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水野 健朗 院長の独自取材記事

水野医院

(名古屋市中村区/太閤通駅)

最終更新日:2021/10/12

水野健朗院長 水野医院 main

名古屋市中村区、中村区役所駅から徒歩5分のところにある「水野医院」は、現院長の水野健朗先生の祖父が開業した地域に根付いた医院。院長は、父から受け継がれた3代目だ。院内は木の温もりあふれるアットホームな空間で、待合室には畳のスペースがあるなど、ゆったりと過ごせるのが魅力。治療まで心を落ち着けて待つことができる。周辺の地区の高齢化が進む中で、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の専門であることが心強い。誠実な人柄と、穏やかな表情で、ちょっとした体調の変化もじっくりと親身に耳を傾けてくれる水野院長に、治療方針や今後の展望について話を聞いた。

(取材日2016年6月17日)

親子3代続く、地域のホームドクター

こちらの医院の成り立ちを教えてください

水野健朗院長 水野医院1

祖父、父、そして私の親子三代、こちらで地域のかかりつけ医院として続けてきました。祖父が開院し、そのまま父が継ぎ、そして1993年に私が継ぎました。といっても、継いでしばらくは父が診療をし、私は受付を担当して父のやり方を見て学ぶ形でした。意見の食い違いなどによる衝突もなくスムーズでしたね。また、私が継ぐタイミングで建物を建てなおしました。基本的には、業者の方に任せたのですが、患者さんにリラックスしていただきたいので、「木の温もりあふれる空間」にはこだわりました。高齢の方や小さなお子さんが待ちやすいように設けた、小上がりの畳のスペースも好評です。

将来的にはまた引き継がれるご予定なのですか?

子どもは医師ではありませんので、今のところその予定はありませんね。子どもには子どもの人生があるので、昔から継いでほしいと言ったことはありません。昨年初孫が生まれたので、この子の将来も楽しみです。実は私自身も父から継いでほしいと言われたことはなく、私は若い頃はカーデザイナーにあこがれていました。でも、親が私に医師になってほしいなと思っていることを何となく感じて、自らこの道へ進むことを決心したのです。今では、医師になってよかったと心から感じています。

このあたりはどういう地域ですか?

水野健朗院長 水野医院2

この中村区は、名古屋の中でも高齢者の割合が非常に多い区です。特にこの辺りは名古屋駅が近くて便利で、ずっと長くここで暮らしていくことを決めた方々が住んでいる地域だと思います。若い世代が出て行ってしまって、老夫婦だけや独居老人が増えているのが気にかかるところです。若い方が親から土地を譲り受けたとしても維持していく問題もあるようでなかなか難しいですね。この目の前の道路は江戸時代からメイン街道として使われていたような活気のある通りで、私はこの町が好きです。

先代から受け継ぐ「患者さんに寄り添う」ことを大切に

どのような患者さんが多いですか?

水野健朗院長 水野医院3

昔から当院をホームドクターとして通ってこられる高齢者が中心ですね。風邪などの方ももちろんいらっしゃいますが、高血圧に高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の患者さんが多いです。自覚症状があったり、名古屋市の検診を受けて精密検査に来られたりといった感じです。私は、もともと内科の中でも循環器を専門にしておりましたので、その知識を生かしています。がんの患者さんもいらっしゃいますね。重度の方は痛みを散らすなどの緩和療法が中心となります。もっと早く受診をしてくだされば……と非常にはがゆく思うこともありますね。お子さんも来られます。お子さんの場合は風邪、中でも急性胃腸炎が多い印象です。昔は晩秋から春先までに広まるものでしたが、今は季節を問わず流行るようになってきていますね。地元の小学校の校医もしていますので、その関係から頼ってくれることも多いです。

こちらではどのような治療が受けられるのでしょうか?

例えば高血圧。200などに上がっても自覚症状がなく、知らない間に血圧が高い状態が続いたことにより脳梗塞や心筋梗塞の原因となることもあります。そういうことを予防するため、治療薬での血圧コントロールをしたりします。地域密着の医院ですので、薬を出すだけでなく、患者さん自身や家族の方への生活のアドバイスも積極的に行っています。心身の問題で介護が必要な高齢の患者さんも、自分でできることはどんどんした方がいい。かといってまったく手を出さずにいるのも危険。歩ける人、動き回れる人は転倒の危険性があり、骨折してしまうと、そのまま完全に寝たきりになる可能性もあります。家族の方がどこまで手を出すのが理想的か、そんなこともお話しするようにしています。また、地域に根差した医院として寝たきりの方などのために往診も行っています。

診療において気を付けらていることは?

水野健朗院長 水野医院4

祖父、そして父に受け継がれてきた「患者さんのためになる」「患者さんに寄り添う」ということを常に心がけて診療に臨んでいます。第一に、患者さんの経済的な負担を軽減すること。通院の回数はできるだけ抑え、患者さんのご希望を聞いた上で、価格の安いジェネリック医薬品を積極的に処方しています。健康保険証にジェネリック医薬品希望のシールを貼っていない方には、そのメリットについての説明も行っています。地域に根差した医院として寝たきりの方などのために往診も行っています。患者さんには直接関係ありませんが、医療はチームプレーですので、一緒に作業する看護師さんへの感謝の気持ちを忘れないようにもしていますね。

少しでもおかしいと感じたら、まずは受診を

休日はどのようにして過ごされていますか?

水野健朗院長 水野医院5

車が好きなので、車の絵を描いて楽しむこともありましたが、だんだん趣味らしい趣味がなくなってしまいましたね。今は子どもや妻からのすすめもあり、年に2回、初春と晩秋に1人でグアム旅行に行くのが4~5年前からの慣例になりました。プールサイドや木陰でひたすらのんびり過ごしています。また、毎日夜ご飯のあとに自身の健康のためにウォーキングを続けています。1日1万歩をめざしています。

今後の展望をお聞かせください

祖父の世代も父親の世代も医師が偉いという時代でした。しかし今の時代、私はそれではいけないと思っています。患者さんに思いやりを持って接し、何でも話してもらえる地域の方のお悩み相談窓口になりたいと思っています。ささいなことでも、深刻なことでも、気兼ねなく相談できる、そんなふうになれると良いですね。待合室には畳の場所を設けていますが、これは医院ではなく普通の家に訪れるような感覚で通っていただければとの思いからつくりました。地域のホームドクターとして、気軽に頼っていただけたらうれしいです。もちろんセカンドオピニオンとしてのご利用も。また、この地域は、高齢の方が多い地域ですので、これまでよりもっと在宅診療が必要にもなってくるだろうと思います。

ありがとうございます。では最後に読者の方へのメッセージをお願いします

水野健朗院長 水野医院6

どのような病気も、早期発見・早期治療で回復が見込まれる時代になってきています。忙しいからと先延ばしせずに、少しでもおかしいと感じたら、まずは受診することが大切です。おかしいと思いながらも日々の忙しさから受診を後回しにして、ようやく診てもらった時にはかなり深刻な状態だったという患者さんもいらっしゃいました。本当に歯がゆいです。「毎年検診に引っかかるけれど、精密検査をすればいつも大丈夫だから、今年もそうだろうと思って再検査を受けなかった」という気持ちになることもわかりますが、これは決してそうではない。その時点では大丈夫だったというだけのこと。今まで何ともなかったからこれからも何ともないだろうという推測は、とんでもないことです。検診は毎年必ず受けるようにしてくださいね。

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