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太田 多美 院長の独自取材記事

太田皮フ科クリニック

(名古屋市南区/桜本町駅)

最終更新日:2024/08/30

太田多美院長 太田皮フ科クリニック main

桜本町駅から徒歩およそ5分にある「太田皮フ科クリニック」。太田多美院長は、三重大学生物資源学部を卒業後、生物の検査会社へ入社。検査や分析に没頭する日々を過ごす中、医師である父の仕事ぶりを思い出し、改めて医師をめざそうと決意したという。東海大学医学部を卒業後は、同大学の大学院へ進み、専門診療学系皮膚科学科で助教を務めた。さらに研鑽を積むために、関東の複数の皮膚科クリニックで15年ほど診療経験を積む。その後名古屋に戻り、生まれ育った地域で開院した。明るく気さくな太田先生に、クリニックの特色や治療方針、患者への思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2024年8月9日)

院内環境と診療の両面から、通いやすい医院をめざす

どのような患者さんがいらっしゃいますか。

太田多美院長 太田皮フ科クリニック1

クリニックのある名古屋市南区は、高齢化が進んでいるエリアと、若いファミリー層の多いエリアが混在しています。当院にも、乳幼児から高齢者まで幅広い年代の方が通ってくださっていますね。長く暮らしている方も多く、個人商店があるなど人情味の感じられる温かい雰囲気のある地域なんです。私の生まれ育った地でもありますから、学生時代の友人が来院してくれたり、父の代に通ってくださっていた患者さんが顔を出してくれたりと、日頃から地域の優しさに囲まれています。ですから、子どもの頃からお世話になっているこの地域で、皆さんのお役に立てることはとてもうれしいですね。

クリニックの特徴を教えてください。

患者さんにとって心地良いクリニックとするために、キッズルームを設置しています。診療を待つ間、小さなお子さんは元気にキッズルームで遊んでもらい、ほかの患者さんには待合室でゆっくり過ごしていただいています。診療面では、さまざまな治療機器を活用していますが、機能が十分であるだけではなく、患者さんにとって負担の少ない治療をめざしたいという思いから、納得のいくものを吟味して選んでいます。例えば、光線治療器は、ピンポイントに照射できるものを使えば作用が出やすいかもしれませんが、長時間、服を脱いだままの治療になる場合が多く、患者さんは疲れてしまいます。そのため、当院ではあえて広範囲に使えるものを導入し負担を軽減できるようにしました。また、レーザー機器は、蒙古斑や小さなあざなど保険内で治療できるものを取り入れています。院内環境でも診療面でも、患者さんが通いやすく過ごしやすいクリニックをめざしています。

診察はどのように進められていますか。

太田多美院長 太田皮フ科クリニック2

皮膚科の疾患は、血液検査をしたり、何かの数値で判断したりすることが少なく、「見た目」や「触った感じ」が診断の基準となります。特に患部に触れると感触でわかることが多いので、触って確かめることは怠りません。この症状は進行しているのか、これから悪化するのか、治りかけなのかなど、微妙な差異を観察して治療を進めていきます。自分の皮膚に何らかの異常や違和感があると感じたら、まずはご自身で触ってみるとよいかもしれません。ざらざらしていたり、いつもと感触が違っていたりするときは、皮膚科を受診していただければと思います。皮膚科では薬の治療が大半ですが、場合によっては外科的な処置を行うこともあります。長年気になっていたできものが解決につなげられるケースもあると思うので、気軽にご相談ください。

保険内治療を基本とし、患者に合った治療方法を

子どもの皮膚疾患にはどのようなものがありますか。

太田多美院長 太田皮フ科クリニック3

1年を通して湿疹、アトピー性皮膚炎、ウイルス性イボが多いです。夏になると水イボ、とびひが増えます。診療ではトラブルの原因が何なのか、どんな疾患なのかを把握し、その疾患に合った治療を行います。症状が悪化しないように、早期に完治できるように治療を進めていきます。また、肌が荒れ湿疹ができると、そこからアレルギーの原因物質が入りやすくなりますので、小さいお子さんについては特に気をつけていただきたいです。赤ちゃんについては、生後3〜6ヵ月ぐらいから皮脂の分泌量が急速に減少し、乾燥しやすくなります。手でかいたり衣類などでこすれたりすると湿疹ができやすくなるということも知っていただきたいですね。

