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塩之谷 香 院長の独自取材記事

塩之谷整形外科

(豊橋市/向ヶ丘駅)

最終更新日:2024/06/04

塩之谷香院長 塩之谷整形外科 main

先代院長である塩之谷昌先生が1972年に開業した「塩之谷整形外科」は、医師、スタッフともベテランぞろいで和やかな雰囲気。昌先生の娘である塩之谷香院長は、整形外科の治療に幅広く対応するだけでなく、足と爪の専門治療も得意としている。ドイツの靴文化に倣った「足と靴」の研究会を立ち上げ、共同代表兼常任講師も務める。同院には、この地域でも数が少ない「足と靴」に特化した外来があり、靴の選び方や外反母趾や巻き爪・陥入爪など足の外科疾患の診療に力を入れている。長年の痛みや苦しみに耐えてきた患者に寄り添う同院。「患者さんが前向きになれるような助けがしたい」と笑顔で語る塩之谷院長に幅広く話を聞いた。

(取材日2024年4月2日)

院内を一新しプライバシーを守りながら待ち時間を短縮

こちらは半世紀以上続く、歴史ある医院だそうですね。

塩之谷香院長 塩之谷整形外科1

当院は前院長である私の父、塩之谷昌が1972年に開業しました。当時、東三河地区では整形外科のクリニックは少なく父は「私がやらなければ」という使命感を持って始めたようです。渥美半島は農業従事者が多く、手をよく使うため、手根管症候群を発症する中高年女性が多いことに気づいた父は、その研究と治療をライフワークとしていました。手根管症候群は痛みやしびれを伴うものの、今も見落とされやすい病気とされています。患者さんの訴えをじっくりと聞くことを大事にしていた父の姿勢を、私も引き継いでいきたいと思っています。

最近、院内をリニューアルされたそうですが、どんなところにこだわったのでしょうか?

時代遅れな建物になっていたので、患者さんのプライバシーに配慮することと、待合時間を短縮することを考えました。遠くから来てくれる患者さんも多く、待合スペースに座りきれずに立って待っている方もいたので、思い切って待合スペースを拡張しました。以前は診療する机の周りにベッドが3つあり、すべて見渡せるようなレイアウトになっていましたが、患者さんのプライバシーに配慮した診療室を3つと巻き爪などの処置コーナーをつくりました。整形外科では着替えが必要な場合も多く、一人の患者さんに時間がかかってしまいます。それぞれの診察室を私が回ることで待ち時間も短縮でき、患者さんの準備ができた診察室に私が次々と移動して診ていけるようにしました。

塩之谷院長は、足の外科がご専門と伺いました。

塩之谷香院長 塩之谷整形外科2

実は私は大学では手の外科を専門に学び、学位も内視鏡を利用した手関節治療の研究で取りました。しかし手の外科に比べ足の外科を専門とする医師が少なく、当時の上司の「足をやりなさい」という勧めもあって、足と靴についての研鑽を深めることを決めたのです。大学には足の外科が専門の先生はおらず、手の外科も足の外科も取り組む私は異例中の異例の存在でした。周りからは驚かれましたが、手の外科で身につけた知識や技術と、背中を押してくれた恩師の存在が医師としての私の人生を変えてくれたと感じています。現在も足の外科について研鑽を積むために定期的にドイツへ行っています。足にトラブルを抱える人に対しての治療はさまざまありますが、実は靴が重要なポイントです。靴選びや歩き方を変えることが足のトラブルの改善につながる可能性があることはあまり知られていません。私は靴が持つ力を皆さんにもっと知ってほしいと思っています。

靴選びのポイントを専門的見地からアドバイス

足の外来には、どのような患者さんが来られていますか?

塩之谷香院長 塩之谷整形外科3

巻き爪や陥入爪、外反母趾などの方が多いです。インターネットやクチコミで愛知県以外からも来られていますし、近所の方や親戚から当院のことを聞いたという方も多いですよ。スポーツをする中高生など若い世代の方から高齢の方まで年齢層はさまざまですが、陥入爪は比較的若い男性が、巻き爪は中高年の女性が多いでしょうか。症状や患者さんのご希望を踏まえ、巻いている爪は超弾性ワイヤーを用いて治療し、陥入爪はさまざまな方法を用いて炎症の沈静化をめざしています。重症な外反母趾や強剛母趾、末節骨の変形による爪変形などは手術も行っています。

