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西野 正路 副院長の独自取材記事

西野医院

(名古屋市東区/車道駅)

最終更新日:2019/08/28

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名古屋市営地下鉄桜通線車道駅から徒歩約12分。名古屋市営バスでは徳川園新出来停留所から徒歩約5分の距離に、創立から80年を超える歴史を持つ「西野医院」はある。二代目にあたる現院長、西野嘉彦先生が初代院長の後を継いだ際に建て替えられたという同医院は、地域に根ざした「かかりつけ医」的存在として、近隣住民の健康を見守り続けている。現院長の息子であり、副院長として診療にあたっている西野正路先生に、医師をめざしたきっかけから、強い影響を受けたという現院長から引き継いでいきたいこと、日々の診療についての心がけや、同医院の特徴のひとつになっている高山病や潜水病といった「特殊外来」のことなどについて、話を聞いた。
(取材日2016年7月14日)

地域医療の窓口のような存在に

医師をめざしたきっかけを教えてください。

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当院の院長である父の姿を見ていましたので、子供の頃からなりたいものが医者しかありませんでした。二階が自宅、一階がクリニックで、住み込みの看護師さん達と一緒に生活をしていましたから、病院や医者が怖いということもなく、父が笑顔で患者さんを診察している様子を見ているうち、自然とそう思うようになりました。他にどんな職業があるとか、知ろうともしませんでしたね。最初からレールが敷かれていて、それに乗ってしまったという部分もあったとは思いますが(笑)。この医院を自分が継ぐんだという感覚も、かなり早い時期からありました。ただ、近い将来、実際に僕が継ぐのだと考えると、自分のカラーを出していく部分と、残していきたい部分とのバランスをどうするかが、現在の課題になっています。

消化器内科を専門にされたのは院長先生の影響ですか?

それは全くの偶然なんです。消化器は、いろいろな臓器の中でも病気や検査の種類がもっとも多く、技術が必要な科目でもあります。そういった技術を修得しながらレベルアップしていくという感覚に惹かれたのも理由のひとつでした。外科を選ばなかったのは、何が原因かを探り、診断することが好きだったからです。もっとも、僕自身の気質としては、現在で言う総合診療、総合内科に近い感覚だと思っています。父も消化器内科が専門ですが、その専門性を前面に出さずに、幅広い診療をしています。僕自身も、患者さんに対して正しい診断をして、必要があれば専門の先生へと送り出す、地域医療の窓口のような存在になれればいいと考えています。それには、聖霊病院での研修医としての経験が少なからず役に立っています。そこでの経験が、現在の僕の知識や技術の基盤になっているんです。

具体的には、どのような経験が役に立っていますか?

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研修医時代は、かなり早い段階で外来に出されるのですが、そこでの患者さんとの会話を通して、教えられたことがたくさんありました。僕はもともと、それほど話が好きなほうではなかったんですが、外来を続けていくうちに、どんどん自分から話すようになりました。父もよく喋るので、遺伝もあるかも知れませんが、今ではつい話がはずんでしまいます(笑)。でもそれが僕自身のカラーなのかな、とも思っています。また、外来から入院となった患者さんに「医者と患者の信頼関係は商売と一緒だ」と言われたことがあり、それも頭に残っています。医療にもサービス業的な一面もありますから。

医師と一緒に病気を治すという気持ちを持ってほしい

日々の診療にあたって心がけていることはありますか?

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やはり患者さんとのコミュニケーションですね。それも一回話したぐらいではなかなかわかってもらえないので、何回も話したり、紙に書いたり、資料を使ったりしながら、くり返し説明します。それもできるだけ専門用語を使わないようにしています。あと最近は、週刊誌などの情報をうのみにして、薬を飲みたがらない患者さんも多いので、それについても正しい情報を伝えることも心がけています。外来の仕事の半分ぐらいは、そういったことだと思っています。その一方で、医師にすべて任せるのではなく、患者さんにも自分の病気についての知識はある程度持ってほしいとも思います。自宅にいる間は自分が主治医だというぐらいの意識で、ある程度は自分で判断ができ、医師と一緒に病気を治すんだという気持ちでいてほしいです。

印象的に残っている患者さんとのエピソードなどはありますか?

