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伊吹 恵里 院長の独自取材記事

磯部内科医院

(名古屋市東区/大曽根駅)

最終更新日:2019/08/28

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名古屋市バス・基幹バスの古出来町バス停下車徒歩1分。6月に改修を終えた「磯部内科医院」がある。同院は、院長の伊吹恵里先生の父にあたる前院長が、1961年に開院。伊吹先生は消化器が専門で、漢方専門医・指導医の資格も持ち、西洋医学と東洋医学の2つの視点から診療する。心と体のバランスが健康維持には必要だとする東洋医学の考え方は総合診療に通じると着目し、漢方を取り入れたという先生。診療時は患者の生活背景や生活習慣などを考慮し、全身を包括的に診る総合診療に重きを置いている。患者の気持ちに寄り添い、心身共に癒やせる医師になりたいと語る伊吹先生に話を聞いた。
(取材日2016年6月29日)

地域に愛されて、歴史ある同院を継承していく

こちらは長い歴史がある病院だそうですね。

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当院は、私の父が1961年に開院して55年。近隣の県立旭丘高校校医もさせていただいております。私が院長として正式に継承したのは、今年の6月1日です。父も以前より私が引き継ぐことを希望していましたので、その準備に入ったのは愛知医科大学勤務医だった1年前から。週1回、土曜日に外来を手伝い始め、徐々にこちらでの診療に重点を置くようにシフトしました。私は結婚して姓が変わりましたが、当院は父の代から地域に「磯部内科」として定着しているので、院名はそのままにしました。父は温和で優しい性格の持ち主なのでとても患者さんに慕われています。

改修時にこだわったポイントを教えてください。

以前は車いすが入れなかったので、今度はバリアフリーに配慮し、どなたでも楽に行き来できる環境にしました。院内には自宅にあった絵を飾り、中でも一番大きい絵は、恩師の作品です。恩師は河村たかし市長の従姉妹に当たる方で、高校の美術の先生でした。先生の個展を観に行った際にとても気に入り、お願いして購入させていただきました。待合室は患者さんからも明るくて安らげると好評ですよ。安らぐというのは私にとって一つのテーマで、院内でクラシックを流しているのも、患者さんがリラックスして診療や検査が受けられる雰囲気にしたいからです。クラシックを流すのは父が院長だった頃からで、昭和期のクリニックとしては珍しかったのではないでしょうか。

患者層を教えてください。

男女比に偏りはありません。中高年の方を中心に、幅広い年代の方が来院します。女性医師だと、男性には話しにくい心の悩み・婦人科系や更年期トラブルなどを相談しやすいようで、私が院長になってから女性が少し増えたかもしれません。男性でも高齢の方でも、私を「お母さん」のようなイメージで頼ってくださいますね。それから、私は漢方専門医でもありますので、東洋医学を希望される若い方がインターネットで調べて来院されることもあります。

リニューアルした際に設備にもこだわったそうですね。

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はい。胃の検診にはバリウムを用いたX線検査が一般的で、当院では従来から行っていました。さらに、今年の10月から名古屋市の胃検診には内視鏡検査も選択できるようになり、急遽内視鏡を導入しました。内視鏡検査でより精密な診断や病気の早期発見にもつながります。もし病気が見つかれば、専門医療機関に患者さんをより早く紹介できるのもメリットでしょう。胃のムカつきや腹痛の原因は、検査しないとわからないことが多いので、超音波検査と内視鏡検査の両方を行うのが理想です。若い方の発症が増えている乳がんは、マンモグラフィーでは見つけにくいことがあります。当院ではしこりの硬さも判定できるエラストグラフィーを搭載した超音波検査機器を導入し、今後ニーズが高まるであろう乳腺超音波検査ができるような設備を整えました。町のクリニックでも、大学病院と同じような検査が受けられる環境を再現し、高水準で質の良い医療を提供していきます。

心と体が合わさって一つという考え方は漢方の原点

先生が漢方に興味を持たれたきっかけは何ですか? 