治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか。

塗り薬による治療や専門機器を使った治療など、患者さんや症状に合わせた治療方法をご提案しています。さまざまな治療方法が存在しますが、当院では、特に保険内治療でできることが増えてきている点に注目しています。例えば、乾癬については近年がらりと変わり、注射や飲み薬による治療も可能になりました。アトピー性皮膚炎では、生後6ヵ月から打てる注射なども出てきています。そういった新しい治療はガイドラインに沿った上で適応となる患者さんに限って行っていきます。最近では、小学校に上がる前までに、アトピーの症状を治しておきたいという相談や、受験の間にかゆくなったら困るからというきっかけで治療をしたいという方もいらっしゃいますね。塗り薬や抗アレルギー剤の飲み薬、光線治療では思うようにコントロールができない場合に、他の治療方法をご紹介しています。

治療の選択肢が増えたというのは、今まで悩まれてきた患者さんにとってうれしいことですね。

太田多美院長 太田皮フ科クリニック4

もちろん、先ほどふれたような新しい治療は誰にでも提供できるものではなく、採血などの検査をして適応可能であるかどうか、安全性を十分確認した上で治療させていただきます。塗り薬の併用は必要ですが、塗る量が減ったり保湿だけで済む場合もありますので、塗り疲れてしまった親御さんにとっても良いのではと思います。当院では、新しい治療方法も選択肢の一つとして取り入れ、診断する中で患者さんに合った治療方法を提案していくことを大切にしていきたいと思っています。大きい病院ですと診察している時間や曜日も限られますし、患者さんの負担を考えると、クリニックでも対応できるというのはとても重要なことではないかと思っています。

一人ひとりの患者に寄り添い、完治まで導く提案を

先生が患者さんに対して心がけていらっしゃることを教えてください。

太田多美院長 太田皮フ科クリニック5

患者さん一人ひとりに合わせた治療方針とわかりやすい説明を心がけています。皮膚科では、塗り薬を継続して塗ることは治療の基本です。そのため塗り方の説明はとても重要で、特に初診の方には丁寧にお伝えするようにしています。お子さんの中には、注射の嫌な思い出があるのか、診察室に入れないお子さんもいます。どうしても治療を嫌がる子に対しては、無理強いするようなことはせず、今日できる最低限の治療だけを行うなど、状況に応じて柔軟に対処するようにしています。また、親御さんにとっては、治療はとても根気のいるものですよね。塗り薬が硬くて塗りにくいという方には、形状の違う塗りやすい薬に変えることも可能です。それによって薬の強さが弱まることもありますが、日々続けられることのほうが大切です。お子さんや親御さんの気持ちに寄り添って、しっかりと完治まで導いていけるよう工夫しています。

塗り薬はとても大切なのですね。市販のものでも効果があるのでしょうか。

症状に合った薬を使用することがとても大切です。皮膚に関する症状があっても、受診せずに市販薬で解決しようとされる方も多いと感じています。さまざまな種類の塗り薬が市販されていますが、薬の選択を間違ってしまうと、作用も十分に発揮されません。些細なことでも、まずは皮膚科を受診し、症状や程度に合う薬を処方してもらうのをお勧めします。多汗症で脇汗や手汗に悩まれている場合も、保険内で使用可能な、神経に作用する塗り薬が出ていますので、今まで受診を躊躇されていた方もご相談いただければと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

太田多美院長 太田皮フ科クリニック6

当院では、患者さんの悩みに寄り添いながら、一人ひとりに合わせた治療方針をご提案しています。新しい治療方法もたくさん出ていますので、以前思うように治療が進まなかった症状や、日頃感じている皮膚に関する悩みも、一人で抱え込まずに一度ご相談に来ていただければと思います。当院では、基本的には保険内でできることをご提案します。症状に合わせて、安全性にしっかり配慮した上で、適切に薬や治療方針をご提案するのが私の使命であるとも思っています。直接会ってお話しし、全身を見て触診させていただくことが大切だと考えていますし、その上で患者さんに合った治療方法をご提案させていただきます。

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