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飯塚 直樹 院長の独自取材記事

飯塚耳鼻科

(豊橋市/豊橋駅)

最終更新日:2023/04/28

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科 main

札木駅より徒歩約2分の場所にある「飯塚耳鼻科」の開業は大正時代。1988年に飯塚直樹先生が3代目院長に就任した。同院では、中耳炎などの一般的な耳鼻咽喉科の疾患はもちろん、聴力やめまいの検査・治療からアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法、さらに食道がんの診断まで、幅広く、なおかつ専門性の高い医療を提供する。特に新生児や乳幼児の聴力検査に力を入れ、補聴器の調整や言語聴覚士による言語訓練も行っている。取材では検査や治療法について専門的な内容にも話が及んだが、飯塚院長は、クリニックのロゴの似顔絵のままの笑顔で、わかりやすく丁寧に説明してくれた。

(取材日2023年3月28日)

専門性の高い医療を多くの患者に提供したい

大正時代から続くクリニックだそうですね。子どもの頃から医師をめざしていたのですか。

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科1

まだ耳鼻咽喉科が外科に含まれて独立した診療科目でなかった時代に、祖父が耳鼻咽喉科の領域を専門に診る医療機関として、この近くに開業したと聞いています。僕は祖父、父に続く3代目というわけですが、3人兄弟の末っ子で医師になるつもりはなく、高校は物理部に所属し、好きな無線に関する仕事に就きたいと考えていました。けれど、高校2年の冬ぐらいから漠然と医師になろうかと思い始め、日本大学医学部に進学しました。専門を決める際には、直前まで耳鼻咽喉科と循環器内科で迷いました。もともと電気が好きでしたから、心電図の波形の解析に興味があったんです。でも、耳鼻咽喉科を選んでみて、意外と電気的に解析することも多く、診療や手術など手先のこまやかさが求められ、趣味のアマチュア無線で細かな部品を扱うのに慣れていたのがいきるなど、適性がある事に気づきました。

どのような患者さんが多く来院しますか。

中耳炎などの一般的な耳鼻咽喉科の疾患に加え、専門的な診療を求めて受診する患者さんが多いですね。成人の場合、難聴や耳鳴り、めまい、子どもは言葉の発達に関する相談や、新生児の聴覚検査などです。地域の変化としては、ドーナツ化現象で地域の住民が減少して子どもの数も減りましたが、郊外から来院する患者さんの割合が増えました。また、春先にはスギ花粉によるアレルギー性鼻炎で受診する方も多いですが、舌下免疫療法のため長期にわたり通院される患者さんが増えました。これは、舌の裏にアレルギーの原因となる物質の薬を置いて、アレルギーに反応しなくなるようにすることをめざす治療法です。手術は現在では、日帰り手術のみ対応し、アレルギー性鼻炎のレーザー手術や、鼓膜にチューブを挿入して滲出液の排出を促す滲出性中耳炎の手術をしています。

診療において心がけていることはありますか。

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科2

専門性の高い医療を行う努力をしています。例えば、講習会などに出席するなど、常に最新の医療を追究し、そこで得た知識を患者さんへフィードバックするようにしています。それから、診察を希望しているすべての患者さんを診察したいと考えています。そこで、診療受付時間を終了しても、原則、来院された方は診察しています。同じスタンスで、希望される患者さんには往診も行います。耳鼻咽喉科のない医療機関に入院中の方のもとへ赴くこともあります。

子どもの聴力検査や言語訓練に注力

力を入れている診療を教えてください。

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科3

子どもの聴覚検査に力を入れています。健康診断でおなじみの聴覚検査は音が聞こえたら手元のボタンで知らせる方式ですが、自分で聞こえたか表現できない乳幼児には適用できません。新生児には、音が聞こえた時の脳波を解析するABR(聴性脳幹反応)検査やASSR(聴性定常反応)検査を実施します。ASSR検査のほうが低音域から高音域まで、幅広い周波数での検査が可能です。聴力異常の疑いがある新生児には、3週間以内に検査を実施できる体制をとっています。1~2歳では、COR(条件詮索反応検査)も行います。これは、左右に設置したスピーカーの片方から音を出し、人形や光で子どもの興味を引きつつ、音の鳴る方向を探す反応から聴力を調べるというものです。2~3歳になると応答式の検査も可能になり、当院では、音が出ているときだけスイッチを押すとのぞき窓から楽しい景色などが見られる遊戯聴力検査にも対応しています。

