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青木 玲 先生の独自取材記事

藤が丘メンタルクリニック

(名古屋市名東区/藤が丘駅)

最終更新日:2025/04/16

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック main

30年以上地域に根づいてきた「藤ケ丘メンタルクリニック」が2025年5月、新たに生まれ変わる。新院長となるのは、大学病院の精神科や精神科病院で研鑽を積んできた青木玲先生だ。もともと心理学や、脳と人間の行動との関連に興味があり精神科の道へ進んだという。外来で患者としっかり向き合いたいと話す口調は穏やかで、親しみあふれる笑顔は何でも受け止めてくれそうな雰囲気がある。「心理士によるカウンセリング体制や治療法の選択肢を充実させ、さまざまな患者さんのお悩みに応えていきたい」という青木先生に、今後の抱負や力を入れていきたいことなどについて聞いた。

(取材日2025年3月22日)

さまざまな精神疾患をぬくもりある場で診療

まず開業に至る経緯を教えてください。

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック1

もともと、いつか自分のクリニックを開業したいという気持ちはありました。人と話すことが好きでもあり、外来で常に患者さんに向き合っていたいという思いが強くありましたね。大学院で学位を、また専門の資格などを取得し、開業を意識し始め情報収集していたところ、当院に巡り合いました。私が思い描いていたクリニックとは、医師だけでなく心理士も在籍した、専門的な治療、カウンセリングが行えるクリニックであるということ。ここはカウンセリング室が3室と面談室もあるなどスペースが広く、そのことが大きな決め手となりました。内装に木が多用されており、ゆったりとした広々とした空間で、ぬくもりが感じられる雰囲気も魅力でした。

引き継がれるにあたってどんな思いがありますか?

当院は南部陽一先生が1991年に開業され、30年以上にわたって地域に根差してきたクリニックです。南部先生を見ていると、患者さんとの間に信頼関係が構築されていることを感じます。主治医が変わることは、特に心の疾患の場合、患者さんにとって非常に大きな出来事ですので、患者さんの皆さんに安心していただけるよう、治療方針やお薬など変わりなく引き継ぎたいと思っています。私もこれまで勤務先の病院が変わっても、ありがたいことに、私のもとに来てくださる患者さんが何人かおられます。当院もどなたにとっても安心して通い続けられる場所でありたいですね。

診療対象となるのはどのような病気でしょうか?

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック2

対象となるのは、うつ病や双極症(躁うつ病)、適応障害、不眠症、パニック症(パニック障害)や広場恐怖症、強迫症(強迫性障害)などの気分障害、神経症、不安症、大人の発達障害などさまざまです。大学病院や精神科病院では、なかなか他の病院では診ることが難しい、多彩な症状を持つ方や重症の方、身体疾患を併せ持つ方などの診療にもあたり、経頭蓋磁気刺激(TMS)や修正型電気けいれん療法(m-ECT)も多く経験しました。甲状腺機能異常や自己免疫疾患などの内科疾患や、薬剤性により精神症状を引き起こす症例も経験し、そうした鑑別手段も学んできました。開業後は、これまでの経験や知見を生かして患者さんのお役に立ちたいと思っています。

大人の発達障害の治療やカウンセリングに取り組みたい

幅広い疾患を診られる中で得意とされる病気はありますか?

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック3

特に多くの患者さんを診てきたということでいえば、うつ病や双極症は専門性が高いかもしれません。20代ぐらいから発症することが多く、働き世代にも多い病気です。一般的に、躁うつ病は躁状態とうつ状態を繰り返すイメージがあるかもしれませんが、実は躁のエピソードは1回だけで、うつ状態と普通の状態を繰り返す方もいます。うつ病も、1回の治療で終わる方や、生涯何度も続く方などさまざまです。また、ビジネスパーソンの方の中には、繰り返し休職されるうつ病や双極症の方も多く、その背景に発達障害が隠れていることもあります。そのため当院では、今後は発達障害の診断やカウンセリングにも力を入れ、患者さんをサポートしていきたいと思っています。