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大学病院勤務医の頃、訴えに応じてあらゆる疾患に目を向けていく中で、自然と全身を診るようになったんです。人は、心と体がうまく噛み合ってこそ、正常に機能しています。決してバラバラではない。「何事もバランスが大事」という東洋医学の考え方に通じると気付き、漢方にも興味を持ちました。「木を見て森を見ず」という言葉がありますが、私は木も見て森も見ようと考えたのです。そして、西洋医学的に検査しても異常がない患者さんに、漢方を取り入れたところ、あっという間につらい症状が改善したという例が続き、その回復ぶりを見て非常に興味が湧きました。漢方に面白さを感じ、その勢いで漢方専門医・指導医と資格を取りましたね。

愛知医科大学では総合診療科に勤務していたと伺いました。

総合診療科立ち上げに携わった上司から、一緒にやって欲しいと声をかけていただきました。総合診療科に配属されなかったら、そのまま消化器専門医として進んでいたであろう私にとって大きな転機でした。そこで、患者さんの訴える症状の原因究明や治療法を考えるにあたり、全身を総合的に診る目が大事だということに改めて気付かされたんです。総合診療科は、私が東洋医学に目覚めた場所です。また、愛知医科大学では15歳以上の女性を診療する女性総合の外来を立ち上げました。検査で特に異常がない場合にメンタルが原因と語るのは非常に簡単なこと。しかし、患者さん一人ひとりの生活背景を理解することも大切です。ただ、初診時にあまり踏み込んだ質問はしません。診察を重ね、患者さんとの距離を徐々に縮め、会話の中から少しずつ生活背景などを読み取るようにしています。

西洋医学と東洋医学を組み合わせることでのメリットを教えてください。

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西洋薬でも漢方薬でも、患者さんに合うものならこだわりなく処方しています。ただ、西洋医学では化学療法のような強い薬を使うこともあるでしょう。そのせいで体が参り、副作用が出てつらいという患者さんもいます。西洋薬は止められないけれど、副作用を軽減したい。そういう時は、副作用を緩和する漢方薬を処方すれば、苦しさを和らげることも可能です。それだけでなく、がん患者さんの免疫力を上げて体調の改善効果が期待できる漢方薬もあります。当院では、西洋医学と東洋医学の両方の良いところを生かした患者さんの症状改善をめざしています。そうすることで患者さんの笑顔が見られればとてもやり甲斐を感じます。西洋医学と東洋医学両面からのアプローチは今後も続けていき、漢方薬の良さも皆さまに知っていただきたいと思います。

総合診療医育成の場を提供していきたい

医師を志し、内科医になろうと思ったきっかけを教えてください。

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医師をめざしたのは、父の影響が大きいです。隣の歯科医院も従兄弟で、親族にも医師が多い環境で育ちましたから。高校の頃は精神医学に興味があり、一時は精神科医や臨床心理士になることも考えました。しかし、心やからだ全体を診療できる内科医の道を選びました。今は内科の中でも専門領域が細分化され、それぞれの専門医がいます。私自身も消化器専門医の一人であり、専門性を極めていく先生方は本当に素晴らしいと思います。でも、私は一人のひと人全体を診ることにこだわり続け、1つの臓器に特化せずに診療していこうと決めたんです。

総合診療ができる医師の指導にも注力されているそうですね。

患者さんの生活背景などを考慮し、包括的に診るプライマリーケアをするのが総合診療医です。総合診療医になるためには、地域に密着した医療も当然学ばなくてはなりません。私が今後の課題としている在宅診療の在り方について若いドクターとともに考えていきたいと思っています。総合診療医育成の手助けができるのなら、その場所を提供していきたいですね。将来的には、各種超音波検査を学んでもらえるような機会もつくっていこうと思っています。

今後の展望や読者のメッセージをお願いします。

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第一には、地域の皆さまに大学病院の外来部門のサテライトのような質の高い医療を実践していくこと、第二には、今後ますます地域で必要とされる内科的業務を中心とした総合診療医育成の場をめざしていくことです。患者さんが生き生きと楽しく生活していくためには、「元気があれば何でもできる。」という有名なセリフにあるようにこころとからだ両方の健康寿命が大切です。些細な症状であっても病気が隠れている可能性があります。どんな小さなことでも気になることがあれば、何でも気軽にご相談ください。

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