新生児や乳幼児の聴力の診断は、ご家族のフォローなども含め、難しいのではないですか。

将来的に補聴器が必要になるかは、最初に検査した段階でおおよそ判断できます。でも、新生児の場合は、最初に検査した時よりも時間とともに少し改善することもあるので、患者さんのご家族に、いきなりショックを与えないように配慮しつつ、検査を進めながらお話しするようにしています。難聴の程度によって補聴器で対応するのか人工内耳を勧めるのか、検査の数値だけでなく言葉の聞き取りなども含め判断しますが、兼ね合いが難しいんです。また、成長に伴い、お子さんの言葉の遅れを相談された場合、まずはABR検査やASSR検査を実施します。聴力が悪いと耳から入る言語情報量も低下し、言語能力の発達に影響するからです。聴覚の異常がない場合は、発達障害によるものか調べるために発達検査を行います。

言語聴覚士による言語訓練を行っているそうですね。

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科4

当院では、厚生労働省の基準を満たした言語訓練専用の部屋を設置し、言語聴覚士がそれぞれの個室を持って訓練にあたります。1回40分間、大学病院で行われているものに近い高水準の訓練をマンツーマンで実施しています。言語聴覚士は聴覚や言語に関する専門家。専門分野については医師も知らない知識やスキルもあります。彼らと対等に話せるくらいになろうと、厚生労働省の音声言語機能等判定医師になりました。そして、当院は、言語聴覚士の専門学校生の研修施設にもなっており、愛知県だけでなく兵庫県や愛媛県など県外からも研修生がやってきます。当院で医学的なことから子どもへの対応の仕方など幅広く学んでほしいですね。

めまいや耳鳴りの検査、補聴器の調整まで対応

多様な検査・治療に対応されていますが、そのほか特に力を入れている分野について教えてください。

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科5

めまいや耳鳴りに関する検査にも力を入れています。めまいについては、目の動きで診察する標準的な、赤外線CCDカメラを使用した眼振検査、電気眼振計検査など、さまざまな検査を半日ほどかけて行います。耳鳴りは突発性難聴の初発症状の場合も有るので、早めの検査をお勧めします。発症から時間がたっても改善が見込める場合もあるので、諦めずにご相談いただきたいです。

補聴器についても研鑽を積まれたそうですね。

新生児から高齢者まで補聴器の調整を行っています。補聴器の仕組みは、趣味のアマチュア無線と共通する部分もあるんですよ。補聴器の調整には、ASSR検査の結果を活用するほか、S/N比を調べることに力を入れています。S/N比は、雑音をわざと入れて言葉の聞き取りを測定するもので、補聴器を調整する際に、雑音の中でも聞き取りができるかなどが判定できます。また、当院では患者さんに補聴器をお貸しして、実際にお試しいただいてから購入するか判断していただいています。

ご自身の趣味やリフレッシュ法はありますか。

飯塚直樹院長 飯塚耳鼻科6

ヨットで滑走する、スポーツとしてのセーリングが好きで、レースに出場することもあります。また、自分で内装を変えたり、ステレオ装置を組み入れるなど、カスタマイズもしています。アマチュア無線は高校時代からの趣味で、遠い国の人とも交信できるのが楽しいです。2023年には南極近くのブーベ島とつながる貴重な体験ができた時は興奮しましたね。

最後に、今後の展望や読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

当院では医療の質や患者さんの利便性を高めていきたいと考えています。検査機器も進歩しているので、できるだけ先進の機器を導入していきたいと考えています。また、多くの患者さんを診察するため、どうしても待ち時間が長くなってしまい、以前は3時間ほどお待ちいただくこともありましたが、2021年からネット予約システムを導入し、待ち時間はかなり短縮し、3分の1ほどになりました。また、2022年12月からは、マイナンバーカード健康保険証への対応も開始しました。当院の診療内容については、ホームページにも詳しく記載しています。もし何かお困りのことがあれば、ご相談いただければと思います。

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