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加藤 泰久 院長の独自取材記事

栄かとうクリニック

(名古屋市中区/栄駅)

最終更新日:2019/08/28

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名古屋市営地下鉄名城線栄駅から歩いて約5分。2階から9階までを35以上のクリニックと調剤薬局が占める、エスエル医療グループのビルがそびえ立っている。2012年5月、その5階に「栄かとうクリニック」を開院したのが、国立病院機構名古屋医療センターで糖尿病・内分泌内科部長を務めていた加藤泰久院長だ。幼少時は昆虫学者になりたかったと和やかな表情を浮かべながら穏やかに語るその一方で、東日本大震災時には診療応援として被災地に駆けつけた行動力も併せ持った加藤院長に、医療グループのことや専門である糖尿病の治療方針、めざす医療のことなど、さまざまな話を聞いてきた。
(取材日2016年5月16日)

震災の診療応援がきっかけで医療グループに参加

エスエル医療グループに参加した経緯を教えていただけますか?

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かなり以前から誘われてはいたんですが、実は最初は開業することに消極的でした。ずっと大規模な病院の中間管理職のようなことをやっていて、もちろん診療も行っていましたが、診療する機会は少なくなっていました。それが、東日本大震災のとき、被災地に診療応援で行ったんです。そこで極限状態の現場を経験したことで、困っている方を助ける為に、もっと患者さんと触れ合う事が必要だと感じ、開業しました。

グループ医療の特徴はどんなところにありますか?

大きな病院の場合、最初に若い先生が診察をして、いろいろ検査をしてから診断がつくという経緯になるんですが、ここなら診断に至るまでが圧倒的に速いですね。それに専門の先生がそろっていて、みんなで助け合ってやっているという点もいいなと思います。困ったことがあればすぐ相談できますから。もう30年近く続いていますが、最初に始められた先生の考えが「専門的な知識を持っている医師のデパートを作ろう」ということだったと伺っています。アメリカ式らしいんですね。病院勤務とはまた違った大変さもありますが、患者さんとの距離が近く、患者さんに喜んでもらえたときは素直にうれしいです。病院にいたときに比べると、患者さんが入退院したときなど、すぐに連絡してくれることが多くて「開業医というのはこんなに患者さんから慕われているんだ」と思いました。と言っても、病院にいたときも同じように親身に対応していたつもりだったんですが(笑)。

糖尿病と内分泌疾患がご専門だとお聞きしましたが、患者さんは高齢者が多いのでしょうか?

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慢性病なので高齢者も多いんですが、ビル街ですから、地域に密着した医療とは、若干違うかも知れませんね。近くにお勤めのサラリーマンの方もいれば、内分泌疾患ですと若い患者さんもいます。全体としては、中学生ぐらいから100歳までと、かなり幅広いですね。このビル全体が専門医の集まりということですが、当院はエレベーターの扉のすぐ前で入りやすいということもあるのか、風邪や腹痛といった一般的な内科の症状で来る方もいます。なので、糖尿病・内分泌疾患専門だけを診るクリニックというわけでもなく、気軽に様々な症状の患者さんが来院して下さっています。

少しでもよくなっているところがあればそこを褒める

患者さんと接する上で心がけていることはありますか?

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専門的な医療を提供することはもちろんですが、それをベースにして、病気の一般的な背景や、患者さんの生活習慣、他の病気のことなどの相談にも乗れたら理想的だと思っています。また「この先生に診てもらって良かったな」と思って頂けるよう診察にあたっています。治療の進め方にしても、若い人ならなるべく学業や仕事に影響しない方法を考えたり、高齢者の場合は日常のいろいろな話を聞くなど、といったことは心がけています。

長期間通院されている患者さんも多いんですか?

そうですね。そういった患者さんからは、診ている病気のこと以外でもいろいろなことを聞かれます。「足が冷える」とか「むくみが出た」「できものができた」とかね。そういったことにもできるだけ答えられるように、いろいろな引き出しを持っていなくてはいけないな、と思っています。あと、患者さんにとっていちばん重要なのは、励ますことなんです。厳しく指導するのもひとつのやり方ですが、少しでもよくなっているところがあれば、そこをしっかり見て、褒めるようにしています。例えば検査の結果がよかったときに「よくできました」というスタンプを押しています。これは勤務医時代の上司だった先生の教えで「理論を押しつけるな」という教えから、行っています。小さな事ですが、患者さんからは意外に喜ばれているんですよ(笑)もっとも、理論的にきちっと説明しなければならない場合は、しっかり説明させて頂いてます。

糖尿病の患者さんには、どういうアドバイスをされていますか?

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食事療法や運動療法をやろうと一度に多く提案してしまうと、構えてしまい、長続きしないので、日常生活の中で一点ずつ変えていくように指導しています。サラリーマンだったら通勤を利用して歩くとか、エレベーターではなく階段を使うとか、小さな事から提案しています。栄養指導も厳密にやるのはなかなか難しいので、食べたものを大ざっぱに書いてきてもらったり、デジカメやスマホで写真を撮ってきてもらったりします。それだけでもその人の食生活のクセや偏りがわかるので、「これだけちょっと止めようか……」などと言っています。厳しくやろうとしても、こっそり食べてしまう人もいますから、多少は逃げ道を作っておかないと続けられないですからね。

医療は周りの人の協力があってこそ実現できるもの

全体的にはどのような医療をめざしているのですか?

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患者さんが生き生きと過ごしていてくれれば、それでいいと思っています。例えば糖尿病の場合ですと、以前は病気を完全にコントロールすることで、健康な人と変わらない寿命をめざしたいと考えていました。でも最近は、楽しい思いを何もできずにただ長生きしても、幸せではないかも知れないと考えるようになりました。患者さんも人それぞれなので、一人ひとりが満足してくれるような対応ができればいいな、と思います。あと、これからは自分が後進を引き上げ、育てていかなくてはいけないとも考えています。そのためにも、病院に勤務している若い先生たちともっと交流する機会を持てるといいですね。

ホームページに“医療は人の和(輪)”というモットーを掲げていらっしゃいますが、どんな意味ですか?

震災の診療応援に行ったとき、「自分一人では出来る事が限られているな」と感じました。医療というのは、患者さんとその周りの人たち、そして医療者とのつながり(輪)の上に成り立つものだということを痛感したんです。さらに、医師の力だけでなく、周りの人の協力(和)があってこそ実現できるものだという意味でもあります。実際、私が開業し、診察出来ているのも、家族やスタッフの支えがあるからだと感じていますし、この気持ちを大切にして、日々の診療行っています。

それでは、患者さんに向けてメッセージをお願いします。

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心配なことがあったら、なんでも気軽に相談してほしいですね。自分の力の及ぶ限り、お答えさせて頂きます。もし自分の力が足りないときは、こちらの先生方をはじめとするいろいろな方の力をお借りしても、できる限りお答えしようと思います。糖尿病などでいったん治療を中断してしまい、来院しにくくなっている患者さんには「よくなくてもいいから、とにかくちょっと顔を見せてよ」と伝えたいですね。場合によっては気になって、こちらから連絡させていただくこともあります。また、以前糖尿病の全国的な研究に参加させてもらった機会があり、全国各地の先生方と知り合いになれたので、転勤や引越しで来られなくなるというような場合にも、しっかりした紹介状を作成できます。そういった面でも、安心して相談していただけるのではないかと思います。

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