増森 二良 院長、増森 信子 副院長の独自取材記事
増森クリニック
(名古屋市中川区/戸田駅)
最終更新日:2025/05/23

近鉄名古屋線・戸田駅から徒歩10分。1996年開院の「増森クリニック」は、イルミネーションに彩られた医院らしからぬたたずまいが印象的だ。同院では、泌尿器科・皮膚科・内科・小児科を担当する増森二良院長と、耳鼻咽喉科を担当する増森信子副院長が幅広い診療を行っている。穏やかな雰囲気の二良院長と快活な語り口の信子副院長とで、印象は対照的な夫妻だが、呼吸は公私ともにぴったりだ。また、診療上の連携がスムーズなのも心強い。長年にわたって、患者のさまざまな症状に寄り添ってきた両医師に、医院の姿勢や注力する治療などについて聞いた。
(取材日2020年10月7日/情報更新日2025年5月20日)
夫婦で連携し、幅広い科目、幅広い世代を診療
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

【二良院長】当院には、乳児から90歳代の方まで幅広い世代の患者さんがいらっしゃいます。開院して30年近くたちますので、幼い頃から来院されている方が成人して、就職が決まったことを報告しに来てくれることもありますよ。
【信子副院長】お年寄りの患者さんが治療を終えた後、お子さんやお孫さんを診察に連れてきてくださることもありますね。3世代にわたって来ていただけるのは、医院として信頼されている証拠なのかなとうれしく思います。
ご夫婦で複数の診療科目をカバーできるメリットは何ですか?
【二良院長】病気によっては複数科に症状がまたがることがあります。もし皮膚科と耳鼻咽喉科の受診が必要となっても、一度で診察が済めば患者さんにとってメリットではないでしょうか。これからも、できるだけ一つの医院で完結できるよう努めていきたいですね。
【信子副院長】おのおのの専門分野以外のところで、お互いにすぐに相談できたり、診てもらえたりするのも強みですよね。例えば、お子さんの鼻水や咳が止まらない原因が耳鼻咽喉科では思い当たらない場合、小児科の医師である院長の診察を受けていただけます。また、当院ではご家族全員が一度に受診されるケースも少なくありません。待ち時間を少しでも緩和できるようインターネット予約システムを導入したり、月曜と木曜の午後、土曜の午前は耳鼻咽喉科の医師を2人体制にしたりなどニーズに合わせた工夫もしています。
日頃の診療で心がけていることは何ですか?

【信子副院長】モニターやファイバースコープなどを使って、患部を見ながら「どこが悪いか、なぜ、どのような治療が必要なのか」を丁寧に説明することです。やはり患者さんにご納得いただいたほうが治療も進めやすいですからね。患者さんに疑問があっても、すっと聞いてもらえる雰囲気づくりも意識しています。
【二良院長】もちろん当院の守備範囲を超える場合は総合病院や専門の病院などをご紹介します。重篤な病気を見落とさず、迅速な橋渡しを心がけたいですね。
多様な治療法を用意し、子育て世代にも配慮
特に力を入れている治療はありますか?

【信子副院長】私の担当する耳鼻咽喉科では、アレルギー性鼻炎のさまざまな治療法を用意しています。「舌下免疫療法」は、スギ花粉やダニのアレルギー物質のエキスを舌下から吸収させ体質改善を図る方法です。お子さんや妊産婦さんにも適用可能ですよ。また炭酸ガスレーザーで鼻の粘膜を焼灼する方法もあります。喉がひりひりと痛む場合は、奥にある口蓋垂の後ろに消炎剤を直接塗布する上咽頭擦過療法(Bスポット療法)にも対応可能です。多少の出血や痛みを伴いますが、後鼻漏や片頭痛、めまいなどさまざまな症状の一因となる上咽頭の慢性炎症に有用です。その他、頭痛やふらつき、腹痛など思春期の自律神経の乱れによる不調のご相談にも応じています。
院長が担当される泌尿器科や皮膚科ではいかがですか?
【二良院長】私の専門である泌尿器科では、お子さんの夜尿症のご相談が多いです。夜尿症は月に1度以上、3ヵ月間以上夜尿が続く場合に診断され、夜の水分の取り過ぎを注意するだけで済む場合もあれば、腎臓や膀胱に問題がある場合もあります。水分摂取量と排尿量を記録しながら進めますが、お子さん本人の心のケアも重視し、丁寧に根気良く治療することが大切です。一方、皮膚科ではアトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚疾患にエキシマライトを用いた紫外線治療を行っています。特に乳幼児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーや気管支喘息、アレルギー性鼻炎などを次々と誘発するアレルギーマーチを引き起こすケースも。症状の発症や進展を予防するには、アレルギー項目の早期発見が重要です。当院の検査は、血液から食物や花粉など多項目について調べるのですが、院長・副院長それぞれの診察で結果を使用するので、検査は一度で済みますよ。
お子さんへの配慮も大切にされているのですね。

