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原田 景子 院長の独自取材記事

医療法人景山会 原田眼科

(名古屋市緑区/大高駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR大高駅から歩いて5分、県道23号線沿いにある「原田眼科」は白内障、緑内障、加齢黄班変性など高齢者に多くみられる疾病をはじめ、糖尿病網膜症や小児の治療も得意とする。耳鼻咽喉科を開業した義祖父、内科の医師だった義父と続き、3代目。90年にわたり、原田家は医療のみならず、文化・教育・政治面でこの地に貢献してきた。その魂は、嫁いだ原田景子院長にも脈々と引き継がれている。コンクリート打ちっぱなしであか抜けた雰囲気の外観。夫妻のかつての留学先であるフランスの薫りを呼び込もうと、フランス人アーティストがデザインしたという焼き物のオブジェが温かな存在感を放つ院内で、研鑽を積んで来た日々や診療に対する思い、将来の展望について話を聞いた。
(取材日2017年2月1日)

納得がいくまで患者さんとかかわっていく

眼科の医師をめざされたきっかけから聞かせてください。

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父が外科、母と兄が眼科の医師で、東京女子医科大学時代には教授から精神科を勧められたのですが、母の希望もあって眼科の道に進みました。大学卒業後は、名古屋大学の眼科学教室に入局。1980年に、医局で共に働いていた主人の留学に同行して渡仏しました。パリの中心、ノートルダム寺院の向かいにあるパリ大学・オテルデュー病院という歴史ある病院で、主人は網膜ぶどう膜疾患の研究に1年半、没頭。私はキュリー夫人が研究されていた研究所で基礎研究に従事し、その研究を元に帰国後、名古屋大学で医学博士号を取得しました。臨床医とは別世界でしたが、とても真実を示していく実験の毎日が充実したものでした。

当時のフランスはどんな印象でしたか?

自分のやりたいことを貫く人が多く、自分の考えを全うすることの大切さを学びました。自由と平等の理念のもと物事を合理的に考えるフランス流が好きでしたね。またカトリックの広い慈悲の精神に強い印象を受けました。医学界においても封建的だった日本とは異なり、自由と個性が尊重されていました。帰国後、権威を重んじる日本の風土にある種の息苦しさを感じ……。その後は愛知県厚生連愛北病院の眼科部長として手術も行い、10年ほど研鑽を積んだ後、この地で開業しました。勤務医時代には難しかった、「一人ひとりの患者さんに向き合い、納得いくまでかかわってあげたい」というのが開業時のポリシーでした。

開業後も手術に携わっていたのですか?

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5年ほどは当院でも手術を行っていました。しかし今より患者数が多く、忙しさからストレスでくも膜下出血になってしまったのです。それからは自身で手術をすることはやめ、病気を見極める診療に集中することに。目に現れる症状の中には、脳疾患が原因となるものもあります。そのような眼病以外の疾患も見落とさないよう、これまで以上に注力して取り組むようになりました。手術が必要な患者さんには、例えば中京眼科の市川一夫先生や藤田保健衛生大学の堀口教授をはじめ、信頼のおける医師や病院を紹介しています。市川先生は名大の医局時代から知己があり、白内障屈折矯正手術に確かな医師です。卓越した技術とレンズ選びで術後の裸眼視力が著しく向上し、0.5だった視力が、術後に1.2になった方もいました。患者さんの手術には私も付き添い、術後の経過観察は当院にて責任をもって診させていただいております。

正確で迅速な診療と、待ち時間の軽減に努める

加齢黄班変性や糖尿病網膜症の患者さんも多いとうかがっています。

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OCT(眼底3次元画像解析)をいち早く取り入れたこともあり、加齢黄班変性の患者さんが多かったのですが、現在では糖尿病網膜症の患者さんが増えてきています。糖尿病網膜症は糖尿病を患ってから10年くらいして発症するものですが、最近は以前より重篤な人が目立ってきました。失明しないために初期からの眼底検査が欠かせませんが、当院では無散瞳の広域眼底撮影ができるため、気軽に受けられます。糖尿病のある方は、申し出ていただければ行います。

白内障に関して、予防の点でできることはありますか?