「靴」に特化した外来も開設されていますね。

足の痛みを訴えて来院する方が多いのですが、原因の多くは靴の選び方と履き方にあると思います。院内をリニューアルしたときに土足に変更したため、患者さんの靴の履き方と擦り減り方がよく見え「ここに問題がある」とわかりやすくなりました。子どもが足の痛みを訴えて医療機関を受診しても「成長痛なので問題ない」「様子を見ましょう」などと言われてそのままになっているケースも多々あるのではないかと危惧しています。足の症状の改善をめざすには、まず適切な靴選びがとても重要です。適切な靴に替えることで症状の緩和をめざしており、靴店と義肢装具士の協力のもとインソールの処方もしています。当院では医師もスタッフも足に合う靴を履いているんですよ。自分たちが靴の大切さを実感し、それを患者さんに伝えていきたいです。

靴の選び方などについて、ほかに読者に伝えたいことはありますか?

塩之谷香院長 塩之谷整形外科4

お子さんの成長を考えて大きめの靴を購入される親御さんもいらっしゃいますが、足の健康を考えると、サイズの合った物を選んでいただきたいですね。学校や会社で指定された靴を履くべきという風潮も改善されるといいなと思います。これからも臨床に従事する医師として、足や靴選びに関して一般の方や医療関係者向けに勉強会を開くなど、適切な知識を発信していきたいです。足と靴に関する著書もありますので、ご興味のある方はお声がけください。また、非常勤で勤務する2人の医師も足や歩き方に関する知識が豊富です。月曜には、形成外科の医師で足や歩行をトータルに診ることができる吉原正宣先生が、木曜はバレリーナやダンサーの足のトラブルを得意とする菱田愛加先生が診療を行います。それぞれの強みを生かしてカバーし合えたらと思っています。

アットホームで相談しやすい医院として患者を支える

さまざまな取り組みから熱意が伝わってきます。心に残るエピソードなどありますか?

塩之谷香院長 塩之谷整形外科5

靴店でのある出来事が、私が足と靴の分野に向かうきっかけになりました。たまたまあるお子さんの靴選びに居合わせたんです。店員さんが選んだ靴を履いたお子さんが、にこにこと手を振ってお母さんのもとへと歩き出して。聞けばそのお子さんは、一人では十分に歩くことができず学校にも通えていなかったそうで、初めて自分の足に合った靴を履いて歩くことができたことが本当にうれしいといった様子でした。靴を手放さないくらいの喜びようで、お母さんや靴店の方もとても驚かれていましたね。私も、靴の持つ力を目の当たりにし、靴選びの重要性を感じるとともに、靴のことをもっと学びたいという決意につながりました。今振り返っても、あの時目にした光景が、医師として自分の使命がはっきりとわかった瞬間だったと思います。

医院を支えるスタッフの方々についても教えてください。

看護師、リハビリテーション部門スタッフ、診療放射線技師、事務が在籍しています。長年勤務してくれているスタッフも多く、まさに当院の歴史を支えてくれる存在ですね。勤務年数の長さはスタッフ一人ひとりの努力を表していると思いますし、スタッフが変わらないというのは患者さんの安心にもつながります。スタッフはみんな、受付から診療、リハビリテーション、会計まで親切でスムーズに対応できるよう動いてくれていますね。リハビリテーションスタッフの中には、年齢を重ねることによって運動機能が低下するロコモティブ症候群を研究し、勉強会で発表した者もおり、高齢の方が増えてくる現状にあって頼もしく思っています。最近では、各部署の代表者で会議をして、ボトムアップ方式でいろんなことを決めています。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

塩之谷香院長 塩之谷整形外科6

来年、新しく常勤で来てくれる先生が小児専門の整形外科の医師で、靴のことも勉強したいと言ってくれているので、その先生とともに子どもをトータルで診ていく医院をめざしたいですね。脳性麻痺や肢体不自由のお子さんのリハビリテーションに何十年と関わってきた理学療法士がいるので、良いかたちにしていきたいです。読者の方へ伝えたいことは、これからも身近な医院として足や爪のことで困っている患者さんのいつでも相談できる場所でありたいということでしょうか。私は常に患者さんの助けになりたいと思っています。もし取り除くのが難しい痛みやしびれがある場合でも、気持ちを切り替えてうまく付き合っていく方法を一緒に考えていきましょう。

自由診療費用の目安

自由診療とは

巻き爪のワイヤー治療/1本4400円

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