吉田 修 院長の独自取材記事
吉田内科
(名古屋市中区/栄駅)
最終更新日:2021/10/12
栄駅から徒歩3分、SL医療グループのクリニックが入る医療ビルの3階に「吉田内科」はある。ガラス扉を開けると、まず緑や花にあふれた待合室に入る。壁や椅子は白を基調としており、柔らかい光の室内にたくさんの緑が映え、穏やかな雰囲気。待合室の窓からはきれいに街路樹が見えてリラックスできる。そんな同院で、循環器内科を専門に診療を続けてきた吉田修院長に、父の後を継いで医院を始めたこと、循環器を中心に生活習慣病など幅広く診療していること、検査の重要性など、さまざまな話を聞いた。
(取材日2016年11月15日)
循環器を中心に内科診療を提供
開院当初から、このエスエル医療グループに属していたのですか?
この医療グループは40年以上の歴史があるグループで、私の父が「吉田内科」として参加したのは1978年からです。以後、当院では循環器の専門性を生かして、グループ内の各クリニックや、市内外の総合病院と連携しながら診療しています。私が父から継承したのは2008年です。私がまず最初に考えたのは、今通院している患者さんたちに、いかに満足していただけるか、ということです。医師が変わることで、これまで通院していた患者さんが通院しにくくなってはいけない、それを第一に考えました。それで父のやり方を継続しながら、新しいものを1つずつ追加していくようにしました。
どんな患者さんが多いのですか?
循環器が専門なので、高血圧や糖尿病など生活習慣病の方が多いです。また狭心症や不整脈など心臓に病気がある方も通院されています。初診ではいろいろな症状の患者さんがいらっしゃいます。特に胸痛や動悸など胸の症状がある方や、健診で血圧や心電図が引っかかった方もみえますし、病院で心臓の手術を受けた後の継続治療を希望される患者さんも受診されます。季節的に、風邪やワクチン接種で来院する方が増えることもあります。この近くにお住まいの方やお勤めの会社員の方はもちろん、交通の便が良いので遠方からいらっしゃる方も多く、年齢層はさまざまですね。
先生が診療所を引き継いでから、診療内容に変化はありましたか?
父も私も専門が同じなので、基本的な治療方針は変わりありません。しかし医学は常に進歩していますので、治療内容は日々変わっていきますね。父も循環器を専門に診療をしながら若い頃は大学で研究を続け、さらにアメリカに留学して当時まだ始まったばかりだった心臓カテーテル検査を学び、この地へ戻って新しく診療に取り入れました。当院を開設後も、医学の進歩を患者さんに少しでも多く提供していくことを診療方針にしてきました。私も診療所を継承してから、自分の専門に関する新しい治療薬は、どんどん取り入れて患者さんに処方させていただいています。また専門病院で始まったばかりの新しい治療法や手術なども、積極的に情報提供しています。新しい治療法が必要な患者さんには、丁寧にお話しして充分にご理解いただくことが大切だと思っています。最新の医学や治療の進歩に合わせて、これからも当院の診療内容は一つずつ変わっていくと思います。
患者とまっすぐ向き合った診療を
先生の治療方針を教えていただけますか?
まずは患者さんとまっすぐ向き合って、お話やお気持ちをしっかり受け止めたいと思っています。限られた診療時間ではありますが、患者さんの症状をきちんと把握して、それに応じて当院でできることを提供していきます。こちらで治療するか、ほかのクリニックや病院を紹介するか、ときにはすぐにでも救急車を呼ばなければいけない場合もあります。ご自分で苦しいといって来院する方もあれば、比較的症状は軽く見えても検査すると、これは放っておけないという方もいます。そういった緊急性のある方に対しては、最大限迅速に対応していきます。また通院中の患者さんで、急に体調が悪くなったり、すぐに当院へ来られないという方には、電話で対応することもあります。途切れてしまうことなく対応したいので、診療時間外の電話は私の携帯電話に転送しています。
こちらのクリニックの特徴は何でしょう?