白内障の原因は、実は紫外線だといわれています。皮膚も紫外線が原因で老化が進みますが、眼も加齢の原因は紫外線というのが通説です。ですので、外出時にサングラスやUVカットの眼鏡、帽子などで予防されると良いでしょう。白内障になりかけると進行しやすいので、直射日光に当たらないよう注意してください。加齢黄班変性に関しては煙草を控え、コレステロールや中性脂肪の高い食生活に気をつけるといいですね。男性患者に多いですが、女性でも若いときから煙草を吸っている人にはその傾向がみられます。煙草をやめて10年が経過しても、すでに網膜組織に障害があり、発症してしまうケースもあるのです。

患者さんに寄り添う中で、時代の変遷を感じることは?

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医師になって40余年、開業して20年余りが経ちましたが、時代とともに病態は変化しています。現代は海外からもウイルスが入ってくるため、一般的な疾患でも原因が以前とは異なったり、症状が強く出るもの、症状が軽すぎて危うく見間違えそうになるものなど、昔とは随分変わってきました。それだけに常に最新の知見をもって症状を見極めることが重要です。正確で迅速、質の高い診察を心がけ、検査から診察までをスムーズにして患者さんの負担を減らせるよう努めています。最近は若者世代が増え、子どもたちの姿を多く見かけるようになりました。高齢の患者さんが多いのはもちろんのこと、眼科の小児患者は7%以下が一般的といわれる中で、その割合が高いことも当院の特徴ですね。熟練の視能訓練士を中心に、小児の診療にも力を注いでいます。

優秀な視能訓練士らが、小児医療をサポート

小児の検査には時間がかかり、困っている医院も多いと聞きますが。

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当院では週に1回、月曜日の午後を小児の検査・診断日とし、特別に40年のベテラン視能訓練士の先生に来てもらっています。他に常勤とパートが2人ずつ、計5人の視能訓練士がいます。たしかに1歳未満の子どもの検査などは難しいですが、熟練の技術で見事なほど迅速です。小児に顕著な病気は斜視と弱視(遠視性、近視性、乱視性)。中には眼底疾患を併発しているケースもあります。小児は眼底が見えづらく早期発見が困難なだけに、いかに視力を正確に測れるかがポイント。視力がおかしい場合には、なぜかを追求し探ります。また以前に心因性弱視の子がいたのですが、これは「見えない」と訴えるのですが、本当は見えているんです。視力検査では視力表の下の方が読めずに低いのですが、度の入っていないレンズを入れて測ると、ちゃんと見える。そういう病気もフェイントをかけて視能訓練士はとても上手に発見します。

弱視や斜視の治療は、早いほうがいいのでしょうか?

10歳以上になるとあまり効果が薄れ、限界は11歳といわれています。治療は早いほうがいいのですが、早期発見のためには3歳児検診がとても大切です。患者さんのご希望もあり、今年から小児だけでなく、ロービジョン(視力が0.05度以下で矯正ができない人:弱視、糖尿病や緑内障、網膜疾患で失明状態に近い人、強度近視など)を対象とした外来の相談窓口を設けることにしました。例えば緑内障で視野が欠けているのに気づいていない人に、「こちら側の足、よくつまずくでしょう?」と聞くと、頷いて、見るとそちら側の靴先がいつも傷になっています。本人は視野が全部見えているつもりなので、全く気づいていないのです。どの部分がどういうふうに見えていない状態なのかを正確に伝え、アドバイスすることで、日常生活における転倒などの事故を未然に防ぐことができると期待しています。

やりがいを感じる瞬間や今後の展望を。

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白内障などの手術を受けて帰ってきた患者さんが、再び見えるようになって喜ぶ姿に接すると、とてもうれしいですね。手術前後では、若返ったかのように表情が違うのです。目は情報量が多いからでしょうか。“見え”は気分を活性化するんですね。スタッフもそれがうれしいと、嬉々として視力を測っています。術後の変化も良く、家で引きこもっていた人が海外旅行へ出かけるなど、性格も明るく積極的になるようです。認知症の方も元気になられ、いくらか症状が軽くなったような印象を覚えます。また、小さな頃から通ってくれた患者さんが、結婚してお子さんを連れて来院してくださるのも喜びです。原田家は祖父の代からこの地域の医療に尽力してきました。これからも地域の人々の役に立ち、頼りにされる存在であり続けたいと願っています。

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