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朝元 健次 院長の独自取材記事

あさもとクリニック産婦人科

(名古屋市昭和区/桜山駅)

最終更新日:2020/04/01

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エントランスからアロマの香りが漂うきれいな院内。待合室に入ると明るく広々としたスペースにゆったり座れるソファが並び、その一画にはキッズスペースも設置されている。桜通線「桜山」駅から徒歩10分ほどの住宅街にある「あさもとクリニック産婦人科」は、朝元健次院長の父の代から続くクリニックだ。「感動のある出産」をサポートするべく、分娩室の設備から産後のケアまで、さまざまな工夫で患者のリラックス環境を整えている。「必要なことを的確に伝え、できるだけ患者さんの不安を取り除く診療を心がけています」と語る院長に、勤務医時代の経験を生かした分娩方法や地域に根付いた産婦人科としての思いについて話を聞いた。
(取材日2016年5月27日)

出産の不安が「安心」に変わるような対応を

開院に至るまでの経緯をお聞かせください。

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私は1991年に藤田保健衛生大学を卒業して、そこから3年ほどは麻酔科の勤務医をしていました。もともと私の父が産婦人科を開業していたこともあって、将来を考えた上で麻酔科から産婦人科に移動したんです。父には「好きなことをすればいい」と言われていましたが、医院を継ぐことは昔からなんとなく意識していました。私が院長になった当初は時々父が手伝ってくれていて、2人で医療の話をすることもありましたね。今は高齢になったので現場に立つというより見守ってくれているような存在です。ちなみに、1967年から同じ場所にあるので、ここで生まれた方がご結婚されて、妊婦さんとして来院することもあるんですよ。

来院する患者さんはどんな方が多いのでしょうか。

当院には婦人科系のお悩みで来院する方もいますが、全体の約7割を占めるのは妊婦さん。その中でも最近は高齢出産が増えている傾向があります。10年前は40代の妊婦さんは少ないほうでしたが、今は当たり前のようにいらっしゃいますから。むしろ20代が少ないくらいで平均年齢はかなり高いです。40代になると出産に対応する体も変化してくるので、当院では無痛分娩の方法として硬膜外麻酔の使用を提案しています。分娩時に緊張していると体に余分な力が入ってしまって、より痛みを感じたり疲れたりしてしまう。そうすると赤ちゃんも出てくるときに苦しいんですよね。そこで痛みをできるだけ和らげて出産をスムーズにするというのが麻酔の役割です。海外でも取り入れられていますが、基本的には産科麻酔科の専門ドクターが担当しています。私の場合は勤務医時代に麻酔科を経験していたので、その知識や技術が役立っていると思いますね。

「無痛分娩」は具体的にどのような処置をするのでしょうか?

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硬膜外という背骨の外側にある膜に局所麻酔を注射して、陣痛を感じる神経をブロックするんです。陣痛そのものは抑制せずに痛みだけを感じにくくするのが理想ですが、100%そのとおりに効果が出るわけではなくて、ときには陣痛まで弱くなってしまうことがあります。患者さんを不安にさせないためにもリスクばかりを強調することはしませんが、詳しく知りたい人には緊急時の対応も含めてわかりやすく伝えるようにしています。基本的に患者さんに合わせて実施するものなので、直前になって痛みに耐えられなさそうな場合は急きょ無痛分娩に切り替えますし、逆にやめることもあります。事前に説明はしておくので、患者さんと相談しながら臨機応変に対応していますね。患者さんにとって、出産が終わりではなくそこからが始まり。育児に備えるという意味でもスムーズな出産をサポートできたらと思っています。

充実した設備とスタッフとの連携で患者をサポート

医院のコンセプトは“感動のある出産”だとお聞きしました。

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はい、当院では出産に関するさまざまな希望をお聞きしています。例えば「旦那さんに立ち会ってもらいたい」とか「自分でへその緒を切ってみたい」とか。出産への思いは人それぞれなので、できるだけ患者さんのニーズに応えたいと思っています。もちろん赤ちゃんとお母さんの安全が最優先ですから状況的に難しいこともありますけれどね。院内の設備にもこだわりがあって、分娩室の照明が変わったり、リラックスできるようにイルカの映像がモニターに流れたりするんです。そこで音楽も流して、一定のリズムに合わせて呼吸してもらう。陣痛のレベルに合わせた音楽があって、事前にCDを渡して家で練習してもらうんです。イメージトレーニングをしていれば自然に意識をしやすくなりますから。そういった工夫も含めて、できるだけ出産が怖いというイメージを取り除くことができたらと思っています。

入院環境でこだわっていることはありますか?