循環器系の検査に注力しているところだと思います。心臓のエコー検査、運動負荷心電図検査、24時間の心電図検査・血圧測定検査、足や手の血圧で動脈硬化を評価する検査など、病院の循環器科外来でやるような生理検査はほぼできるようにしています。一口に心臓の病気といっても、いろいろな病気があります。心臓の血管が狭くなったり、脈が乱れたり、心臓の動きが悪くなるなど、それぞれ病気によって必要な検査が違ってくるわけです。例えば「なぜか胸が苦しい」「ドキドキする」といった症状があれば、心臓のどういう病気の可能性があるのかを考えた上で、診断に必要な検査を組みます。また、健康診断で心電図の異常や心雑音があった方にも、同様に検査を受けていただきます。すべては的確な診療を行うため。きちんとご説明して、ご理解いただいた上で進めていきます。
検査をこちらで受けるメリットは?
私も総合病院の循環器内科に勤務していましたが、総合病院だと外来の担当医が毎日同じ医師とは限りません。また検査を行う医師も外来とは異なることがあります。検査日や予約の枠も病院で決められていますので、患者さんのご都合によっては、予約した検査を全部受けて、結果を聞くまでに時間がかかってしまうこともあります。当院ですと、毎日私が外来をしていますので、いつ来てもらっても同じ医師の診察を受けられます。心臓の検査も私が行いますので、患者さんの病状や予定に合わせて柔軟に予約を組むことができます。必要に応じて早く検査を行い、その日に結果をお話しています。検査の結果、すぐに専門病院にご紹介して治療を受けていただくこともあります。循環器の病気について身近なクリニックで相談して、検査を受けられるのは大きなメリットだと思います。
何科へ行けばよいか迷ったら、まず内科へ
生活習慣病はどのように対処されていますか?
高血圧、高コレステロール、糖尿病などの生活習慣病は、きちんと管理しないと動脈硬化が進行し、将来的に心筋梗塞や脳卒中などの病気につながります。問題は、本当に病状が悪化するまで、自覚症状が出ないことです。当院では、まずご自分で現状を把握していただくことから始めます。血圧の高い方は、血圧を正確に評価します。病院に来ただけで緊張して血圧が上がってしまうこともありますので、家庭でも血圧を計測するようにお勧めしています。生活習慣に改善できる所がないかも、ご本人と一緒に考えます。塩分やカロリーの取り過ぎ、運動不足など、その原因となる日常習慣から見直すことが大切です。そして実際に内服薬が必要かどうか、ご本人に納得していただいてから治療を始めています。また禁煙も重要なので、ご希望の方には禁煙治療を行っています。
先生ご自身のご経歴についてお教えください。
1996年に名古屋市立大学医学部を卒業してから、名古屋第二赤十字病院と名古屋医療センターの循環器内科に勤務し、救急医療を中心に診療を行っていました。心筋梗塞の方に緊急でカテーテル検査をして詰まった血管を広げたり、重症な心不全の方を心臓の集中治療室で治療していました。昼夜問わず急性期の患者さんの治療を続け、大変でしたが非常にやりがいもありました。しかし本当に大切なのは、心臓の病気になる前に予防すること、心臓の病状が悪化しないよう管理することだと考えるようになりました。異なることも学ぶべきかと考え、2004年から名古屋大学の循環器内科の大学院に4年間所属し、室原豊明教授の下で血管の再生医療や内皮機能について学ばせていただきました。その後、循環器の診療を長年続けてきた父の後を引き継いで、当院で診療を始めたのです。
改めてご専門の深さを知れました。最後に読者の方へひと言お願いします。
当院は循環器が得意な「内科」ですので、ご心配なことは何でも気軽に相談していただければと思っています。決して、来院されたから当院で治療しなければならないというわけではなく、必要に応じて名古屋市内のさまざまな病院や、グループ内の医院をご紹介できます。それぞれ専門に特化した医師が集まって連携するこの医療グループは、何十件と医院があり、何十年も続いていて、しかも、みんなで仲良く協力してやっているところが強みだと思います。その中で、例えば心臓のことや生活習慣病などで心配のある方は、当院できちんと対応させていただきます。ご相談いただける場所として知っておいていただけるとうれしいですね。