母親と赤ちゃんの絆を育む
ソフロロジー式和痛分娩
小石マタニティクリニック
(豊橋市/豊橋駅)
最終更新日:2025/08/04


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妊娠や出産に関する情報があふれる現代だからこそ、ネガティブな情報にふれ、不安を抱える妊婦は少なくないだろう。「小石マタニティクリニック」の小石麻子理事長は「出産は本来なら非常に幸せなこと。それを心から実感してほしいと思っています」と語り、「ソフロロジー式和痛分娩」を取り入れている。出産を穏やかな気持ちで迎えるために、妊娠時からさまざまな取り組みをしているという同院。また、育児を社会全体で支えたいという強い思いで、産後のケアにも力を入れている。妊産婦の心身をサポートする同院の取り組みについて詳しく聞いた。
(取材日2025年5月13日)
目次
親子の絆を育むため、妊娠中から出産後まで手厚くサポート
- Qソフロロジー式和痛分娩とはどのような分娩方法なのでしょうか?
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A
▲出産や育児で悩みのある人は気軽に相談してほしいという
妊娠した時からお母さんと赤ちゃんの絆を育み、穏やかな気持ちで出産に臨むことを目的とした分娩法です。単に陣痛の痛みを軽減するのではなく、「赤ちゃんに会える喜び」として陣痛を前向きに捉える点がこの分娩法の特徴。呼吸法や音楽で不安や緊張を和らげることで、痛みの軽減を図っていきます。陣痛発作時には、おなかの赤ちゃんの全身にストレスがかかっています。それは陣痛が起こると子宮や胎盤の血流が減少し、一時的に酸素が行き届きにくくなるからです。ソフロロジー式和痛分娩では、適切な呼吸法で子宮に酸素を送り込むことで、お母さんにはうとうと眠ってしまうほどリラックスしてもらい、赤ちゃんにとっても優しい分娩をめざします。
- Qソフロロジー式和痛分娩がもたらすメリットを教えてください。
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A
▲リラックスして過ごせるようエステも提供している
最大のメリットは、出産が「痛みに耐えるもの」ではなく、「喜びと感動に満ちた体験」へと変わる点です。陣痛というのは、まず赤ちゃんの脳が発するホルモンの合図で始まります。それに応えて母体からオキシトシンというホルモンが分泌され、子宮が収縮します。さらに、陣痛を乗り越える過程で、鎮痛効果や多幸感をもたらす作用があるエンドルフィンが脳内から分泌されます。呼吸法や音楽などを用いてリラックスした状態で出産に臨むことでエンドルフィンの分泌を促し、ストレスの少ない分娩へと導きます。薬剤を使用しないので、オキシトシンとエンドルフィンの作用が阻害されることなく、合併症のリスク低減や産後の回復促進も期待できます。
- Qソフロロジー式和痛分娩を実現するための取り組みは?
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A
▲さまざまな教室を開催し、健康で楽しめる妊婦生活を支える
当院では、ソフロロジー式和痛分娩の準備として、ハッピーママ教室を開催し、自律訓練法や呼吸法、音楽を用いたリラックス方法を妊娠中から学んでいただいています。そのほか、マタニティーヨガやコンサートなども開催し、母子の健やかな成長を見守っています。また、腰痛等の体の変化に対するサポートにも注力しています。妊娠中の腰痛や産後ケアでは、理学療法士が一人ひとりに寄り添い、リハビリテーションを提供。分娩室には癒やしの音楽や落ち着いた照明を導入し、母子ともに安心できる環境を整備しました。陣痛時にはブルー系の照明でリラックスを促し、誕生後にはピンクの照明で温かさを演出するなど、細部まで心地良さに配慮しています。
- Qそのほか、妊娠中のサポート体制について教えてください。
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A
▲出産において、多方面からサポートしている同院
当院では豊橋市民病院と協力しながら、出生前の検査とカウンセリングの体制を整えています。赤ちゃんの健康状態への不安から詳しい検査などを受けたほうがいいのかと迷われる方が増えていますが、注意点を含めてカウンセリングを丁寧に行っています。少子化が進む現代において、本来幸せで喜ばしい出来事である出産の幸せを育児につなげていくことが、親子の将来にとって大切です。皆さまが安心して出産を迎えていただけるよう、さまざまな面からサポートを行っています。
- Q産後ケアにも力を入れていると伺いました。
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A
▲心のこもった温かい医院でありたいと話す小石理事長
当院では、産後の育児支援にも注力しており、2024年8月に産後ケアセンターを開設しました。喜びに満ちた分娩ができれば育児を前向きに捉えることにつながります。しかし、3時間おきの授乳が必要な育児は心身ともに大変なもの。核家族化によって頼れる人が近くにおらず、育児に不安や孤独を感じる親が増えている現状を踏まえ、「地域全体で育児を支える」という意識を持ってサポートしています。安心して育児に取り組める社会にしたいですね。