長い期間患っていて、しかも徐々に悪化していく患者さんに気持ちが移ってしまったときはつらいですね。そこは僕のよい面であると同時に、弱い面でもあるかなぁと思っています。涙腺が弱いのは医者としてまずいので。性格的にそうあってもいいと思う部分と、そうではいけないと思う気持ちの葛藤は、常にあります。でも、それもまた自分のカラーでもあるので、これからもそうやって葛藤していくのだと思っています。ときには患者さんに対して厳しいことも言いますが、それが患者さんのためだと受け取ってくれる人は、ずっと通って来てくれているはずです。そういったことは、患者さんとの相性もあるので、変に演じたり、八方美人になる必要はないと思っています。

院長先生との診療の分担はどうしているんですか?

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現在は院長と私、私の妻の3人で診療にあたっているんですが、患者さんが曜日を選んで来ているようです。患者さんのウケが一番いいのは妻です。それまで院長にかかっていた患者さんが曜日を変えてしまったりすることもあるくらい(笑)。3人それぞれ少しずつ考えが違ったりするんですが、院長や妻の患者さんが、私の意見をセカンドオピニオン的に聞きにいらっしゃることもあります。二人三脚ではありませんが、3人でうまく回っているのかなぁと思います。そういった面では妻にも感謝しています。他の医院などに引き抜かれたりしたら困ってしまいますね(笑)。また、スタッフのみんなにも支えられています。当院のスタッフは、僕が心がけている患者さんとのコミュニケーションの取り方も理解し、実践してくれるので、とても助かっています。

専門性も打ち出しながら、幅広い医療をめざしたい

「特殊外来」とは、どんな診療なんですか?

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高山病や潜水病などの診療なんですが、半分は僕の趣味が反映されているんです。学生時代にダイビングをやっていた頃、潜水病になる人がいることを知り、何か手助けできないかという気持ちで勉強したのが始まりでした。また、潜るのと登るので違う面もありますが、どちらも気圧が原因の病気ということで、高山病も勉強しました。さらに、僕は旅行が好きなので、旅先で特徴のある病気になったときどうすればいいか、ということも学びました。そういった知識をフィードバックするためにも、始めることにしたんです。人数としては年間50人ぐらいですが、旅行社やダイビングスポットの紹介などで、診察したり相談に乗ったりしています。学会認定医として、基本的な対応はできていると思います。その上で専門的な治療が必要なときは、そういった病院を紹介しています。

患者さんはどのような症状の方が多いんですか?

やはり内科の患者さんがいちばん多いですね。高齢者が中心ですが、そのお子さんやお孫さんなど、家族の方が来院することもあります。地域との結びつきという面では、そういった広がりができるのは、いいことだと思います。内科全般の相談は全て受けるというスタンスでやっているので、科目に関わらず「具合が悪くなったらとりあえず西野さんに相談してみよう」と来られる患者さんが多いです。いわゆる「プライマリケア」と呼ばれる、身近で総合的な医療を、これまでもやってきているわけですが、僕もそういった面は受け継いでいきたいと思います。

これから力を入れていこうと思う部分はありますか?

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内科全般については、現在と同じように、プライマリケア専門医として自分たちでできるところまでは幅広く診るというスタンスを取りながら、宝の持ち腐れにならないように、消化器内科としての専門性も打ち出していきたいと思っています。胃カメラ・大腸カメラをはじめとして、設備面も充実させたいですね。それ以外にも、例えば禁煙治療などもそうですが、クリニックレベルでできることはどんどん手がけていきたいです。プライマリケアとしてのほとんどのことが当院でできるようになれば理想的ですね。また、僕は現在、岐阜県の桃井病院の院長も兼務していて、そちらでは在宅医療もやっているんですが、余裕ができたら当院でも始めたいと考えています。

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