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津村 治男 院長の独自取材記事

津村こどもクリニック

(名古屋市北区/志賀本通駅)

最終更新日:2021/10/12

津村治男院長 津村こどもクリニック main

名古屋市北区の住宅街にある「津村こどもクリニック」。院長の津村治男先生は、17年間の勤務医経験を経て同院を開業。その後20年以上にわたり、地域の子どもたちの健康を支えてきたベテラン医師だ。複数の保育園の園医を務めるなど、地域貢献にも積極的。数年前からは、時間予約システムを導入し、パソコンやスマートフォンから簡単に予約が可能となった。自分の症状を口でうまく説明できない子どもの診察には、診察室に入ってきたときの子どもの表情や活気の有無が重要なヒントになるのだそう。「子どもの純粋さに日々癒やされています」と笑顔で語ってくれる津村院長に、開業のきっかけや、小児医療の難しさ、さらに仕事のやりがいなどを聞いた。

(取材日2018年5月10日)

表情や活気をヒントに、その子に合わせた治療を考える

長く勤務医をされていたようですが、開業のきっかけは何だったのですか?

津村治男院長 津村こどもクリニック1

いつかは開業を、とはずっと思っていましたが、勤務医の時は正直、具体的な開業プランはありませんでした。私に開業のきっかけをくれたのは、今、この建物の上の階で開業している「明陽クリニック」の院長です。高校の同級生でもある彼が、この建物で一緒に開業しようと誘ってくれました。開業の誘いを受けてからの準備は早く、半年後には開業していました。もともと実家は名古屋市南区で、父が内科の医院を開いていたので、親としては後を継いでほしかったかもしれません。しかし、実家の周辺には子どもが少なく、また自分は小児科専門のクリニックにしたかったので、実家ではなくこの場所に開業しました。今ではここが第二の故郷になっています。

勤務医の時と今で、違うことはありますか?

開業する前は市民病院に勤めていたので、周りにたくさんの医師がおり、その場で相談したりアドバイスをもらうことができました。しかし、開業すると1人です。相談する相手がいないことに、開業当初は戸惑いましたね。一方、大きな病院と違い、ここでは1人の患者さんを1人で診ることができます。ローテーションで診察していた勤務医時代より、患者さんとより深い信頼関係を築けるようになったと思います。個人クリニックだと、自分を信頼して患者さんが来てくれていると感じられるので、仕事に対するモチベーションも上がります。頼ってもらえること、病気が治って喜んでもらえることが、何よりも私の励みになっています。

言葉でうまく症状を説明できない子どもを診察するのは大変ではないのですか?

津村治男院長 津村こどもクリニック2

大変な時もあります。子どもが「お腹が痛い」と言っても、実は胸が痛かったということもありますので。子どもの状況を正確に捉えるには、子どもが診察室に入って来たときの顔つきや、話すときの活気が重要なヒントになります。子どもの病気への対応は、大人と同じとはいきません。その子に合わせた治療法を考えます。また、小児科は内科や外科のように科が細分化されていない分、幅広い知識が必要となるので、この点は大変かもしれません。しかし、日々の診察の中で子どもの純粋さに癒やされるので、小児科をやっていてよかったと思っています。

気軽に相談できる、通いやすい医院でありたい

院内でこだわっている点はありますか?

津村治男院長 津村こどもクリニック3

子どもがケガをしないように、床の一部をクッションにして、ドアにも指を挟まないようにカバーをつけました。小児科なので、完全個室の隔離室は必須と考えています。開業当初は、今のクリニックの半分程度の広さだったので、患者さんが立って待たなければならない時もありました。今は拡張工事をしたので、待合室も診察室も広くなり、患者さんがゆったりと時間を過ごせるようになったと思います。また、子どもたちが待ち時間に飽きることがないように、おもちゃやキャラクターグッズを多く取りそろえています。子どもたちが、このクリニックなら来たいと思えるような雰囲気づくりを心がけています。

診療予約システムを取り入れようと考えたのはなぜですか?

予約システムをすでに取り入れていた病院の先生から勧められたのがきっかけです。小児科なので、どうしても風邪がはやる時期には混雑します。また、保育園や学校が終わった時間などに患者さんが集中し、長時間待たせてしまうことがありました。時間予約システムを導入してからは、以前ほど患者さんを待たせなくなりました。たまに、診察時間が押して自分が焦ってしまうこともありますが。しかし、以前のように患者さんが一時に集中することがなくなったので、予約システムを導入してよかったと思っています。パソコンやスマートフォンから簡単に予約できるようにもなったので、患者さんもより気楽に来られるようになったのではないでしょうか。

日々の診療で心がけていることはありますか?

津村治男院長 津村こどもクリニック4

親御さんが気軽になんでも質問できるクリニック、お子さんも通いやすいクリニックの雰囲気づくりを心がけています。また、患者さんにわかりやすく説明をするために、いくつかの病気については説明書を用意して、渡すようにしています。紙を渡すことで、もし夜に体調が悪くなり、夜間救急病院を受診することになっても、夜間救急の先生に親御さんから正確に当院での診断名を伝えることができます。薬の飲み方や使い方についても、薬局だけに任せるのではなく、ここでも説明するようにしています。過去には、液体の薬を保育園で1本全部飲ませてしまったり、患者さんのお姉ちゃんが親の知らないところで飲ませてしまった事故もあるので、薬の保管についても注意していただくようお話ししています。

患者からの信頼を感じられるから頑張れる

園医をしている幼稚園には頻繁に行かれるのですか?

津村治男院長 津村こどもクリニック5

時期によっては複数の幼稚園に毎週のように健康診断に行っています。親御さんから質問がある場合は、保育園の先生を介してご説明させていただくこともあります。最近では、食物アレルギーに関する質問が増えてきているように感じますね。学校や保育園でも、アレルギーに対応するための指針ができましたし、自分の子どもがどうなのかを心配する親御さんも多くいるのではないでしょうか。もし心配がある場合には、気軽に相談に来ていただきたいです。アレルギーの負荷試験が必要となるような患者さんに対しては、近隣の総合病院を紹介することもあります。

小児科の医師になって、よかったなと感じるのはどんな時ですか?

患者さんに信頼されていると感じた時、やっていてよかったと思います。最近では、自分の子どもを連れてきていたお母さんが、おばあちゃんになって、今度はお孫さんを連れて来てくれることもあるんですよ。これも信頼されているからなのだろうなと感じます。それと、何年も前の話ですが、病院嫌いで、いつも泣きながら連れて来られていた子のお母さんが、わざわざ私にコロッケを買ってきてくれたのです。いわゆる普通のコロッケでしたが、感謝の気持ちが伝わってきて、そのお気持ちがとてもうれしかったです。患者さんの信頼や感謝の気持ちが、私を頑張らせてくれています。

読者へのメッセージをお願いします

津村治男院長 津村こどもクリニック6

小児科を受診するときには、いつからどんな症状が始まったのか、そしてその症状が今日までにどう変化したのかを、医師に伝えられるように準備して来院してください。子どもの病気の診断には、症状が出てから、症状がどう変化したかが重要なヒントになります。また、母子手帳をぜひお持ちください。母子手帳には、予防接種の記録や出生時の記録など、診察する上で重要な情報が記載されています。乳児であれば、母子手帳に体重を記録することができ、成長具合も確認することができます。最後に、当院を受診するときは、ぜひ緊張せずに来院してください。そして気軽に何でも質問してください。信頼して頼ってもらえると私もうれしいですし、患者さんにとって頼れる存在でありたいと思っています。

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