患者さんに提供する食事に気を付けていますね。最近は外食が盛んになって、おいしい食事が当たり前の時代。当院に入院する患者さんは病気を患っているわけではないので、バランスはもちろん大事ですが食事制限を厳しくする必要はないと思っています。患者さんにとっては毎日の食事は大事なもの。少しでも喜んでいただけるよう、在籍しているシェフには調理法やメニューなどに細かい配慮をしてもらっています。私もときどき内容を確認していて、最初の頃は毎日のように検食して指導していました(笑)。患者さんのニーズを捉えて、今後もレベルを上げていきたいと思っています。

診療時に心がけていることを教えてください。

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診療では患者さんの不安をできるだけ取り除くように心がけています。診察で異状がなくても不安に思っていることはたくさんあって、それをいかにくみ取るか。病院を出るときに「来てよかった」と安心して帰ってもらいたいですからね。ただ、そう思っていても忙しいときは診察時間が限られてしまう。その対策として院内に助産師による外来を設けて、患者さんがゆっくり相談できるようにしています。それと、5年ほど前から女性ドクターにも来ていただいていますよ。基本的には同じような診療スタイルですが、女性同士の方が話しやすいこともあるでしょうから。自分1人では難しいこともありますが、まわりの人たちの力も借りながら理想的な診療ができたらと思っていますね。

開業医の強みを生かして出産の素晴らしさを伝えたい

アフタービクスやベビービクスなどの教室も開催されているそうですね。

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そうですね、開院当初から取り組んでいます。患者さん同士で不安や困っていることを共有したり解消したりできると思うので、その場を提供するというのが1番の目的ですね。アフタービクスは産後の体力回復やストレス発散のための運動で、ベビービクスはお母さんが赤ちゃんと触れ合いながら体を動かしてあげるものです。産前産後のケアとしては、鍼灸師やマッサージ師、アロマセラピストにも来てもらっているんですよ。来院された患者さんがリラックスできるようにエントランスや待合室にアロマディフューザーを置いているんですが、毎月炊いていると周囲の反応も分かるようになりました。もともとアロマテラピーが好きだったので、患者さんに好評な香りや季節に合わせた香りを選んで私自身も楽しんでいますね(笑)。

これまでのご経験で印象に残っているエピソードはありますか?

時々、退院した患者さんから手紙をいただくことがあるんです。診療中は口数が少ない方だったのに、手紙には感謝の気持ちやお気遣いの言葉が書いてあって。私たちの仕事ぶりを細かいところまで見てくださっていたんだなと思ってうれしくなりましたね。もちろん、その手紙は今でも大事にとってありますよ。この地域に住んでいる方だと、2人目を産むときもここへ来てくれたり、出産までの10ヵ月ほどは定期的に通っていただくことになったりするので、何年たっても覚えているものなんですよ。病院の外で元気な姿を見かけることもありますし、そんな風にご家族を見守っていけるというのもうれしいですね。

先生の今後の展望をお聞かせください。

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最近は産婦人科の医師も少なくなってきて分娩できる場所も限られてきていますから、今後は出産のスタイルも変化してくると思います。いずれその時代が来たとしても、私は自分が健康であるうちは開業医として産婦人科を続けていきたい。少ない人数での対応は大変なこともありますが、その分きめ細やかなケアができるし、それが小さなクリニックの強みだと思っています。少子化といわれる時代ですが、子どもを育てていくことはかけがえのない素晴らしいこと。それをもっと伝えていきたいですね。いろいろなハードルがあるかもしれませんが、不安なことがあれば気軽に何でも相談しに来てください。

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