【信子副院長】耳鼻咽喉科はお子さんの受診が多いですし、私自身も子どもがいるので、お母さん方が不安に思うことはだいたいわかるんです。長く鼻水が出ている時は「中耳炎に気をつけてください」などと助言することもあります。わからないことはなんでも気軽に聞いていただきたいですね。
【二良院長】私から見ても、副院長は身内のように患者さんと接しているなと感じることがありますね。また、当院は院内環境においても子育て世代に配慮をしてきました。機械類が多いので、お子さんが怖がらないようピンク色を多く配したり、開放感が出るよう壁を減らしてカーテンで仕切ったり。消毒薬の臭いについても、私自身が苦手なのでとても気を使っています。
他に最近、注力している治療はありますか?
【二良院長】AGA(男性型脱毛症)の治療ですね。当院では月に1度ほどの通院と薬の服用で対応しています。他の病気と同様、取り組むのが早ければ早いほうがいいとされていますから、まずはご相談いただきたいですね。ただ、脱毛症はAGAだけではありません。生活習慣病や甲状腺疾患、アトピー性皮膚炎によっても脱毛症状が現れることがあり、10代の方や女性にも現れることがあるので注意が必要です。当院では、複数科目を標榜している強みを生かし、脱毛症状を毛髪の問題だけでなく体全体の症状の一つとして捉え検査を実施してきました。そして、原因を特定し適切な治療でアプローチしています。その他にも、更年期障害に用いる保険診療のプラセンタ注射や、ビタミン注射にも対応可能です。いつまでも若々しくありたいという方を少しでもお手伝いできたらと思っています。
患者がなんでも気軽に相談できるクリニックをめざして
医師を志したきっかけを教えてください。

【二良院長】高校生の時、進路を決めるにあたって、仕事の内容が具体的にイメージしやすい医師をめざそうと考えました。泌尿器科を専門に選んだのは、体全体を診られる外科の分野を希望していたことと、腎臓や副腎の手術に興味があったことが理由です。当時は泌尿器科の医師が少なかったという事情もあります。
【信子副院長】私の場合は、両親が耳鼻咽喉科の開業医でした。幼い頃から両親が、苦しまれている患者さんを助けている姿を間近で見て、やりがいのある仕事なのではと感じたのが医師を志したきっかけです。私も、体全体を診て、自ら手を下す外科に関心があり、その中でも自分の希望に沿う耳鼻咽喉科を選びました。
お二人が健康のためにしていらっしゃることはありますか?
【二良院長】診療が終わった後に、近所を30分ほどジョギングしています。よく患者さんにもお会いしますね。副院長とは趣味が合って、一緒にゴルフに行くこともありますし、以前は子どもに混じって、2人でバク転教室に通ったこともありました。
【信子副院長】バク転は、なかなか飛べませんでしたね。私はジョギングはしませんが、座る時間が長い仕事なので、日頃から簡単な運動をするよう心がけています。ストレスをためず、我慢をせず、楽しく生活することが健康の秘訣だと思います。
締めくくりに、読者へのメッセージをいただけますか。

【二良院長】インターネットで病状を調べられた患者さんが、間違った情報に行く着くことは少なくありません。例えば、皮膚炎の原因が喉の病気だったということもあるので、一人で悩まず気軽にご相談いただきたいですね。当院は検温・消毒・マスク着用などの感染症対策を徹底していますので、安心してお越しください。
【信子副院長】発熱された方でも来院前に電話でご相談いただければ、別の時間帯での診療や、自動車で待機いただいてからの診療が可能です。最初は気になることをすべて話していただいたほうが後の診療がスムーズですから、なんでも気軽にお話しくださいね。
自由診療費用の目安
自由診療とは男性型脱毛症の治療/5500円~、ビタミンB群注射/1500円~