのような内装面以外の診療設備も充実しています。

基本的な血液検査は当院で行うことができます。血糖値やヘモグロビンA1cを測定する機器を導入していますし、貧血や炎症の有無などを調べることもできるんです。また、私が循環器内科を専門にしていることから、心臓超音波や心電図、レントゲンなども備えています。さらに詳しい血液検査や胃・大腸内視鏡検査、CT・MRI検査などが必要な場合、岡崎市医師会が運営する公衆衛生センターに「依頼検査」という形でお願いするようにしています。検体は医師会が回収してくれますし、診断をつけて返してもらえるんです。適切な診断を下せるので助かっています。私自身医師会の活動に長年関わってきましたが、岡崎市は開業医と医師会と岡崎市民病院の三者の連携がしっかりとれている地域だと感じています。

その医師会での活動について教えていただけますか?

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院4

院長に就任して以来、理事長に就任した今も、35年以上にわたって医師会の活動に携わっています。活動を通して、さまざまな先生たちと知り合うことができました。昼休みに名古屋まで出向くなど大変な面もあります。最近ではテレビ会議システムが導入されたおかげで随分負担も減りました。システムを通してほかの先生たちの講演会をお聞きすることもできますし、医師同士の情報交換を行うこともできるんです。また、岡崎市医師会の中には内科医会という組織があり、毎月1回はスペシャリストをお招きして専門分野に関する講演会を開催しています。循環器内科の医師として、新たな知識や技術を学び続けるよう努めているんです。

地域のかかりつけ医として安心して頼ってもらいたい

長年のご診療の中で印象的な出来事はありますか?

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院5

25年ぐらい前のことですが、当院に救急車が慌てて駆け込んできたことがありました。何事かと思ったら、「産婦人科に行く途中だけど、急に産気づいた」とのことで、もう頭が出てきているような状態だったんです。あの時は、本当に驚きました。また、当院は循環器が専門ですので、不整脈がひどくなってここへ駆け込み、一度心停止状態にまで陥る方もいらっしゃいます。そういった場合は、蘇生処置を施して、大きな医療機関に搬送をします。

やはりかかりつけ医を持つことは大切ですね。その点のご展望はいかがでしょうか。

ご年配の方が介護保険のサービスを利用できるようお手伝いさせていただいています。以前は地域の老人会で講演したりもしていました。現在、私と父の出身校でもある近隣の小学校の学校医も務めています。また、地域のかかりつけ医として、専門の循環器内科だけでなく胃腸内科も掲げ、幅広い診療を心がけています。息子は現在一緒に診療していますが、岡崎市民病院で研修医を指導していた経験もあり、今も週に1回は病院でも指導をしています。今後はより一層、こちらでの診療で知識や経験を生かしてくれると思います。

経験豊富な先生方の存在は頼もしいです。では最後に読者に向けたメッセージをお願いします。

岩瀬敬紀理事長 岩瀬医院6

症状があまりないと、「このぐらいなら大丈夫」と考えて治療を中断される方もいらっしゃいます。健康診断で、肥満や血糖値・コレステロール値が高いといった、いわゆる生活習慣病予備軍のような状態の方が増加しております。最初のうちは自覚症状をあまり感じない場合がほとんどです。医師に相談せずに自己判断で治療を中断したりすると、知らないうちに状態が悪化し、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な疾患を発症しかねません。また治療の途中で病院を変えたりすると、もう一度検査をやり直さなくてはならなくなります。もしほかの医療機関にかかりたいのであれば、まずはかかりつけの先生に相談されるといいのではないでしょうか。近年、検査・治療技術も進歩していますので、安心して私たちに治療を任せていただければ幸いです。

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