双極症(躁うつ病)やうつ病の原因や治療について教えてください。

双極症の発症は遺伝が関係するといわれています。一方、うつ病のきっかけは環境因子が大きいといわれています。症状は、眠れない、食欲がない、何事も楽しめない、無気力など。治療は、患者さんのお話をきちんと聞いて、「眠れない」「食欲がない」といった症状が強い場合は睡眠や気分症状を改善するためのお薬や、漢方薬を出すなどその方に合わせて進めます。うつ病や適応障害で環境要因が強い場合、例えば「会社でパワハラを受けた」「仕事のスケジュールが過密すぎる」といった明確な原因が考えられる場合は、その環境から離れることで、お薬がなくても改善が図れる場合があり、まずはそれをめざしたいと考えています。

大人の発達障害についても教えてください。

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック4

最近は「大人の発達障害」という言葉がよく取りあげられるようになり、自分がそうかもしれないと受診される方が増えている印象があります。よく知られているのはASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)でしょうか。遺伝の関連性も指摘されており、ASDではコミュニケーションが苦手、こだわりが強いなど。ADHDではミスや忘れ物が多い、落ち着きがない、カッとなりやすいなどの特徴があります。診察や検査を経て、診断により、ご自身の特性に気づいていただくことも大切で、その上で「相手はこう思っている」「こういう場面ではこうしよう」といったことをカウンセリングや診察を通じて身につけていくことが治療のメインとなります。本当は発達障害の特性で苦手なことを、知らずに無理に続けるのはつらいことだと思います。自分の苦手分野や好ましい環境を理解することは、治療に前向きに取り組んでいただくきっかけになると思います。

先進の研究に携わりつつ身近なかかりつけ医として

診察で大切にされていることはありますか?

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック5

まずは患者さんのお話を聞くことを大切にしています。患者さんは、ご自身でまとめて話をされる方、話をまとめられない方などさまざまです。また、頑張らせてはいけない方、少し背中を押したほうがいい方など、患者さんによって話し方や対応を変えています。自身の理想と現実のギャップは強いストレスになり、その結果として精神疾患を発症することもあるため、「頑張りすぎないで」「焦らないで」ということもお伝えするようにしています。SDM(Shared Decision Making)という言葉はなじみがないかもしれませんが、私がとても大切にしていることで、患者さんと治療者が協同で治療の意思決定をするということです。精神疾患は長く続くことも多く、患者さんの人生をずっと見させていただいているという感覚が大きいので、お互いに信頼関係を築いていきたいですね。

先生が医師をめざされ、また精神科を選ばれたきっかけとは?

私が高校生の頃、祖父が病気で闘病していたのですが、祖父が主治医をとても信頼し回診に来てくれることだけでも元気をもらっていたので、医師はすごい仕事だなと感じました。それが医師をめざすきっかけになりましたね。医学部に入って祖父が患った病気を研究しようと考えていたのですが、もともと心理学や、脳と人間の行動という未解明の分野に興味があったこともあり、精神科を専門に。大学で研究をしていた時は、遺伝精神医学チームに所属していました。遺伝子というと“難しい”と思われるかもしれませんが、多くの患者さんからいただいた遺伝子をもとに、目に見えない精神疾患を数値化して見えるようにし、精神疾患の病態解明に大事な役割を果たしています。また、こうした研究は、病気の発症や進展を予測するだけでなく、いずれ精神疾患の予防につながると期待しています。

今後の抱負についてお聞かせください。

青木玲先生 藤が丘メンタルクリニック6

継承開業を機に院名を変更し、緑色の複数の丸で彩られた木のロゴマークを考えました。緑は自然で和やかなイメージがあり、私も好きな色です。たくさんの丸は患者さんに見て安心していただけるのではないでしょうか。まずはこれまでの患者さんの診療をしっかり引き継ぎ、地域に根づいていきたいです。今後は医師、心理士の体制も充実させ、また大学病院で行っている最新の治療法も取り入れて治療の選択肢を増やすなど、幅広いお悩みに応えられるような体制にしていきたいと思います。身近で頼れる「心のかかりつけ医」として、どなたにもお気軽に来ていただければうれしいです。

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